4日は私事で日付が変わるギリギリで酒田市から帰還、昨日はろうそくまつりで丸一日スタッフとして外で過ごし、今日はその本祭である沢田神明宮例大祭からの直会に長居して、ようやくしっかりとキーボードに向き合える時間となりました。
実際は、2日に風邪でダウンし3日は中央高校卒業式・祝賀会で合間を縫って無理やりの更新でしたので、5日ぶりというのが正しいところで、思い切り間隔があいてしまったことを、まずはおわびいたします。
その中で、今日の例大祭で宮司さんが非常に熱い思いで『地方消滅』への危機感をお話しになったのが印象に残りましたので、ろうそくまつりの報告とあわせてお知らせしたいと思います。
旧暦一月十五日の満月の日にろうそくを岩谷堂のなかに立て並べて、翌日にろうの流れで氏子総代が吉凶を占うのが450年以上続いている沢田ろうそくまつりですが、現在では10世帯となっている沢田町会(当然ながら市内最小の町会です)だけでは、まつりどころか例大祭も難しくなっているため、近年は市からの補助金を村内有志を中心とした実行委員会が受託する形で運営し、観光コンベンション協会や岩木山商工会などの協力と小雨ながらも路面に雪がない時期の開催だったこともあって、史上最多2500人の来場者でにぎわいました。
宮司さんは、その人出の多さへの感謝でも五穀豊穣を祈念するのでもなく、何とかこのまつりが続いてくれますようにと願わずにいられなかったのだそうで、当地の神明宮だけでなく市内約800ヶ所の神社を守っていくだけの人口とエネルギーが維持できるのかということに危機感を覚えるのだそうで、そこで『地方消滅』を引き合いに下あいさつとなったのだそうです。
それを受けての直会でしたので、村内の神社の状況やお母さん方に義務的にのしかかっている地蔵様や産土講などの民俗信仰の継承が厳しくなってきている現実も話題に上りました。
確かに、人口減少の流れの中ですべての集落が維持できるわけもなく、そこでの振興や風習も受け継がれてはいかないのが現実なのでしょうが、以前お伝えしたように「自治体破れて山河あり」の視点に立てば、自治体としての弘前市の存立は不透明ですし、存立してもまつりの補助金はいつまで続くかわかりませんが、この限界集落をもり立てて維持していかなくては旧相馬村そのものが地域として成り立たなくなるという危機感を共有している実行委員会のメンバーにとってのフルサトでもあるだけに、沢田集落もろうそくまつりも規模は変わっても継承されていくはずです。
これと同じように、他の集落や町会でも外部からの力を引きこむだけの求心力を、まずは町内で結集するところからはじめて、その上で外に向かって発信していくアクションを起こしていくことができるようになれば、沢田以外の集落も生きのびていくことができるのだと思います。
その意味でも、イベントとしての盛会やまつりの神秘的な記憶ということではなく、まつりを維持するところから地域を守る異なった経緯で知られるようになることを願わずにはいられません。
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