昨日発令された弘前市の新年度人事異動の内示が、今日の地元紙上をにぎわせています。
何といっても部に昇格した庁内シンクタンク「ひろさき未来戦略研究センター」のトップに誰をすえるのかが注目だったのですが、山本昇氏がそのまま経営戦略部長兼務の形でスライドし、なおかつ県庁を退職して市職員になるのがわざわざ囲み記事になったので、納得がいかないというより呆れてしまいました。
前にも庁内シンクタンクの位置づけを論じたとおり、私はシンクタンクのトップには生え抜きの職員を置くべきだと思っていますし、部に昇格したからにはなおさらのことだと思うのですが、葛西市長はあくまでも市職員を信用したり育成しようという気はさらさらないようです。
その証拠に、今年度出向してきたばかりの浅利都市計画課長をあっという間に都市環境部長へと昇進させており、さらにはインバウンド対策と称して市内の観光事業者である「JTSみちのく」の小笠原潤氏を部長格で登用しているため、部長職の人数が定められている職員体制からすれば、市職員が部長となる枠が2つも奪われており、これでは自分たちはがんばっても報われないという気持ちが強くなる一方なのではないでしょうか。
そもそも、山本氏は県で課長級でもなかったはずですし、そのキャリアや一般質問での答弁内容から判断しても市の課長であっても大抜擢というレベルだと私は評価していますし、その評価以前に県から出向した職員が市職員となる場合の要件を定めておかなければ、市長のえこひいきがまかり通ってしまうだけに問題だと思うのです。
このことは、人事における透明性にかかわることだけに、山本氏一人にとどまらないことですので、再起の際には必ず問いただしたいと思います。
もう一つは、市の重要政策を抱えている部署にこれまで担当したことのない職員が唐突に回されていると思える異動が散見されることです。
具体的にあげて申し訳ないのですが、一人は議会事務局や人事課長といった内部での事務方が多く、あまり外とのかかわりのある部署を回っていないように思う桜庭市民文化スポーツ部長で、協働のまちづくり基本条例施行に際してトップにふさわしいのか気がかりですし、もう一人は商工中心で介護保険には無縁であった高校同期が介護福祉課課長補佐となったことで、介護保険料据え置きという緊急避難を行って今後3年間で状況を好転させなければならないのに素人が担当するのでは、本気で何とかしようとしているとは思えないからです。
職員や関係者であれば、ミスマッチにさらに目が点になっていることもあるように思いますし、健康福祉分野や商工系といった大枠の中でのゼネラリストならまだしも、市政の端から端まで渡り歩くようなキャリアパスは時代に適応できないと思いますし、せめて課長以上は経験のある分野に限って担当するようなルールが必要だと思います。
葛西市長は、人事や組織改編にもスピード感を重視しているのかも知れませんが、こういうひずんだ状況を見ていますとスピードよりもオープンであることを大事にしてほしいと思います。
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