二日前にふるさと納税の問題を取り上げたばかりですが、昨夜の深夜番組「月曜から夜ふかし」で取り上げられていた内容を見て、改めて問題が見えないままでブーム化する懸念を強く感じましたので、三たび論じておきたいと思います。
番組では、必ず得できる制度としてふるさと納税を取り上げ、自分のふるさとでなくてもよいこと・寄附金であること・プレゼントがつきものであることを紹介して、年間300万円の寄附を200自治体に振り分けている人からは「(控除額の)2000円でもらえるお取り寄せギフト」というコメントまで引き出していました。
この人は、300万円まで寄附できるほどの高額所得者であることも紹介されていましたが、そのプレゼントだけで食費もかからないとまで言うほどの産品が毎日のように届くのだそうで、今話題のピケティの論ではありませんが、所得のある人ほど得ができる仕組みであることまで見えてきます。
一方で、ふるさと納税を受け取る側として13億円という桁外れの寄附を受けている長崎県平戸市が紹介されていましたが、プレゼンとのために地元産品が大量に購入されるため、地元業者がうれしい悲鳴を上げる姿もあって、これだけ見ると首都圏でふるさと納税に回される側の自治体だけが損しているものの、それをねらった仕組みなので遠慮せずに活用しましょうという内容でした。
MCであるマツコ・デラックスも、出身地にふるさと納税しようかなあとコメントしていましたが、これでさらにブームが広がってしまえば抱えている問題が拡大してしまうだけに気がかりです。
ふるさと納税を行う側としては、そのことで自治体に寄附金が入り自分はプレゼントを受けられる一挙両得の制度と思っているでしょうが、控除額を引いた分が収まるとしてもその見返りに届くプレゼント購入に回っているのであれば、本来の自治体を応援するという形にはなりませんので、何のための仕組みなのかということになります。
また、財源が寄附金かどうかはさておき、プレゼンとのために産品を自治体が買い上げるというのは、仮にそれが地元を代表する名産物であっても売上の保証をする=地元業者を補助金づけにするのと同じことで、何度も指摘している補助金行政を知らぬ間に拡散させてしまうことになりますし、この制度が変わった際には業者への打撃も避けられないと思います。
こういった問題が見えないままに、人気番組やサイトでふるさと納税がカジュアルに広まってしまうことへの懸念を、皆さんにも理解していただきたいと思います。
弘前市の石垣普請応援コースは、石垣への刻銘というインセンティブだけだと思いますが、他の4コースでもプレゼンとなしでも集まる寄附を最大限活用させてもらう形で、額にとらわれない方針で取り組むべきだと思います。
2015年2月10日火曜日
2015年2月8日日曜日
ふるさと納税の次に考えるべきこと
8月にふるさと納税の矛盾について論じましたが、ちょうど雪灯籠まつりにあわせて1万円以上の寄附者を対象にした抽選会が行われたことを地元紙が報じていました。
それによると、対象となったのは1,042名ということですから、単純に掛け算しても1,000万円を超える額になっていますので、昨年度の313万円からは少なくとも3倍以上になったのは間違いありません。
これでも制度を見直した意義はあると言えますが、上には上があって近いところではお隣大館市では今年度1億円を超えたということですので、まだまだ工夫が必要だとも思えます。
ところで、ふるさと納税の趣旨は出身者や弘前市を愛してくださる外部の方からの寄附を呼びこむことあるはずですが、この寄附者の中には市民も含まれているそうで、これは特定の事業を指定して納税するのと同じことになります。その問題点は前述したとおりですが、今のところ市で検討したことも議会で取り上げられたこともありません。
これに対して、埼玉県鶴ヶ島市ではTOWNTIPという市民向けSNSと連動して、登録している市民活動団体の活動に市民がポイントで応援した分が金額に換算されて寄附される仕組みを6年以上前から導入しており、私も在職中に視察して感嘆したことがあります。
SNSとの連動はさておき、鶴ヶ島市の市民活動を市政の事業に置き換えて、12月の年末調整の時期にあわせて市が単独で事業化しているものを列挙した書類を市民税納税額1万円以上の市民に対して送付し、このうちどれかを指定して寄附扱いにするかどうかを選択してもらうことにすれば、市民にとって自分が希望する事業が寄附によって実現できたとなれば市政に対する関心も高まると思います。
また、その額の多寡が市民がどんな事業に力を入れてほしいかのバロメーターであり評価ということにもなりますので、それをふまえて事業の継続・拡充もしくは廃止を検討していく形になれば、市民主権でのPDCAサイクル実現ということにもなりますので、葛西市政の根幹となるシステムまで昇華できるものだと思います。
ふるさと納税はブーム化していますが、それに乗って競争するより、その仕組みを市民に振り向けるベクトルの方が、弘前市の存在価値を高めることになると思いますので、必ずや提言していくつもりです。
それによると、対象となったのは1,042名ということですから、単純に掛け算しても1,000万円を超える額になっていますので、昨年度の313万円からは少なくとも3倍以上になったのは間違いありません。
これでも制度を見直した意義はあると言えますが、上には上があって近いところではお隣大館市では今年度1億円を超えたということですので、まだまだ工夫が必要だとも思えます。
ところで、ふるさと納税の趣旨は出身者や弘前市を愛してくださる外部の方からの寄附を呼びこむことあるはずですが、この寄附者の中には市民も含まれているそうで、これは特定の事業を指定して納税するのと同じことになります。その問題点は前述したとおりですが、今のところ市で検討したことも議会で取り上げられたこともありません。
これに対して、埼玉県鶴ヶ島市ではTOWNTIPという市民向けSNSと連動して、登録している市民活動団体の活動に市民がポイントで応援した分が金額に換算されて寄附される仕組みを6年以上前から導入しており、私も在職中に視察して感嘆したことがあります。
SNSとの連動はさておき、鶴ヶ島市の市民活動を市政の事業に置き換えて、12月の年末調整の時期にあわせて市が単独で事業化しているものを列挙した書類を市民税納税額1万円以上の市民に対して送付し、このうちどれかを指定して寄附扱いにするかどうかを選択してもらうことにすれば、市民にとって自分が希望する事業が寄附によって実現できたとなれば市政に対する関心も高まると思います。
また、その額の多寡が市民がどんな事業に力を入れてほしいかのバロメーターであり評価ということにもなりますので、それをふまえて事業の継続・拡充もしくは廃止を検討していく形になれば、市民主権でのPDCAサイクル実現ということにもなりますので、葛西市政の根幹となるシステムまで昇華できるものだと思います。
ふるさと納税はブーム化していますが、それに乗って競争するより、その仕組みを市民に振り向けるベクトルの方が、弘前市の存在価値を高めることになると思いますので、必ずや提言していくつもりです。
2014年8月8日金曜日
ふるさと納税の矛盾
菅官房長官の控除倍額発言を受けてか、今日のTBS系昼の情報番組「ひるおび」で特集が組まれ、弘前市でも弘前城石垣修理にあてる石垣普請応援コースという特別コースを新たに設定することが公表されました。
ふるさと納税のポータルサイトができたり、番組で紹介されたように長野県阿南町では2億円超と町民税と同額になるほどの寄附が寄せられているそうですし、先日は船橋市で寄附者に非公認キャラクター「ふなっしー」のクリアファイルをプレゼンとすることにしたら1ヶ月で5000万円近い額が集まったそうで、非常に注目される取り組みになっています。
これにひきかえ、弘前市の昨年度実績は313万円だそうで、シティプロモーションとの関連で質問する議員もあって、今回の特別コース設定となったようですが、この機会にふるさと納税を考えてみたいと思います。
「ひるおび」のコメンテーターとして前鳥取県知事であり総務大臣も務めたことのある片山善博さんが出演していたので、いくつか矛盾があることがわかりました。
本来の目的は地方格差で税収が少ない自治体を応援することなのですが、現在では半数近い自治体がプレゼンとをつけることで寄附を呼びこむ流れになっていて、先ほどの船橋市のように首都圏の恵まれた自治体に寄附が集まるのでは本末転倒なのですが、これから東京五輪を控えて入場券や五輪グッズをもらえるとなれば東京に集中してしまうこともあり得る制度設計が問題だと、片山さんは話していました。
また、片山さんは市民税であれば市民税1万円納税額が増えると国からの地方交付税が8000円減額されるのに対し、ふるさと納税は1万円の寄附がまるごと収まるので、自治体にとっては納税者より寄附者の方がありがたいという逆転現象が生じる懸念を語っていましたが、阿南町では米20kgがプレゼントされるのだそうで普通に考えれば1万円でそれ以上の見返りが受けられる寄附と目に見える見返りがない納税のギャップは大きいと思います。
これは弘前市でも言えることで、1万円それ以上の納税をしているからといって一口城主と自動的に認めてくれるはずもなく石垣に名前を刻まれるわけもないのに、ふるさと納税であれば1万円で後代に名を残してもらえるのを考えると、神社仏閣のように寄進額の多少に応じて順番に並べてもらえる方が公平だとさえ言えると思います。
ちなみに、弘前市のこれまでのふるさと納税は、日本一のさくら・四大まつり・子どもたちの笑顔・オール弘前地域づくりの4コースだったのですが、納税している市民は自らの血税の使途を指定できないにもかかわらず、ふるさと納税であれば一口城主を含めて5分野から選択できるというわけです。
これも片山さんが言う寄附者優先の仕組みの一つなのですが、それであればふるさと納税の控除額と同額まで納税の際に指定できるようにでもしないとおかしいと言わざるを得ませんし、市からすれば自由に使える税金を納める納税者こそ優遇すべきであるのは言うまでもありません。
プレゼントも阿南町のように寄付金を上回る見返りとなれば、その産品を支度するところで財源がなくなってしまって、町の経済の活性化にはつながっても町が考えていた分野には予算が回せないという矛盾が生じる懸念もありますし、プレゼントなしで300万円でも新規事業一つに絞って使わせていただくくらいの思い切りがあれば寄附をいただいた意義があるということもできます。
ふるさと納税は、何がもらえるかではなく、何に使ってもらえるかを考えるべきですし、それが納税する立場として市政を見直すきっかけにもできると思います。
あなたは、自分の納める税金そして寄附金を何に使ってほしいですか?
ふるさと納税のポータルサイトができたり、番組で紹介されたように長野県阿南町では2億円超と町民税と同額になるほどの寄附が寄せられているそうですし、先日は船橋市で寄附者に非公認キャラクター「ふなっしー」のクリアファイルをプレゼンとすることにしたら1ヶ月で5000万円近い額が集まったそうで、非常に注目される取り組みになっています。
これにひきかえ、弘前市の昨年度実績は313万円だそうで、シティプロモーションとの関連で質問する議員もあって、今回の特別コース設定となったようですが、この機会にふるさと納税を考えてみたいと思います。
「ひるおび」のコメンテーターとして前鳥取県知事であり総務大臣も務めたことのある片山善博さんが出演していたので、いくつか矛盾があることがわかりました。
本来の目的は地方格差で税収が少ない自治体を応援することなのですが、現在では半数近い自治体がプレゼンとをつけることで寄附を呼びこむ流れになっていて、先ほどの船橋市のように首都圏の恵まれた自治体に寄附が集まるのでは本末転倒なのですが、これから東京五輪を控えて入場券や五輪グッズをもらえるとなれば東京に集中してしまうこともあり得る制度設計が問題だと、片山さんは話していました。
また、片山さんは市民税であれば市民税1万円納税額が増えると国からの地方交付税が8000円減額されるのに対し、ふるさと納税は1万円の寄附がまるごと収まるので、自治体にとっては納税者より寄附者の方がありがたいという逆転現象が生じる懸念を語っていましたが、阿南町では米20kgがプレゼントされるのだそうで普通に考えれば1万円でそれ以上の見返りが受けられる寄附と目に見える見返りがない納税のギャップは大きいと思います。
これは弘前市でも言えることで、1万円それ以上の納税をしているからといって一口城主と自動的に認めてくれるはずもなく石垣に名前を刻まれるわけもないのに、ふるさと納税であれば1万円で後代に名を残してもらえるのを考えると、神社仏閣のように寄進額の多少に応じて順番に並べてもらえる方が公平だとさえ言えると思います。
ちなみに、弘前市のこれまでのふるさと納税は、日本一のさくら・四大まつり・子どもたちの笑顔・オール弘前地域づくりの4コースだったのですが、納税している市民は自らの血税の使途を指定できないにもかかわらず、ふるさと納税であれば一口城主を含めて5分野から選択できるというわけです。
これも片山さんが言う寄附者優先の仕組みの一つなのですが、それであればふるさと納税の控除額と同額まで納税の際に指定できるようにでもしないとおかしいと言わざるを得ませんし、市からすれば自由に使える税金を納める納税者こそ優遇すべきであるのは言うまでもありません。
プレゼントも阿南町のように寄付金を上回る見返りとなれば、その産品を支度するところで財源がなくなってしまって、町の経済の活性化にはつながっても町が考えていた分野には予算が回せないという矛盾が生じる懸念もありますし、プレゼントなしで300万円でも新規事業一つに絞って使わせていただくくらいの思い切りがあれば寄附をいただいた意義があるということもできます。
ふるさと納税は、何がもらえるかではなく、何に使ってもらえるかを考えるべきですし、それが納税する立場として市政を見直すきっかけにもできると思います。
あなたは、自分の納める税金そして寄附金を何に使ってほしいですか?
登録:
投稿 (Atom)