先日、市民病院の件でふれたように14日の町会長研修に参加したのですが、その研修会の講師は弘前大学名誉教授で自治基本条例制定にあたって委員長を務めている佐藤三三(さんぞう)先生でした。
お話そのものは学者らしいまじめ一本の語り口と内容でしたが、県内で自治基本条例があるのは五戸町・八戸市・階上町・佐井村・十和田市・おいらせ町とすべて南部地方に偏っていること、今回の条例には町会を市のまちづくりを進めていく構成体の一つに位置づけたことが耳に残りました。
南部地方に偏っているとはいっても津軽地方でまったく動きがなかったわけではなく、弘前市より先に青森市で実現するはずでした。これは市民を巻きこんでワークショップを重ねるなど、まさに市民が自らの異本条例を作る進め方をしていたのです。
ところが、その委員会が条例に定められていないことを議会で突かれて作業が中断して棚上げとなってしまったのです。これは、自分たちに主導権がないことや鹿内市長に対する反発といった議会ならではの論理なのですが、そのことで津軽における自治基本条例が遅れてしまったことを県都の市議諸侯には反省してもらいたいと思います。
ところで葛西市長の最初のマニフェストには自治基本条例はうたわれていませんでしたし、最初の1年間で私が質問した際にも考えていないということで残念に思ったものでしたが、マニフェスト大賞グランプリ受賞後の201年から制定に意欲を見せるようになりました。
これは、受賞によって全国の先進事例を知り自治基本条例の重要さに気づかれたのだと思いますが、経緯はともかく今年中の制定ができれば津軽初となりますので、ぜひ実現してほしいと思います。
その中で、町会がはじめて市の条例で位置づけられるというのは、町会長として町会自治にかかわる者としてはうれしいことですが、できれば町会長を以前の岩木・相馬での行政連絡員として市政に協力する地位に位置づけしてほしいと思います。
このことは市議時代にも質問し、この制度を廃止する条例がかかった際にはたった一人反対したことでもあるのですが、実際に町会長になってみると町会内部での役割は当然のことながら市からの配布物にかけずり回り、市からの補助金交付金などの手続きに苦労し、さらには民生委員や廃棄物減量推進員などの推薦を求められるなど、市政の末端であり最前線で動くことが本当に多いことを実感しています。
それにもかかわらず、弘前市では町会連合会は自主独立の組織であるから市の特別職というのはなじまないという姿勢で、こういうところでだけ鳴海修先生の遺訓を引き合いに出してきます。
私にしても相馬地区の他の町会長にしても、以前のとおり行政連絡員としての市からの報酬がほしいというのではなく、市政に参画する者としての地位を認めてほしいということだけを望んでいるのですし、減量推進員ですら市から辞令交付されるのに、それを推薦している町会長が何の身分保障もないというのはおかしいことだと思っています。
そういう形になれば、相馬時代は町会長は特別職ということで議員の選挙応援をしたり後援会長を務めたりということはしませんでしたので、町会長と市議の兼職はできなくなりますが、そのくらいの区切りは必要でもあると思います。
今までの自治基本条例に冠する市議会でのやりとりは外国人参政権やそれにかかわる住民投票といった右翼的な角度での議論ばかりですが、市民自治の基本組織である町会、その中で市政に参画している町会長の位置づけこそ議論してほしいと思います。
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