2014年9月30日火曜日

市民との連絡はメール基本にしませんか

昨日電話で連絡をもらって、今日の集会所窓ガラス破損の交換工事に立ち会ったのですが、業者側の監督者が遅れたこともあって現場作業員の皆さんを待たせることになったのはいいとして、市の担当者が顔を見せませんでしたので、本当に今日だったっけという感じになっていたのは事実です。
30分弱の作業とはいえ、市役所からの往復なども考えると、これしきのことに立ち会うこと自体がムダだと思いますので、これを責める気は毛頭ありませんが、昨日の連絡がメールであったなら日時が文字として残って確認できただけに、改めて市からの連絡のあり方を考えてしまいました。

私自身の市との連絡方法としては、個人アドレスのわかっている人にはその人宛のメール、そうでなければ課のアドレスもしくは各課への問い合わせフォームから用件を伝えることにしており、電話をかけるのは不在着信への折り返しか緊急の場合のみです。
これは、市との連絡ばかりでなく誰に対しても同じ方針なのですが、iPhoneを持っていつでもどこでもすべてのメールを受信できるだけに、場合によっては出られない電話より確実に用件が伝わるから選択していることなので、市への問い合わせの際も「メールで返信お願いします」と書き添えておくのですが、メールでは失礼という気持ちなのかキーボードを打つ時間があるなら電話の方が楽ということなのか、わざわざ望んでもいない電話で返事をくださる方が多くて、本当は困っています。
仕事でメールを使うことへの抵抗感が残っているからなのか、問い合わせフォームばかりでなく個人宛でも見ていなかったという返事をもらうこともあるので驚いてしまいますが、市職員には個別の公務用のアドレスが振り当てられているのですから、きちんと使いこなすことと名刺には必ず印刷するように徹底してほしいものだと思います。
一方、市民の中にはメールを使わない方メールではイヤだという方もいるとは思いますが、相手がメールでというなら気にせず億劫がらずにメールで返してもらいたいものですし、電話をかけるのは料金が発生してもメールでならば定額固定のはずですから、どちらを使うべきなのかは経費節減の面でも明らかです。

ただ、町会の班・世帯数の報告をメールで添付ファイルで送信できるようにしてほしいという要望は翌年度実現したり、町会連合会事務局でもメールでのやりとりを取り入れたりと、少しずつでも変わってきていることではありますので、これからもアプローチを続けていこうと思っています。
声が大きい私一人でも変わることがあるのですから、市民の多くの方々からメールでの連絡が増えれば、市としても本腰を入れて切り替えてくると思います。
皆さんも、市とのやりとりがメールになった方が便利だと思いませんか?

2014年9月29日月曜日

意見陳述というセレモニー


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「弘前市長措置請求書に係る証拠の提出及び陳述の機会」が与えられましたので、請求者の一人として傍聴しました。
議会傍聴の規則よりも細々と定められた会場の中で、約30分にわたったゴルフ場ネットワーク・高松事務局長による陳述を黙って聞き、これに対して請求を受けつけた側の監査委員からは一つの質問もなく、あっという間に終わってしまいました。
陳述の内容はこちらからダウンロードできるようにしておきましたが、これだけの理路整然とした問題提起をどのように判断するのか、監査委員の正義が問われることになりますが、これまでの同様の事例からすると、請求棄却から行政訴訟へという流れになるのだと思います。

それにしても、公認会計士や税理士、もしくは金融関係の職歴を持つ人などから市長が推薦した2名と、議員の五選によって選出される1名の3名によって構成される監査委員ですが、改めて考えてみても不要な職だと思います。
通常の出納業務のチェックという役割はまだしも、市長から推薦された人が市長が提案推進しようとする施策に異を唱えるというのは考えがたいことですし、議員選出に至っては最大会派から選出されるのがパターンであり、現在の弘前市議会のようにその会派が市長与党を自認する時代錯誤な存在であればチェック機能が働くはずもありませんし、今回のように議会での議決に誤りがあるという請求であれば撥ねつける立場に立つのは目に見えています。
この仕組みでは、政治的な判断を公正中立にできるはずもないのに、監査請求を経ないと行政訴訟はできないことになっており、私たち請求する側はもちろん、事務を進める監査委員会そして立会人として出席していた市民文化スポーツ部の部長・課長などの貴重な仕事の時間を削ることになってしまっているわけですから、まさにムダとしかいいようがありません。

監査委員という制度そのものは地方自治法など法律によって規定されているものですから、一自治体の判断で改廃できるものではありませんが、こういうところからも根本的に地方自治の仕組みを見直す時期に来ていることを痛感します。

2014年9月28日日曜日

野田村への冬期移住を

3日連続での野田村での活動、国民宿舎えぼし荘での朝を迎えたところです。
昨夜は当地でのチャリティージャズコンサートで、小田村長はじめ約40人の方々がおこしになり、久々にお会いする方もあり私にとっても楽しいひとときでしたし、ますます野田村とのご縁が深まった気がしています。
野田村は、弘前市からの対口支援(一自治体が集中して行う支援)もあって、中心部の大半を流され死者も発生した大規模被災地の中ではいち早い復興が進んでいます。
ボランティア活動をしていない人でも、「弘前から来ました」と言うだけで村民の誰もが「ありがとうございます」と言ってくださるほど弘前市への感謝の思いを持ってくださっているこの村を、斜里町・太田市に続く姉妹都市にすべきだと思っていますが、他の二つと違って日帰りで往復ができ冬期間も雪がほとんど積もらない野田村だからこそできる交流があると思います。

それは、高齢者を中心とした冬期間の移住です。
野田村では昨年度から県営の復興住宅が供用されていますが、多くは60・70代で自宅再建をあきらめた方が多いだけに、10年後には空いてくることも考えられますし、それ以前に震災を機に村外へ引っ越した方や弘前市以上の高齢化のために空き家が増えてくる実情もあります。
こうした状況を打開するために、弘前市で雪に困る高齢者を中心に冬期間の一時移住の希望者を募るのは、お互いにとってメリットのあることだと思いますし、村民の皆さんも弘前からだというのであれば温かく迎えてくれると思います。
これがきっかけとなって野田村での永住を希望する人も出るかも知れませんし、人の往来が増えることでの経済・物産面での結びつきも強まってくれば、震災での支援から交流と言える関係に移行したと言えるでしょう。

私は、被災地で支援しなければならないからではなく、野田村が好きだから通っているのですが、皆さんにも同じような気持ちで交流してほしいと思いますし、私が野田村の豊かな自然と温かい人たちに救われているように、弘前市が野田村のお世話になることも交流であれば当然のことだと思います。
震災で生まれたご縁を大事にするのも、弘前市にとって大事なことです。

2014年9月27日土曜日

青森市役所問題は他山の石


耐震対策が必要な青森市役所の改築が三たび市議会にかけられ、とうとう現在地での改築が可決となりました。
来月に迫る市議選というプレッシャーもあったでしょうが、鹿内市長の押しの一手に議会側が屈したとみられても仕方ありません。
ただ、この問題は単なる市役所改築であるなら問題は簡単のですが、破綻寸前の三セク・アウガや駅ビル再開発とからんだコンパクトシティ構想さらには10年の大計をもって市のあり方を考えることからすると、なかなか市民にはその全体像がつかみにくく、もっと時間をかけた話し合いや説明が必要なのだとは思いますが、いかんせん合併特例債という賞味期限のある麻薬を使うためには、これ以上先延ばしができないタイミングとなっていましたので、ここからは提案した市長も議決した議会議員もともに責任を負いながら進んでいくしかありません。

このアウガ問題にからんで地元紙で集中連載がありましたが、その最後に木下斉君の的確な指摘がありました。2014-09-2318.16.44-2014-09-27-12-00.png
ここに公共施設再編の鍵があると思いますし、弘前市の場合も市役所の防災棟・立体駐車場増築や今後のヒロロ問題や市立病院の移転、さらには将来の津軽圏での合併といったことを考えた場合に、他山の石となる指摘であり、Facebookでも大きな反響を呼んでいましたので、ぜひ皆さんにも精読していただきたいと思います。
ここで一番の鍵となるのは、「ピンホールマーケティング」です。つまり、コンパクトシティよりもさらに施設やビル単位に集約した活用を考えないと維持していくことは難しいということです。
そこから大胆に提言すれば、弘前公園周辺から土手町は観光・街歩き、城東は大型ショッピングエリアさらには広域行政機能という方向性が見えていますが、それからすれば市役所は今の場所にあるよりも駅前地区の市立病院・一大小学校跡地に移って、1・2Fも公共サービスに特化させたヒロロとともに行政エリアを構成して、現在の庁舎は前川建築としての価値が生きる文化観光施設に転換するといった設計図を描いた上で、より効率的な建設手法をさぐるといったビジョンが必要だと思うのです。

青森市の場合は、商工会議所青年部を中心に対案を考える動きがあり、それに呼応して一部議員も行動していても多勢に無勢だったのですが、弘前市の場合は議論が行われたとは言えない形で市役所増築が決まり、それ以上の青写真がないままに流れていっている状況です。
一旦動いてしまった以上、市役所移転が最後のピースにならざるを得ませんが、弘前市という一自治体だけでなく、津軽という地域の維持継続という観点から、ヒロロはどうすべきか、市立病院はどこにあるべきか、商業の中心をどこに置くべきか、大きな議論をしなくてはならないと思います。
公民連携のプロである木下君、そして藻谷浩介さんにも弘前市にもぜひ提言をもらいたいと思いますし、こういう方たちとの膝を交えての議論を若い世代中心にできれば、新しいものが生まれてくると思います。

そこで、議会と議員は何ができるかが問われますし、私としては議論の輪を作る役割を果たしたいと思っています。

2014年9月25日木曜日

市民と市政ができる防犯とは

何度か話題にしている安全・安心協働活動実践事業ですが、先日の現地点検を受けてのマップへの落としこみ作業を行いました。
この作業自体は、小学校PTAや安全協会でも毎年行っていることですし、安全は自分で気をつければ防ぐことができたり加害者にならないようにできることですが、話題が最近続発している不法侵入事件や相馬ばかりでなく岩木地区でも起きている車上荒らし事件へと移ると、マップにもできない問題でもあり自分たちで何ができるかという壁にぶつかって、グループ全員ハタと考えあぐねてしまいました。
元々、相馬地区では犯罪が少ないこともあって、自宅に鍵をかけず自家用車には鍵をつけっぱなしという暮らし向きなのですが、我が昴町会や隣接する市営安田団地は村外から移住の方が多いこともあって施錠率は高いだけに問題はないと思っていましたが、表向きの美観のために家の裏に灯油タンクや電線を配置して、それが向き合う面に歩道を通しているため、実は犯罪が一番起きやすい<入りやすい/見えにくい>環境だけに、まちづくりの設計に防犯という観点が抜け落ちていたことを今さらながら発見して愕然としているところです。

これは特殊なケースですが、施錠の声がけやパトロールといった防犯活動や「みんな見てるぞ」といった防犯ポスターや看板設置くらいでは、犯罪を起こす気になっている者を抑えこめるものではありませんし、今回の件で何より気がかりなのは市民側の犯罪に対する対応の遅さと、犯罪情報の共有ができていないという問題です。
実際に、不法侵入事件では深夜に家族以外と思われるドアの開閉音や階段を上り下りする足音を聞いたものの被害がなかったし不法侵入との確証がなかったので通報しなかったという話や、車上荒らしでも鍵が座席に移されダッシュボードが空いていたが被害がなかったからというケースもあり、警察が把握している以上の事件が発生している可能性が考えられます。
さらには、これらの事件を解決するには警察としては余分な情報もれを防ぎたいという判断は理解できるのですが、新聞にしても連続発生とはいえ被害がほとんどない事件を取り上げることもないために、町会という近隣で起きていることや相馬駐在所管内の事件はわかっても、岩木地区の件はネットでつながった方からの情報提供でしたし、両方と隣接している目屋や四中・二中学区ではどうなっているのか皆目見当もつきません。
防犯という問題を所管しているのは、例によって市民協働政策課なのですが、今のところは防犯活動については取り組んでいても、実際に起きている犯罪には手がついていないのが実情ですので、このような生活を脅かす事件や振り込め詐欺情報、サイバー犯罪などを随時更新して市民に注意を喚起する必要があると思います。
これに関しては、警察との連携が必要になりますから市が情報を得る立場でないと無理でしょうが、得た情報をスピーディーに提供するというところには市民が協力できることもありますから、ここでも協働の可能性が生まれます。

ひるがえって市民の側でできることは、八戸市で先行して取り組み市内でも何校かの小学校で実践している防犯につながるマップづくりを全地域で行うこと、それ以前に住宅などを建設する際にどのような造りが犯罪を防止できるのかエリアに死角をつくらないまちづくりとはどんなものかを学ぶところからはじめないといけないと思います。
八戸市でも市内小学校でも指導してくださったのは同じく立正大・小宮信夫先生ですが、今回の事業が案の定余剰金が出る見こみなので、先生の都合がつくならこの機会に町会の現地点検を兼ねて講演しに来ていただきたいと思っていますし、市としても防犯を実践できる方をもっともっと招へいして啓発に努めるべきだと思います。

いずれにしても、スローガンではない防犯の実践が必要なご時世、皆さんもまずは身の周りに気を配りましょう。

2014年9月24日水曜日

農家を市民が支援する仕組みを

昨日、Facebookでリンゴにかかわる二つのできごとがありました。
一つは先日発生した降ひょうによる傷がついたりんごを直接安価で販売する取り組みをシェアしたこと、もう一つは新品種「ねぶた」を栽培している情報を生かしてくれるパティシエにつないだことでした。
これはまさにネットだからこそ生まれたご縁ですが、これは一つのストーリーであり、本当は被害にあったり新たな販路を求めている農家すべてに必要なことだけに、こういうことに役立つネットワークやデータベース構築こそ市が果たすべき役割だと思います。
ただ、昨日の例のようにネットにつながっている農家ならば何とかなりますが、多くの農家は高齢化が進んでいますし、被災した際に農家全部の状況を調べて情報をまとめて発信さらには支援者とマッチングという作業を緊急事態の最中に市の職員で行うのは不可能ですので、これをクリアする方法を考えなくてはなりません。

そこで検討すべきなのは、平時に支援を希望する農家と支援をしたい市民を募ってマッチングを決めておき、いざ災害が発生した際には支援者から農家に直接連絡を取って必要な支援を聞き取り、それをもって支援者が支援情報をまとめて発信するためのサイト(当然、市があらかじめ準備)に掲載するというネットワークです。
落果などの場合は、単なる情報発信だけでなく人手を集めて拾い集めるという作業も必要になりますので、その際には支援グループさらには市民にも呼びかけて作業を進めるといったことも考えられます。
とはいえ、災害はないに越したことはありませんし、ない場合でも農家の側でおかげで無事に収穫できたという報告がてらリンゴ一手籠くらいお礼に渡したり、支援者が一日体験のように手伝いに行くといった交流のきっかけとなれば、市民が農業の実情を知りもっと農家を応援しようという気運も高まると思います。
災害発生した場合に、市では税や保険料の減免さらには薬剤散布の補助などの対策を打ち出しますが、農家を市が支えるだけでなく、農家を市民が応援する仕組みをつくれば、農家の皆さんにも市民の後押しがあることでの励みや救いが生まれると思いますので、ぜひ考えてもらいたいと思います。

ところで、ちょうど明日から明後日にかけて、台風崩れの温帯低気圧が風雨を伴って接近の見こみです。
最初にふれた降ひょう被害の支援は、被災しなかった農家の方が取り組んでいましたので、万が一被害発生した場合には、今度は自分が率先して動きたいと思っています。
情報を広めて多くの人が実情を知り、そのために動くことが何より必要ですので、皆さん動きましょう!

2014年9月23日火曜日

市民の声を聴く機会を作ろう

日曜日に採択していただいたまちづくり%システムですが、昨夕もかかわりのある申請がありましたので傍聴しに行ったのですが、NPOスポネット弘前による「過疎地域スポーツ推進事業」に対する質問が長引き、おかげで1件はプレゼンのみ、もう1件はあいさつだけで中座という形になりました。
ただ、そのスポネットが申請したのが河西地区におけるスポーツ教室ということで、そのエリアの小学校ではスポーツ少年団が限られた種目しかないので多様なスポーツにふれる機会がなく、これを打開する取り組みをしたいという内容でしたのでスポ少関係者として耳をそばだてていたのですが、気になったのはプレゼンターが「これは本来、教育委員会がやるべき事業だ」と発言したことでした。
確かに、地域型総合スポーツクラブを標榜するスポネットが取り組むべきものでもありますが、市として小中学校再編とからめて対策を考えなくてはならない問題だというのは首肯できますし、実際に提言したもののスルーされたような扱いだったので申請に踏み切ったということですから、こういう発言をしたくなるのも理解できます。
この件だけに限らず、市民の声が届かない反映しないという問題を、この機会に考えてみたいと思います。

市が市民からの声を聴く機会としては、3年ごとに学区単位で開催される市政懇談会がありますが、これは事前に提出された町会からの要望事項に公開で回答するのがメインで、あまり自由な意見交換という時間がありません。
自由に話せる機会としては、市長の車座ミーティング・車座ランチがありますが、これは市から提示された日程に事前に申しこんで重複した場合は調整が行われますし、実際には1時間という制約がありますので、限られた機会と限られた時間であるのが実情です。
私も、車座ミーティングには東日本大震災による市内避難移住者の方々と一緒したことがありますが、その際は市長との1時間が終わってからも当時の五十嵐課長(現財務部長)以下の広聴広報課職員がじっくりと話を聴いてくださり、発信の前に市民の声を聴こうということで「広報広聴」から「広聴広報」課に名称変更した意義を実感することができたのですが、振り返ってみるとこれは主管課だけでなく市役所全課に求められる姿勢ですので、これを形にすべきだと思うのです。

そこで提言するのは、各課で市民ミーティングを開催することです。
課ごととなると、市民からすればこの課で担当しているだろうと思ったものが実は違う課ということもあるでしょうから、スポーツのこと・子育ての分野といった大まかな枠で担当課が一緒に話を聴くというスタイルであれば無駄足にもならないでしょうし、市役所側も取られる時間を少なくすることができます。
市長が市民の声緒を聴くのは大事なことですが、やはり現場の職員が話を聴いて具体的な事業の形で解決を図ったり、提言した市民と役割分担を考えるということになれば、本当の意味での市民協働ということになるでしょうから、これはぜひ検討していただきたいと思います。
本来であれば、市民の声を市政に届けるのは議員の仕事ですが、個々の活動としては努力しているでしょうが議会というチームで動く兆しがないだけに、市役所が機先を制すことになれば議会の存在意義はさらに問われることになってきます。

市民の皆さんは、市役所が動くのと議会が聞き届けてくれるのと、どちらを望みますか?
私は、市役所が動いても市民の皆さんから選んでもらえる議員になりたいと思っています。

2014年9月22日月曜日

松阪市議会との落差に落胆

決算特別委員会は4日目、午前中に支出の審議が終わって午後に歳入の審議に入ったところから傍聴しましたが、質問時間を使い切った議員・会派が続出したこともあって、あっという間に討論から採決と進み、想定内の反対はあったものの一般会計は認定されました。
いくら議場の外で遠吠えしても声が届くことがないのは想定内のことでしたが、それならばマルシェ問題をあれほど追及したのは何だったのかと言いたくなりますし、同じように問題を指摘したことが採決に表れた松阪市議会との落差にガッカリしてしまいました。

松阪市議会の件は、海住住幸議員のBlogに詳しく書かれていますので参照していただきたいのですが、環境福祉分科会にかかった人権啓発冊子などに不要な支出があったことで全会一致して不認定とし、それが委員会の採決にも影響を及ぼして13対12の僅差での認定となったということでした。
松阪市といえば、集団的自衛権に反対してピース・ウィングの活動にも取り組む山中光茂市長が名をはせていますが、既存政党と距離を置く市長の政治姿勢が今回の結果にも影響があっただけでなく、日頃は共同歩調を取っている海住市議も不認定に回っているように、まさに是々非々が形になっているのです。
ちなみに、葛西市長が第6回最優秀賞を受賞したことでも知られるマニフェスト大賞で山中市長は第5回最優秀賞を受賞しているとおり、市長同士は肩を並べる評価を受けているだけに、議会の落差の大きさが目立ってしまうのです。

実際には、不認定となったからといって終わってしまった決算が覆るわけではありませんし、その意味では予算案を修正・否決するのとは姿勢に与える影響も格段に違うだけに、ダメなものはダメという姿勢でも問題はないのです。それだけに、不認定の側に立った市議のBlogでもその結果すらふれられないくらいの扱いなのです。
全事業を仕分けしたいと思っている私にとっては、予算も大事ながらしっかりと事業を評価して次を考えるPDCAサイクルのキモとなる時間をこれほどないがしろにされるのは納得がいかないどころか、情けなくって涙が出てきます。

皆さんにも、この数日の傍聴記から何が大事なのか、市議会はどんな状況なのかを知っていただきたいと思います。

2014年9月21日日曜日

3年ぶりの1%システムで考える

昴町会の集会所開放事業をまちづくり1%システムに申請し、その公開プレゼンテーションおよび審査会が市立図書館研修室で行われ、基準ギリギリでしたが何とか採択されてホッとしているところです。
事業そのものはここでふれる内容ではありませんが、2011年に2件の申請を不採択とされて以来の1%システムの場でしたので、改めて1%システムそのものの課題を考えてみたいと思います。

今回は第3期の審査でしたが、16件を昨日今日そして明日の夕方にプレゼン・審査が行われるのですが、予定ではプレゼン7分・質疑応答8分・審議20分で合計35分を繰り返すという流れなのですが、質疑にかかる時間が多く、前の案件も私も35分を超えても質問に答える形でしたので、11:40に午前中は終わるはずだったのが正午を回る形になってしまいました。
それだけ委員が熱心に質問するのはありがたいことですが、これだけの日数と時間を拘束されるのに合わせるのは大変なことで今日も15人の委員のうち2人が欠席でした。公募の委員もいるのですが、これだけの拘束となるのでは、なかなか手を上げるのも難しいでしょう。
それはさておき、最初はプレゼンと審査は別の機会で公開もされていなかったのが、現在は連続して行われて短時間のうちに結果がわかるというのは助かりますが、そのために申請者が残っているだけに審議の際に出された意見に反問する機会や、もう少しでクリアという結果であるなら委員側からの注文を組み入れられるか確認した上でゲタをはかせて採択とするという方法でもよいと思います。
今回全部の案件が採択となっても3000万円の予算に対して2000万円に達するかどうかという状況ですから、まずは事業に取り組んでもらって、その分評価を厳しくするべきだと改めて思います。

もう一つ気になるのは、私の周りでは採択されたもの申請しているものが多く、ラベンダー再生だけではなく助成をいただいて本日藤田庭園で行われている津軽笛博覧会は主催団体の監事という役割ですし、今回の審査でも他に2件にかかわりがあります。
それだけ周りに1%システムを理解活用しようという人がいるのはいいことですが、町会で申請について説明してはじめて知ったという役員もいたとおり、知っているのは限られた一部の人たちでほとんどの市民には知られていないというのが現実ではないかと思います。
まちづくりの趣旨に照らして、1年限りの事業よりも継続性のあるものが望まれていますが、これが市民全体で活用する事業としていくには、継続するとしても3年までとして事業が入れ替わっていくようにすれば、本当に周知が進んでいかなければ事業が縮小していくことになるので市でも力が入るでしょうし、応募する側でも再応募には新しい発想が必要になりますから事業の幅を広げることにもつながります。

一定の成果は上がっていると評価はできますが、より市民が活用できるようにしていく工夫が必要だと感じていますが、まずは9割の助成をいただいた事業を成功に持っていってムダ金にならないようにしたいと思います。

2014年9月20日土曜日

決算委員会を仕分ける

昨日も最初から午後の途中まで決算特別委員会を傍聴していましたが、何と冒頭に農林費が残っていて、その後もスピードアップすることもなく、9款消防費もしくは10款教育費に入ったあたりで閉会となったろうと思います。

これで月曜日まで審議が続くわけですが、傍聴した場合は認定となったか否かが焦点となるでしょうし、傍聴しながら300ページの決算書およびこれまでにない200ページのボリュームそして多くの事業について支出額・内容・実績を詳細にまとめた決算説明書を精査し終えましたので、一足先に決算特別委員会の質疑を仕分けたいと思います。
今回、質疑通告調によれば事前の質疑通告をしたのは半数の17人151項目、実際の質疑で通告外の質問をした議員もいますので私が把握できている範囲でそれらを除外しますと質問に立たなかったのは11人となります。
30分の持ち時間で一番多く質問しているのは通告外を含めれば自民の会・佐藤哲議員だと思いますが、これは3人会派の他2人が質問しないため90分をフルに使うことができるからで、最大会派でも外崎勝康・野村太郎両名が時間をもらって多くの質問をしています。
これに対して、無所属議員は当然30分の制限がかかりますし、全員がもれなく質問に立つ会派では譲ってもらうわけにもいかないので、通告をせずに質疑の行われなかった点に絞って出番を待つ者もあれば、最後まで持たないのがわかって途中でも質問を取り下げる者もあり、この時間制限に振り回されているのが見て取れます。
この時間制限は、無用な質問を防ぐことに主眼があったわけですが、ムダといえば答弁側の準備不足や冗長な答弁というもので時間が費やされている場合も多く、一方で議員側もわざわざ意見を申し述べることにこだわって時間を失っているケースもあり、仮に提言をしっかり伝えたいのであれば、時間制限のない賛成・反対討論でまとめてしまうといった工夫をするか、再度時間制限を見直す議論をすべきだと思います。

ところで、制限があったとしても質問そのものが意味あるものであれば問題ないのですが、前回評価したもの以外のほとんどは事業の概要をさらに細かいところまで聞き出すのにとどまっていて、目標をクリアする取り組みだったのか、どのような成果を生み出したのかは、見えてきませんでした。
また、民間登用職員のような決算書にも説明書にも出てこない点を見つけての質問は他にありませんでしたし、説明書が詳しく書かれている分そこに目が止まってしまったとも思われますが、その割には同じ問題を取り上げているのがいくつもあり、書かれていてもスルーされてしまった事業が多いどころか、昨年度の重大案件である台風18号被害や東照宮問題、市民会館・博物館改修なども取り上げられずじまいでは、市政全般をチェックしたとはいいがたい質疑でした。
実際に質疑された案件を除いても、私からすれば44件も質問したい事業・項目があるほどの粗さでしたが、現状ではすべてを質問する時間がない制約があるのですから、議場で質問するのは部課をまたいでの事業施策を総括してもらうことに絞り、個々の事業については課に足を運んで事務事業調書をもとに目標設定や達成の状況、加えて成果を問いただした上でネット上で仕分けた結果を公開するスタイルを取ることにすると思います。
このすべての事業仕分けこそ、議員として取り組むべきことだと思いますし、さらには議会としての評価システムに構築していかなければならないテーマなのですが、今のところはその兆しすら感じられません。

このままでは、決算特別委員会こそ仕分けの対象ですし、マルシェ問題の議論の流れでも不認定もしないというのであれば議会不要と言われても甘受しなければならない体たらくであることを、議員諸侯には見直してもらいたいと思います。

2014年9月19日金曜日

批判ばかりが能じゃない

前回は目に余るやり口をやり玉に挙げてしまいましたが、逆に意義ある質問もいくつかありましたので、今度はこちらを紹介したいと思います。

初日の市政全般にわたる総務費のところでさすがと思わせたのは、市民クラブ・藤田隆司市議でした。副議長という立場もあって無通告での質問でしたが、取り上げた中に民間登用職員のことがありました。昨年度では、伊藤忠商事から二人を農林と商工部理事に、弁護士を法務指導監として採用したのですが、それぞれの担当業務と実績を答弁で引き出しました。
それぞれ採用の際は地元紙にも報じられたのですが、決算書でいえば報酬の中に埋もれてしまいますし、膨大な決算説明書でもなぜか項目立てがされていなかった件ですので、資料を精査して落ちている大事な問題を明らかにするというのは、意義ある質問ということができます。
二日目では、民生費のところで無所属・今薫市議が子育て日本一の目玉事業、子育て世帯の新築・リフォームを支援する住まいるアップ事業を質問し、応募が180件近くあるのに採択66件という状況で、2/3近くの人たちには抽選で涙をのんでもらったことが明らかになりました。
リフォームなどでは内容がそぐわないという案件もあるでしょうから一定の線引きは必要だと思いますが、基準をクリアしたものであれば全件採択するくらいの意気ごみでなければ子育て日本一を標榜することすら恥ずかしいと思います。
今市議の指摘を待つまでもなく答弁者も残念がっていましたし、「いい質問だ」という前向きな不規則発言もかかっていましたが、市政のどこにウェイトがかかっていたのかを明らかにし、そこで浮き上がった問題点を次期予算で解消する方向に進めていくのが決算審議の本分ですので、この二つの質問が生かされることを願っています。

もう一つ、これらの質問が光るのは、当該事業にいくら支出して何回のイベント・活動を行い、どれだけの参加者があったかというアウトプットの部分は説明書で見えるものの、それがどんな成果=アウトカムにつながったのかは明記されていない中で、担当者としての評価や住まいるアップの場合は応募者の反応まで明らかになったことです。
一番最初にお伝えしたとおり、私自身はすべての事務事業を仕分けして、どれだけのことをやってどんな成果を生んだのかを見えるようにして次の政策提言につなげることを、再起にあたってのマニフェストにしたいと思っていますが、この二つの質問は昨年度の施策の中でも重要なものの成果と課題が見える形にしたものだけに大事だと思うのです。

このように、鋭い追及のようで政治的意図が見え隠れするもの、粛々と進んだようでも本当は意義ある質問、これを見極めるのはしっかりした見方が必要ですし、それを身につけるためには傍聴した人同士で意見交換してみると気づくことがあるものです。
今日も傍聴していますので、一緒に聞いて語り合ってみたい方は、ぜひ声をかけてください。

2014年9月18日木曜日

マルシェが問題なら不認定にすべき

昨日からはじまった決算特別委員会を2日連続で傍聴しています。
3月の予算特別委員会からはじまった質問時間制限というハードルのせいで取り上げられるべき問題がスルーされていることも気になりますが、これについては傍聴にあたって借りている決算書と200ページものボリュームになった決算説明書を精査して、自分なら何を問うかを考えてから論じたいと思いますが、これまでのところで気になったのはマルシェにかかわる事業とその運営主体であるNPOエコリパブリック白神(エコリパ)への集中砲火でした。
どうみても政策論議ではなく政局的な突っこみ方だけに、ここで取り上げたくない問題ですが、政治の現実を知ってもらうために一度はふれなければならないことだと思っての苦渋の選択だとご理解ください。

マルシェとは、昨年度まで3年間、弘前駅前から上土手町に抜ける「えきどてプロムナード」で初夏から秋の日曜日行われていた農家による市場「FORET」の事業主体で、正式には「ひろさきマルシェコンソーシアム」といいますが、その事務局をエコリパが受託しており、その一会員でもあり発案者であった方と交友のあった私にとっては無縁ではない事業でしたが、3年で終了と聞いて残念に思っていました。
今回の伏線は、5月の補正予算審議で見えていたのですが、その中にマルシェがヒロロ地下で運営する常設直売所とFORETを引き継ぐ形で7月からはじまる「ひろさき朝市」の件がかかり、最大会派・憲政公明の鶴賀谷慶市・国道光志両市議から続けて厳しい質問が浴びせられ、マルシェには直売所を運営する資格がないということばかりでなく、補正予算とは関係のないFORETの内容にも支出に内容が伴っていないという批判までぶつけられました。
今回も、本番となる農水費の前に労働費での臨時雇用事業の中にマルシェが受託した直売所での調査研究が成果を伴っていないということを自民の会・佐藤哲市議が取り上げ、これに工藤光志市議が通告外の質問でマルシェの事業金額と合わせて3000万円もの支出をしたことに異を唱え、さらにはプロポーザルといいながら話が決まっているとまで言い及びました。
残念ながら農水費に入ったところで離脱しましたので最初に取り上げた共産党・小西勇一市議の分までしか聞いていませんが、前期の二人に無所属市民の会・伏見秀人市議まで4人4会派からの質疑と、まさに四面楚歌の立場で答弁する農業政策課長が不憫でした。

マルシェは葛西市長の肝いりの事業ですが、それを話が決まっているとまで最大会派から噛みつく意味がわかりませんが、市長をめぐっての権力闘争であるならばムダな争いはやめてほしいですし、第一エコリパ側では争う気もなく争う立場にもないのですから、無益なことだと思います。
私としては、確かにムダな支出もあったとはいえ大事な方向性を試行した事業として認めるべきだと思っていますので、それほど認めがたい事業が含まれているというなら決算不認定に持ちこむべきだと思いますが、先の補正予算でも噛みつきまくっても賛成に回った前例があるだけに、先は見えていると思います。

筋を通して政策評価を不認定という形で表せるのか、それとも最大会派の示威行為はたまた言うだけ番長なのかを、市民の皆さんにも見届けていただきたいと思います。

2014年9月17日水曜日

介護を政治の立場から考える

昨日の「有料」の件で言葉足らずの部分と語りきっていない部分がありましたので、改めて介護について政治家という立場から述べておきたいと思います。

福祉にかかわる立場として、私が一番影響を受けたのは新潟県長岡市の複合施設こぶし園の小山剛園長です。
こぶし園本体は定数100床の特養ですが、小山さんはその指導員時代に二人暮らしの妻が末期ガンで入院することになった夫をショートステイで受け入れるために迎えに行ったら首をつっていたという経験から、入りたくないと思われるような施設なら解体すべきだと過激ながらも至極まっとうな視点で従来の定数を20床程度のサテライトに分けて住み慣れた地域で住み替える形態を次々と提唱して制度化させた福祉の世界のリーダーです。
その後の東京進出など疑問に思うところもありますが、相馬村という狭い地域で30床の小規模特養を経営していた立場としては、できるだけ在宅サービスで支えて忍耐の限界となった場合に住み慣れた村の中で地域とともにある施設で暮らすことが選択できるのを理想に掲げて取り組んでいただけに、施設ではなく在宅そして地域という思想には大いに共鳴したものです。
小山さんの取り組みは、社会福祉法人という社会的使命を担う立場からの発想だけに、サテライト型特養も小規模多機能型施設そして「有料」も地域とのつながりを組み入れたものですので注文はありませんが、それが制度化されたり形態だけマネして作られたものにはその本旨がまったく伝わっていないだけに、ただただ受け入れ先が増えればいい稼げればいいというやり方だらけなので、根本的に認めるわけにいかないのです。

もう一つ、私は城東学園で2年間介護福祉士養成にかかわった経験があるだけに、介護人材の確保と育成にも強い関心があります。
私が務めていた1995年前後には定員の800人を上回る受験者で高卒の福祉の世界に夢を持った若者がほとんどでしたが、今では70人の定員の半分にも満たず多くはハローワークから給付金をもらって学ぶ社会人経験者で、その人たちが家賃を低く抑えた「有料」の安い給料で働くというブラックな環境になってしまっています。
特に弘前市内には看護学部を持つ大学が増え、病院でも配置基準を満たすために大量の看護師を必要としているだけに、同じケアの世界なら介護よりも看護の資格を取った方がよいという状況であるので、進路として介護をめざす人が少なくなっている現実の中で、職を変えるにあたって給付金があるなら介護でもといった人材しか集まらないのに次々と「有料」が増えていくというのでは、地域とのかかわりに問題があるだけでなく、そこで行われているケアの質そのものにも問題を抱えているといわざるを得ません。
これは簡単に解決できることではなく時間もかかる問題ですが、市としても介護をめざす新卒者を増やすために職場体験や総合学習で優良な施設や職員とふれる機会を増やしたり、進学の際のインセンティブを検討するなどの息の長い対策が求められていると思います。

これは、弘前市ばかりでなく国レベルで解決を図らなければならない問題ですが、そこであきらめるのではなく市としてあるべき介護の理想像を掲げて、そこで市としてできることを徹底的に考えるのが、政治家として求められることだと思います。
今の葛西市長は、介護保険料をアップさせないというお題目を唱えるだけで、具体的な対策も介護の理想も見えない中では、来年4月からの改定や次期介護保険計画でも市民の皆さんの期待に添うものは出てこないと思います。
それだけに、介護の世界を知り政治の立場そして市民の立場から物申すことには、次期出番をいただいた際には力点を置きたいと思っています。

2014年9月16日火曜日

敬老の日と「有料」のはざまで

この3連休は、さまざまなミッションの連続と酒席が重なっていましたので、思いきって筆を休ませていましたが、その最後の休みは国民の祝日・敬老の日でした。
兵庫県の山村での「としよりの日」からはじまった祝日ですが、現在では祝ってもらう側の65歳以上の方が国民の4人に一人を超える状況だけに隔世の感がありますが、全国各地で開催されている敬老会に介護を必要として入所されている人や住宅型有料老人ホームいわゆる「有料」に住んでいる人はどれだけ参加されていたでしょうか。
敬老の日にあたって、改めて「有料」のことを論じたいと思います。

弘前市内でも増え続けている「有料」は、ここ数年で隣の湯口町会にも2ヶ所建設されていますが、町会長さんの話ではその経営先から町会に加入させてほしいという話も来ないので町会とは無縁の存在だということでした。
最初の方は20室を超える規模ですから、20人以上の高齢者が敬老会の声もかからず市の広報も届かない場でただただ介護だけを受けて生活しているわけですが、皆さんの周りの「有料」もこれと同様の状況なのではないでしょうか。
ハッキリ言って、「有料」は現代における姥捨て山で、昔は親の命を奪うという負い目があり、今は入居費用を負担するという、背負うものの違いがあるだけです。
住み慣れた自宅や地域から、介護が必要になったというだけで追い出される人がこれだけ増えれば、当然ながら老人クラブ参加者も減るでしょうし、こういう形で命長らえる人が増えて短命県返上となっても何が喜ばしいのでしょう?

私自身は、福祉介護にかかわる人間として家族介護には反対の立場ですので、ここまで在宅以外の介護を希望する風潮がはびこり「有料」が増えていくという悪循環を絶つためにも、市として「有料」の今後一切の建設を止めるとともに、在宅サービスでの自宅介護を選択しやすいように介護休業などが取りやすくするために取得率に応じて企業にインセンティブを与えたり、在宅介護を推進する方向への意識づけを図るといった政策展開を提言します。
現在、市では介護保険財政の支出抑制のためにケアプラン点検などというバカげた対策に走っていますが、「有料」においてはサービスの囲い込み利用という問題だけでなく、施設入所者同様に24時間の見守りや介護が必要であるのに受けるサービスは在宅サービスでのケアプランという矛盾を、そんな小手先では支出抑制にも本来あるべき介護サービスにもつながるはずはありません。

本当に、介護とはどうあるべきか、住み慣れた地域で暮らし続けることの意義をどう実現していくか、真剣に考え、市として毅然とした根本策を打ち出す時期に来ていると思います。

2014年9月12日金曜日

一般質問の見方

4日間の一般質問が終わりました。20名の質問すべてを聞き届けたわけではありませんが、極めて粛々と終わったように思います。
傍聴に足を運んだのは2日間でしたが、両日とも来春の市議選に立候補を明らかにしている大先輩と一緒でしたので、そこでの見方の違いを含めて一般質問の見方について考えてみたいと思います。

今回、私が一番期待していたのは、自治基本条例一本に絞った小山内司市議の質問でしたが、前回まとめたとおり多くの気づきを得ることができた論戦だったのですが、同じく傍聴していた大先輩には眠くなるほどつまらないものだったそうです。
確かに、自治基本条例は目に見える形にはならず生活実感を伴わないだけにわかりづらいのは事実ですが、市政の方向性や体質を左右するものだけに、そこで何が論じられて何が問題として浮かび上がったのか、あるいは「まちづくり」について何を提案したのかは非常に大きな意味を持ってくるものです。
前にも傍聴で一緒になった知人と終わってから語り合ってみたら質問のとらえ方が全然違っていたことがありましたが、それぞれ何に注目したのか話し合ってみるとそれぞれ違っていることで新たな気づきを得ることができるだけに、やはり傍聴はネットよりも足を運んで、終わってからできれば誰かと語り合うことが大事です。

それにしても気になったのは、ほんの数名のうち半分くらいの確率で答弁者がこの資料は持ち合わせていないので答えられないとか後ほどといった回答で逃れる場面があったことです。
通告に対して聞き取りを行い、さらには想定問答までして答弁に臨んでいるはずですが、質問者が指摘するとおりこのデータに話が及ぶのが明白なものでも持ち合わせていないというのは、やはり葛西市長が再選を果たし大部分の市議が応援についたオール与党体制による緩みがあると思います。
市の側に緩みがあるのであれば、質問に立つ側が資料不足では論戦にならないとして議事を止めるくらいの緊迫感があれば締まると思うのですが、大事な数字が答えられなくても流してしまうあたりになめられる原因があると思います。
加えて、小山内市議は一つの項目でも時間いっぱい近くまでかかっているのに、質問項目をただただ増やしておいて、さらに一問一答式で質問回数に制限がないことで最初の問題に深入りしすぎて残りの項目は再質問も行わないというパターンも見受けられ、これでは何のための質問形式見直しだったのかわからない状況ですし、議員の側で質問に臨む姿勢を振り返ってほしいと思います。
ことに、一問一答式で深追いできるせいか追及型ではあっても提言が見あたらない場合がほとんどで、その高いレベルで市長に所見を問うような場面が見られないのも盛り上がりに欠ける原因だと思います。

自分で質問項目を設定できる一般質問でもこうなのですから、連休明けの決算特別委員会は質問時間の制限もかかる中で仕分けに値する論戦ができるのかどうか、非常に気になります。
これこそ議員の力量が問われる場面ですので、市民の皆さんには委員会こそぜひ傍聴していただきたいと思います。

2014年9月11日木曜日

自治基本条例、本当の問題

今回の一般質問で小山内司市議が自治基本条例一本に絞って質問をするのを知り、楽しみにして傍聴に足を運びました。
小山内市議は、市で部長級を歴任した経歴の持ち主だけに一番的を射た質問をするので現職当時もたくさんのことを教えていただきましたが、今回も①二段階で市民検討委員会からの答申を受ける形を取ったこと、②自治基本条例を「協働によるまちづく基本条例」という名称にしたことと各条例の中での位置づけ、③この条例と経営計画における「まちづくり」の違い、④条例における総合計画と経営計画との関連についての4点について、じっくりと掘り下げながらの質問でしたので、多くのことがわかりました。
その中で、この条例の持つ本当の問題を私なりに指摘したいと思います。

②について自治基本条例とまちづくり条例では意味合いが違うという指摘をしていましたが、もともと自治基本条例は自治体の仕組みをルール化する米国のホームルール・チャーター=自主制定憲章に源泉があるとされ、日本ではじめて制定したニセコ町では「町の憲法」として他条例の上位に位置づけられていることからすると、まちづくりの基礎となる条例を定めるのとでは意義が違うというのは、まさにそのとおりだと思います。
また、③の「まちづくり」についての答弁で、経営計画ではまちづくりはひとづくり・くらしづくり・なりわいづくりと並ぶ4分野の一つという位置づけであり、基本条例ではまちづくりの中には他の3分野も含まれるとされていて、その位置づけの違いは大きいことがわかりました。
この二つのことは、自治基本条例としての機能を果たすことができるのかどうかという点で非常に大きいことですが、昨日の「自治体破れて山河あり」という視点からすれば自治の基本よりもまちづくりを地域の土台としてしっかり構築することをめざす方が意義あるものということができると思います。

一方、④の総合計画と経営計画の違いというのは、今回の総合計画が「弘前市経営計画」という名称なのだという簡単明瞭な答弁で、総合計画の議決についてはその計画の組み立てによるとして、議会の基本条例の中で主体の一つとして位置づけていることが説明されましたが、議会の側が考えなければならないのは①に見られる基本案を委員会から答申されたものを市で法務知識にもとづいて条例素案をまとめ、それをさらに委員会で議論してから答申となるという流れです。
これは簡単に言えば、一度素案がまとまったものに委員会で修正を加えてから最終案が決定するということで、非常に柔軟な手法だと評価できるものですが、ひるがえって議会の側の日程では最終案の説明後に条例案を3月定例会に上程するということになっていて、その際には提案されたものに意見して修正するのは至難の業だけに、委員会とのやりとりからすれば大きな違いがあります。
私は以前から修正の難しさを指摘してきましたが、この条例を成案とするにあたっても委員会は33回の会議を経ているのと、議会には二度の説明と一般質問での質疑だけで議決を求めるというのでは、どちらの意見を取り入れようとしているのか重視しているのかは明白だと思いますし、議会が怒るべきは住民投票や外国人参政権といった次の課題ではなく、自らの意見を組みこまれない扱いをされていることだと思います。

これらのことから、市民にとっては条例の位置づけ、議会にとっては扱いの軽さこそが、この条例における問題だと思いますので、3月までの議論にも注目していただきたいと思います。

2014年9月10日水曜日

101回目のメッセージ

昨日の連投で思いがけず100回になりましたので、次の100回のスタートに今の思いを記しておきたいと思います。

「国破れて山河あり」とは杜甫の有名な漢詩ですが、これを増田寛也氏の唱える「地方消滅」論を批判するのに「自治体破れて山河あり」として、消えるのは地方ではなく地方自治体であると喝破したのが、木下斉君です。
若きまちづくりのプロである木下君ですが、近いところでは盛岡市の商店街再生さらには紫波町のオガールにもかかわっていて、そこでは民間企業がエリアを開発し行政として必要な機能(オガールでは図書館や産直マルシェ)を行政がフロアを買ったり借りたりする形で入るようにして補助金に頼らないまちづくりを進めているのは、猪谷千香さんもレポートしていますので、参照していただきたいと思います。
木下君が指摘しているのは、人口が減っていけば地方交付税や補助金も少なくなって自治体経営ができなくなるからもっと国は支援しろというのではなく、何でも税金で作るのをやめて民間に任せるところ複数の自治体で取り組むといった手法で見直していくという転換を図るべきだということで、これは消滅自治体に数えられている弘前市も考えなければならないテーマです。
ある意味では、民間会社が再生に取り組み市がフロアを買って入ったヒロロはこれに類するものと見ることもできるかも知れませんが、その購入価格が適正であったのかという批判を受けていますし、そもそも駅前エリアを含めた公民連携計画が綿密に立てられていたのかという根本的な問題があることで、全体としての成功につながっていないのだと思います。
ここでヒロロと木下君をつなげて語ったのは、木下君はジョッパル破綻前後に県内でも講演した縁もあっただけに再生の知恵を借りるチャンスがあっただけでなく、実は葛西市長とあいさつする機会に私もかかわっただけに、その知見を生かす形にならなかったのを残念に思うのです。

私自身も、木下君とはいろいろな形で意見交換しながらも、紫波町という近いところで2009年に公民連携計画を策定してオガールにつなげたことを見過ごしていただけに反省していますが、それ以上に考えなければならないのは、弘前という自治体をどうするかということで右顧左眄するのではなく、弘前というより津軽という地方がどうしたら持続していけるのかという視点でなければなりませんし、そのために市民が動くことでコンパクトな地域経営が可能になる方向に市政を持っていくことこそ必要だと思うのです。
この視点からすれば、市に向かってあれもこれもと要望するのではなく、市民ができることは市民が行い市政の効率を最大化することや、弘前市だけでなく近隣市町村とともに実現していく方向で提言しているかを改めて見直さなければならないと思っています。
思えば、相馬村議時代のサイトには「相馬を愛し津軽を思う」と題していましたが、合併して自治体としての相馬村はなくなっても私にとって生活の土台は相馬という地域そして昴という町会ですし、弘前市という自治体が消えても津軽という地方は続いていくことでしょうから、自治体という枠にとらわれない発想が必要なのだと思います。

全体で言えば「弘前破れて津軽あり」、私で言えば「弘前破れて相馬あり」、あなたなら「弘前破れて○○町あり」、この方角に自治の道をひらいていく政治家として進んでいきたいと思います。

2014年9月9日火曜日

これでこそ市民協働!

ちょうど100回目の投稿ですが、午前中に書いた件で予想以上の成果が得られましたので、本当に記念すべき報告ができることをうれしく思います。

午後から今日からはじまった一般質問を傍聴していたのですが、閉会したところで市民協働政策課の大澤課長のところに足を運びました。
さすがに質問に備える立場だけにメールには目を通していなかったので内容を説明すると、部課をまたがったムダづかいを避けて市民と協働するという趣旨での申し入れに賛同してくださり、「確かに壁はありますがあたってみます」という前向きな回答でしたので、それだけでもうれしい対応だったのですが、何と17:00過ぎたところで連絡があり、こちらからの申し入れどおり薬剤は市で負担して散布は町会で行うことで進めることが可能になりました。本当に助かります。
昨日連絡したのが現場で担当している職員だっただけに、彼らの立場では部課を超えた裁量をするわけにはいかないのも当然のことですし、最初から課長クラスに打診していれば縦割りと批判することも彼らを困らせることもなかったのだろうと反省していますが、これを奇貨として市民との協働となる作業で部課をまたがっての対応が必要な場合には市民協働政策課が窓口となって受け入れるといった仕組み化を検討してほしいものだと思います。

ところで、この前にシロヒトリ駆除の薬剤補助のことを補助先である町会連合会事務局に確認に行きましたら、昨年度は件数が予測を上回ったために55%の補助率だったそうですが、今年は予算額が倍増しているので100%補助となる見こみだそうですので、町会での散布はもちろん個人散布の場合でも事務局への問い合わせをしてみるとよいそうです。
これを事務局で補助金の窓口となっているのは、1件ごとに補助金申請から完了・精算までの手続きをする煩雑さを避けるためだということでしたが、春の一斉清掃の報奨金のようなやり方であれば市(この場合は環境管理課が主管)との直接のやりとりでも可能となりますし、これをデジタルデータでの報告とすれば、作業写真から被害発生マップを生成することもできます。
これは一見作業の煩雑化を招くように思われても、実はデータがデジタルでやりとりされることで処理が簡単に行えるようになりますし、市民側には補助金というプラスのかわりに市に対して労力とデジタルデータの提供というメリットを与えることになり、これも市民協働の新たな形になりうると思います。
そのためには、市でも協働のワンストップサービスを進める体制づくりやそれを可能とする仕組みづくりを進めていかなければなりませんし、市民の側でも自分たちでデジタルなやりとりをする人材登用やシステムの積極的利用が必要になります。
それでも、今回の件からも協働することのメリットがわかっていただけると思いますし、これが進んでこそ市民主権のまちづくりが実現していくのだと確信しています。

それにしても、ハブのように噛みついてみたら、まさに市民と市政をつなぐハブの役割を一つ果たすことができ、本当に記念の日となりました。
今の立場でもできることに最大限取り組み、皆さんに市議としてもっと仕事をしてほしいと思っていただけるよう、これからも動きたいと思います。

シロヒトリで縦割り行政に出くわす

昨日の予告どおり外部の人材のことを書きたかったのですが、アメリカシロヒトリの件でいわゆる縦割り行政にぶつかってしまいましたので、皆さんにも考えていただきたいと思います。

わが昴町会は、集会所は市民協働政策課、街路樹は道路維持課、隣接している昴農園は農業委員会相馬分室と3課にまたがる形になっており、現在個人宅ばかりでなくこれらの場所でもシロヒトリが発生しています。
シロヒトリの駆除に要する薬剤には町会連合会を通じての補助が出されることになっていますので、町会としては個人宅のところを行い、各課がそれぞれ業者に委託して駆除する流れなのですが、町会の役員からせっかく散布するのなら集会所も街路樹も農園もまとめてやってもいいので、そのかわり薬剤費を市で負担してもらうように交渉してほしいという意見がありましたので、昨日各課に打診してみました。
案の定、それぞれ所管するところはきちんと対応するということで、町会からの薬剤提供の依頼に対しては所管外のところに手を出すわけにはいかないというのがあって、どこからも前向きな返答はもらえないという、まさに縦割り行政の弊害に出くわしたわけです。

町会に薬剤を提供するのであれば数千円の支出で済むはずですが、各課それぞれ業者やシルバー人材センターに委託して駆除すれば、当然万単位での支出となるのは明白です。
ところが、3課バラバラなだけでなく、それぞれ市民文化スポーツ部・建設部・農業委員会と違う部に所属しているので部内での調整もできないために、このムダな支出を適正なものにすることも市民が市の仕事を肩代わりするという協働の形にすることもできないのです。
確かに、予算には総務費・農業費といった区分があり、その枠を超えての流用はできないことになっていますし、何でもかんでもということになれば問題ともなりますが、今回のように部課にまたがって支出の削減が見こめる場合には課であればいくら部としてはいくらと限度額を定めて一方での支出が可能となる仕組みをつくるべきだと思います。

この件、散布が週末の3連休になっていますので、最後まで働きかけてムダな支出を食い止めたいと思っていますので、皆さんにも顛末までお知らせしたいと思います。

2014年9月8日月曜日

市政のマップ化に渡邉英徳さんを

このBlogも早いもので、もうすぐ100回の投稿になろうとしています。
思い立ってからは、市民としての立場で気づくことを政策として提言し、それが市民と市政をつなぐものになればという思いでほぼ毎日更新しており、これも時機を見て市民におっての提言となっているかを見直していくつもりですが、葛西市長は再選を経て庁内シンクタンク構想を打ち出し、来年度には設置をめざしています。
市勢の調査分析には今でも統計係がありますが、調査から政策提言が求められるシンクタンクを庁内に設置するというのは果たして有効なのか疑問があるだけに、まずは自ら提言したものを形にできる外部の有識者を紹介し、このような多様な知見を借りる柔軟な政策立案こそ必要であることを論じてみたいと思います。

まず提案したいのは、ここ何回かで提案が重なった、町会活動データベース事業マップ災害発生マップ、そしてシロヒトリ被害マップですが、これらは共通して市内全域で一つの事象がどのようになっているのかを「見える」化するものです。
このような多様な事象をマップ化できるのかという疑問を持たれる方があると思いますが、私が知っている方では首都大学東京の渡邉英徳さんが最適任です。渡邉さんは、GoogleEarthを駆使してデータを「見える」化する第一人者で、東日本大震災アーカイブスや台風と減災リポートマッピングなどの情報提供を行い、「データを紡いで社会につなぐ」などの著作でも知られています。
この渡邉さんは、市内のNPOの招待で来弘したことがあり、地域防災講座と題して震災の記録のことばかりでなく、3Dマップを用いて水位が1m上がればどうなるかといったシミュレーションも行ってくれ、その際ポイントとして選んだ青女子地区で昨年台風18号での被害を目の当たりにした際には、こういう科学的な予測を生かす対策が必要であると痛感したものです。
単なる有識者ではなく、弘前市の人間ともつながりがあり、なおかつ足を運んでくださったことまである人材であれば、市からの依頼にも親身になって応じてくれると思いますし、市長や幹部ばかりでなく市民の持っている人脈をフル活用する工夫をすれば、それぞれの課題に最適な人材に協力してもらってプロジェクトを進めることも可能だと思います。
渡邉さんは、データ構築のプロフェッショナルですから、こういった人脈データベースでも役に立ってくださるに違いありません。

こういった外部の人材から力を借りる提言を、少し続けてみたいと思いますが、皆さんからもこの課題にこの人をいう提案をいただけると助かります。

2014年9月7日日曜日

アメリカシロヒトリ、知っていますか?


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先月から被害の報告があったのですが、理事会で確認したところ思いのほか発生件数が増えていることがわかり、日曜日の朝から理事数名と町会全域を見分して回りました。
集合した集会所の真ん前の樹木にも発生していたばかりでなく、個人宅ばかりでなく周辺道路の街路樹さらには市民農園・昴農園の樹木など20ヶ所近くになっていました。

アメリカシロヒトリは、写真のように蜘蛛の巣のような巣を作り、放っておけば木全部の葉が食いつくされ、成虫となって飛散するので被害が拡大するというやっかいな害虫です。
市でも、被害拡大防止のためにサイトやチラシでの周知、また噴霧器の無料貸し出しや町会連合会を通じての薬剤購入費の一部補助などの対策を取っていますが、インドア派で自然にあまり関心のない私からすればはじめて被害の実態を知って驚きましたし、こればかりでなくカミキリムシやカメムシなどでも立ち枯れをおこしている街路樹なども見られ、環境を守ることの大変さを痛感しているところです。

ところで、このアメリカシロヒトリという存在や被害のことを、皆さんは知っていましたか?
広葉樹であればほとんどが被害を受けるということですし、岩木川沿いの木々もだいぶ被害が発生してるそうですが、関心を持って見なければ気づかないだけに、この機会に自宅周辺などを見回ってることをお勧めします。
一方では、これだけの被害があってもなかなか実態が伝わらず、状況が明らかになっていないのも事実ですので、市としても被害発生した情報を市民から集めて随時サイトで公開するといった広聴広報活動で周知を進めることが必要だと思います。

今回も結局、市の被害状況をマップで「見える」化する話になりましたが、それだけ情報公開は大事なことだということです。

2014年9月6日土曜日

小連体中止で考える

昨日は市内全小学校と西目屋小学校が参加して、5・6年男女のリレーに男子1500m・女子800m、さらに男子は弘前市独自の制定体操に女子はダンスを行う小連体の日でしたが、あいにくの朝方の雨で中止となり、リレーと長距離種目は13日に行われることになりました。
全員を参加させるための体操とダンスにはあの前世紀的な格好からして違和感を感じていますので、中止で陸上種目だけになったのは何よりですが、おかげで小学校と中学校、学校教育と陸上協会の連携のなさが露呈してしまいましたので、数日前に陸上のことを書いたばかりですが、改めて陸上をめぐる問題点を明らかにしたいと思います。

陸上種目だけは13日に実施とお知らせしましたが、会場は岩木小学校になります。
これは、当日運動公園陸上競技場では中体連が行われるためで、市内の小学校では一番広いグラウンドを持つ岩木小でとなったようですが、いかんせん正規の400m全天候グラウンドとは雲泥の差だけに、残念です。
そればかりでなく、13日は秋季県選手権にあわせて小学生も交流記録会県大会が県営運動公園で行われることになっているのですが、日程が重なったためにせっかくの地区予選を勝ち上がった選手が出場できないことになります。
これは、小連体を主催する体育研究会および教育委員会に陸上協会から大会日程の情報が入ってないか、もしくは情報があったとしても参加している学校が少ないことで無視したかのどちらかだと思えるだけに、陸上関係者としては扱いのひどさにガックリきてしまいます。
よく考えると、最近では中学生でも県選手権に出場して活躍していることもありますので、同じ日に中体連を行うのも考えものです。

この日程や会場変更には、いうまでもなく運動公園の大規模改修工事が控えている影響があるのですが、工事を少し遅らせてでも会場確保を検討できなかったのか残念に思いますが、13日であるならば逆に中体連と小連体を組み合わせて開催することを考えてほしかったと思います。
今回の中体連は1・2年が出場する新人戦だけに参加人数は春より少ないわけですから、そこに1時間程度の追加種目を入れることは可能だと思いますし、何より普段は違うスポーツでがんばっている小学生が少し年上の陸上選手ががんばっている姿を見る機会になりますので、せっかく自分も学校の代表に選ばれるくらい足が速いのだから中学では陸上をやろうという気になるかも知れません。
少しの工夫でできる話ではないことですが、中学校側でも陸上に引きこむチャンスなのですからそのくらいの苦労はして当然だと思うのですが、現実には小学校側で中体連だからと考えることもなく打診もせずに会場変更を決めたのだろうと推察します。
このあたりに、小学校と中学校の連携不足を感じますし、陸上協会との連携のなさとあわせて考えると、スポーツ行事を全体として調整する機能が教育委員会には必要だと思います。

ところで、毎年小連体を開催する9月第1金曜日は雨にあたる確率が高く、2007年も雨でしたが旧中郡に東目屋小を加えた交流大会を開催したのがその後の陸上種目だけでも後日開催のきっかけになったと思っていますが、来年に向けて開催日の再考と陸上種目だけにして中体連新人戦と組み合わせて開催することを提案します。

2014年9月5日金曜日

あえて、市民自治条例への私見

9/2に自治基本条例の素案を示されていた市民検討委員会からの答申があったことが地元紙で報じられていましたが、この条例を正当性がないもの外国人参政権を認めるものとして猛烈な批判を続けている市議のBlogなどから火がつき、右翼的ジャーナリストからも攻撃の的にされています。
ほとんどの市民の皆さんには理解しづらい、そしてあまり関心のない問題だと思いますが、私見を求められてもいますので、あえてこの問題をまとめておきたいと思います。

まず、これから条例制定までの流れをお知らせしますと、答申案を公表した上で議会との意見交換・パブリックコメントが行われた後に最終案がまとまり、それを3月定例会に議案提出して採決となる運びです。
答申案はまだ公開されていませんが、諮問された素案に添付されている資料を見ても、住民投票にかかわる外国人参政権の問題に攻撃の的が集中していて、本来の自治をどう築いていくかということがないがしろにされていることを残念に思います。
また、この件に関して葛西市長が答えないという批判を受けて、上記リンクには外国人参政権に関する市長見解がありますし、先日の町会連合会研修の際に検討委員会の佐藤委員長にも直接質問して確かめていますが、住民投票を行うことは自治基本条例で定めても、どのような条件で実施するのかは今後制定する住民投票条例で定めることで意見集約がされていますし、投票結果そのものも尊重するということでとどまっているのですから、心配には及ばないと思います。
このことには目も向けずに外国人排斥のアジテーションをするのはナンセンスですし、自治基本条例に住民投票条項を入れるか入れないか、どのような住民投票条例を制定するか、さらには住民投票にかけるかどうかも議会の議決を経ることですから、市議であるならば議場で堂々の論陣を張ることで自ら恐れることを防ぐのが本分だと思います。

では、おまえはどうなのだということになりますから答えておきますが、私は一般永住者および特別永住者として認められている人であれば、立派にその自治体を構成する市民だと認めるべきだと思いますし、その帰結として国ではなく当該自治体に関することであれば投票権を認めていいと思います。
例えば、ワールドカップの際に話題になった群馬県大泉町は約1割がブラジル人だということですが、これだけの比率を占めている人たちの声が反映されないよりは、同じ町の人間として共存共栄を進めやすい仕組みを考える方が理にかなっていると思いますが、反中反コリアの人たちからはこのような事例に対する意見を聞いたことがありません。
それらの人たちは、外国人参政権を認めたところには大量移民が送りこまれて乗っ取られるとあおりますが、認めているという自治体が現実にあるのにそれが実行されていないような陰謀論を振り回すことの意味がわかりません。
これは、私自身が大学時代にどちらかといえば民主化の側に立っていた中国からの留学生と親しくしていたことや、ハングルを話せない在日3・4世のコリアンと一緒に学び酒を酌み交わしたシンパシーと、明治時代の江華島事件から太平洋戦争に至るまでの侵略の歴史を反省するからこその私見ですが、歴史認識問題はさておいても国という想像もつかない存在よりも日常で接する韓国籍の友人との関係を大事にする人の方が普通なのではないでしょうか。

何はともあれ、このことで自治基本条例に関心が集まり、市民とは誰かを考えるきっかけになった上で、市内に住む永住者との親交をそこなうことなく、弘前市が近隣諸国との友好を深めていくことを望みます。

2014年9月4日木曜日

ゴルフ場は即決、ロマントピアは補修せずでいいのか

今日は朝からテニスの錦織選手ベスト4の快進撃をライブで見届けたので、珍しくテニスネタでのツイートをしたのですが、そのコメントからロマントピアのテニスコートで土砂崩れがあって6面のうち4面が使えなくなっていることをはじめて知りました。ロマントピアに確認したところ、7月の台風8号で発生したのだそうで、要望はしているものの費用がかかるとのことで復旧への手だては今のところ取られていないのだそうです。一方、昨年の台風18号では岩木川市民ゴルフ場が大規模に冠水しましたが、そのまま休業でも仕方ない時期だったにもかかわらず、あっという間に復旧工事が進められて再開にこぎつけたのを覚えているだけに、この扱いの違いには違和感どころか憤りすら感じます。

ところで、7月からこれまでの期間はロマントピアにとっては一番のかきいれどきで、私も何度か足を運んでいたのですが、この一部使用不可については気づくようなことがありませんでしたし、ロマントピアおよび市のサイトでも告知がされていませんので、テニスをしようとしたときにはじめてわかる状況だったことも問題だと思います。こういう後手に回った対応が、ロマントピアから客足を遠のかせなければいいがと、お節介な心配までしてしまいます。このことばかりでなく、大きな災害は目にもつきますし報道もされますが、人目につかない災害は関係者からは何とかしてほしいという動きがあっても、知られていないのをいいことに放置されている場合もあります。また、実際の復旧予算も補正がされていればほとんど議論もなく決まりますが、予算化されていない箇所がどれだけあるのかは情報提供もされませんし、昨年の台風18号に関しては相馬地区での農地災害については町会長に対して情報提供がありましたが、このうちどこからどれだけ復旧工事が行われたのかは知らされずじまいです。こうしてみると、先日事業マップを提言した中にも復旧工事を組みこんでおきましたが、改めて工事が行われている/いないが見える化されているかどうかは重要な情報公開だと思います。

情報公開ばかりでなく、災害時に市民からの情報提供を受けつける手だてを含めて、災害情報のあり方を見直すべきだと思います。

2014年9月3日水曜日

エリア担当を民生委員に

先ほど、福祉政策課に「民生委員候補者推薦調書」なる書類を提出してきました。言うまでもなく、町会から民生委員を推薦するものですが、実はこの一年わが町会では民生委員不在の状態が続いていました。
このことをふまえて、民生委員という存在そのものが曲がり角に来ていること、そのために市として考えなければならないことをまとめてみたいと思います。

民生委員とは広辞苑によれば、「社会福祉の増進のために、地域住民の生活状況の把握、生活困窮者の保護・指導、福祉事務所が行う業務への協力などを職務とする者。厚生労働大臣の委嘱により市町村・特別区におかれる。児童委員を兼任。」という存在で、いわば特別職の国家公務員です。
戦前の方面委員を引き継ぐ、身の回りに福祉の窓口を置く制度ではありますが、個人情報保護法という誤解されやすい法律によって近隣の世帯状況すら情報提供されなくなり、必ずしも専門職ではない人物にわざわざ相談をするまでもないという風潮が高まって、自ら進んで情報収集するのも難しい状況下で、本来の目的とする活動をするのは大変なことです。
わが町会の場合は、昨年の一斉改選にあたって現職にあった方から辞退されたので推薦について話し合ったものの、後任を受けてくださる人が見あたらず、一方で不在となった場合の不便もないのではという結論になって推薦を見送ったのですが、実際のところこの一年間の不在で困ることはなかったように思います。
それでも、相馬地区の周りの民生委員からの働きかけで再任に応じてくださることになったので改めて推薦させていただきましたが、この職務をこなすことができる方であっても、年額4万円弱の報酬を受けられるにしても続けたくなくなるようなプレッシャーのかかる仕事を、次は誰がやってくれるのかは不安が残ります。

ところで、民生委員を置くことになっている町会では、市の民生委員推薦会に推薦するにあたって「民生委員候補者選定委員会」なるものを町会長以下5人以上(うち女性2名以上)で組織して選定することにされています。
これは、ある意味では自主独立とされている町会に対して上から目線で組織を強要するものであり、なおかつこれを主導することとされている町会長は以前指摘したように市から何の権限も認められていない立場だけに、町会が苦労して推薦すべきものではないと思っています。
この状況で民生委員の欠員というのが問題とされていますが、この一年間次の期日までに推薦をという書類が送られてくるだけで何とか推薦をという電話一本もないのをみると、担当課である福祉政策課では真剣に欠員を埋めようという姿勢はないように思います。
実際には、市内でも町会そのものが解散するケースも出てきているだけに、市そのものが責任を持って選定を行うべきだと思いますし、より複雑化した多問題家族へのかかわりや災害時の要援護者救助といった困難な役割を専門家ではない市民に委嘱するというあり方そのものを見直す時期に来ていると思います。

そこで私から提言したいのは、エリア担当となっている職員をそのエリアの民生委員とすることです。
これには公務員の兼任という問題があるのですが、個別特別な存在ではなく市全体で変更するのであれば突破できることだと思いますし、何をしているのか見えない今の立場よりも具体的にエリアとかかわる職務ができますし、何より公務員として個人情報保護にも配慮できる存在であるわけですから、適任であると思います。
これが実現すれば、一定のキャリアを経た市職員は必ず民生委員という福祉の総合窓口をエリアを通じて経験することになり、その後の仕事においても福祉や地域への視点を持って取り組むようにできるわけです。
まずは、欠員のあるエリアからでも試行してみれば、本来業務とエリア担当のワークバランスを測ることもできるでしょうし、それが民生委員制度に責任を持っている市としてやらなければならないことだと思います。

2014年9月1日月曜日

もっと陸上にふれる環境を

昨日は陸上クラブのコーチとして朝から昼過ぎまで大会の引率、返ってからは町会の懇親会と預手が続いたせいでBlogを更新できませんでした。
その大会は平川市陸協主催だったものの平川市に全天候型トラックの競技場がないために会場は弘前市運動公園の陸上競技場でしたが、津軽南ブロックで小学生が出場できる陸上大会は今年度これが最後となることもあってか、非常に出場者が多かったのが印象に残りました。
というのも、今月中旬の中体連大会をもって陸上競技場も大規模改修に入るため例年10月に開催されている市秋季大会が今年度は休止となっているからなのですが、それが平川市だけでなく黒石市にも全天候型トラックがないために代替できないという事情があるからなのです。
この問題は、平川市で陸上議場の整備が予定されているというので、もう少しすれば環境が改善されるとは思いますが、市陸上競技場の改修で規模の大きい大会が誘致できるようになるという話もあれば、これまでのように簡単に使えなくなるという噂もあり、これと平川市の競技場とでの役割分担が話し合われているかどうかも気になるところです。

陸上競技場は、陸上ばかりでなくサッカーやラグビーでも使うことになりますので、それらの競技でも気をもんでいることだと思いますが、陸上クラブのコーチという立場からすれば競技環境が整うことが小学生段階での競技人口増大につながることになってくれればと思います。
弘前市の場合、小学生のスポ少活動で男子は野球、女子はミニバスが中心になっていまして、陸上の大会に出場しているのは小学校37校のうち相馬・岩木の旧中郡勢の他には豊田・致遠くらいのもので、黒石市・平川市や南津軽郡の方が断然競技人口もレベルも高いというのが実情です。
これは、主力となっている球技スポーツの人気ばかりでなく、市内の小学校では陸上は今週金曜日に行われる小連体だけのことと思っている先生方が多いことで部活動としての陸上部が作られてこなかったという不幸な歴史があったからだと思います。
また、スポ少は単位団として取り組む競技を6つまで登録でき多様なスポーツ経験を促すのが建前なのですが、女子のミニバスでは練習の一環として陸上大会に出場するのを聞くのですが、野球の場合は大会に加えて練習試合も毎週のように組まれているだけにわざわざ陸上の大会で足試しという暇はありません。
これを象徴するように、小連体1500mの記録を高校時代の同期が30年間破られずに持っていたのですが、その彼は小学校から高校まで野球で活躍した選手でしたし、陸上大会で入賞する子が小学校の運動会で野球の子に負けるのを見ると、本当に足の速い子を集めた大会ができていないことを痛感してしまいます。
ただ、走るというのはすべてのスポーツの基本ですから、さまざまなスポーツのトレーニングの中できちんと指導する機会は増やしてほしいと思いますし、それがきっかけとなって陸上大会に出てくれるようになればと願っています。

このように競技環境というハード面、学校で陸上にふれるきっかけというソフト面、どちらも市で考えなければならないことでもあるだけに、関係者の端くれとして力を入れていくつもりです。