2014年9月19日金曜日

批判ばかりが能じゃない

前回は目に余るやり口をやり玉に挙げてしまいましたが、逆に意義ある質問もいくつかありましたので、今度はこちらを紹介したいと思います。

初日の市政全般にわたる総務費のところでさすがと思わせたのは、市民クラブ・藤田隆司市議でした。副議長という立場もあって無通告での質問でしたが、取り上げた中に民間登用職員のことがありました。昨年度では、伊藤忠商事から二人を農林と商工部理事に、弁護士を法務指導監として採用したのですが、それぞれの担当業務と実績を答弁で引き出しました。
それぞれ採用の際は地元紙にも報じられたのですが、決算書でいえば報酬の中に埋もれてしまいますし、膨大な決算説明書でもなぜか項目立てがされていなかった件ですので、資料を精査して落ちている大事な問題を明らかにするというのは、意義ある質問ということができます。
二日目では、民生費のところで無所属・今薫市議が子育て日本一の目玉事業、子育て世帯の新築・リフォームを支援する住まいるアップ事業を質問し、応募が180件近くあるのに採択66件という状況で、2/3近くの人たちには抽選で涙をのんでもらったことが明らかになりました。
リフォームなどでは内容がそぐわないという案件もあるでしょうから一定の線引きは必要だと思いますが、基準をクリアしたものであれば全件採択するくらいの意気ごみでなければ子育て日本一を標榜することすら恥ずかしいと思います。
今市議の指摘を待つまでもなく答弁者も残念がっていましたし、「いい質問だ」という前向きな不規則発言もかかっていましたが、市政のどこにウェイトがかかっていたのかを明らかにし、そこで浮き上がった問題点を次期予算で解消する方向に進めていくのが決算審議の本分ですので、この二つの質問が生かされることを願っています。

もう一つ、これらの質問が光るのは、当該事業にいくら支出して何回のイベント・活動を行い、どれだけの参加者があったかというアウトプットの部分は説明書で見えるものの、それがどんな成果=アウトカムにつながったのかは明記されていない中で、担当者としての評価や住まいるアップの場合は応募者の反応まで明らかになったことです。
一番最初にお伝えしたとおり、私自身はすべての事務事業を仕分けして、どれだけのことをやってどんな成果を生んだのかを見えるようにして次の政策提言につなげることを、再起にあたってのマニフェストにしたいと思っていますが、この二つの質問は昨年度の施策の中でも重要なものの成果と課題が見える形にしたものだけに大事だと思うのです。

このように、鋭い追及のようで政治的意図が見え隠れするもの、粛々と進んだようでも本当は意義ある質問、これを見極めるのはしっかりした見方が必要ですし、それを身につけるためには傍聴した人同士で意見交換してみると気づくことがあるものです。
今日も傍聴していますので、一緒に聞いて語り合ってみたい方は、ぜひ声をかけてください。

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