弘前市議会には、現在三つの特別委員会があり、一つは議会制度等調査特別委員会であり、こちらは議員定数や報酬などを話し合ってきたことが報じられる機会も多く、皆さんでも知っている方が多いと思います。
また、議会だよりをリニューアルするために、ひろさき市議会だより編集特別委員会が組織されたのですが、もう一つの産業振興対策等調査特別委員会についてはわからない人の方が多いと思います。
その産業特別委員会が、岩木川中流域の治水事業の促進を求めて国土交通省に陳情するために上京したという地元紙報道がありましたが、今回はこの陳情について考えてみたいと思います。
旧弘前市時代にはいくつかあった特別委員会が、合併後の前期4年間には組織されませんでしたが、それは前市長が陳情はムダという考えだったそうで、会派代表者会議で旧市時代を懐かしんで提案されることもありましたが、何のために必要なんだというダメ出しが市長室から返ってきて沙汰止みになったのを記憶しています。
それを提案した先輩議員の目論見も陳情だっただけに、この拒絶だけは前市長唯一の善政と思っていましたが、多くの人が納得しやすい議会改革を進めるために必要な議会特別委員会を半数の16名で組織された影で、陳情につながりやすい産業分野でもう一つの員会ができるあたりが議会の伏魔殿たる所以です。
案の定、今回の陳情となったわけですが、それでは本当に陳情で事業が促進されたり補助金が増えるものなのでしょうか?
その効果が目に見える形になるわけではありませんから測ることもできませんが、この岩木川中流域の件にしても少しでも予算づけされれば「俺が陳情してきたから動いた」という言い方をする議員が出てきても不思議ではありません。
しかし、国民の立場から考えてみても、陳情に来たところは優先されて足を運ばないところは先延ばしにされるというのでは公正な行政判断とは言えませんし、これこそ中央集権の最たるものですから、地方の側からやめるべきことだと思います。
その上、こんなことのために無用な交通費や宿泊費さらには日当まで支出されてしまうわけですから、これで事業が進まなかったとしたらまさしくムダでしかありません。
この陳情ばかりでなく、常任委員会や会派の視察でも市民向けの報告会が行われないために、何をどこでやったのかが見えないことを免罪符にしているだけに、これこそ議会改革の一丁目一番地で取り組むべきことだと改めて思います。
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