旧相馬村の中央を流れる相馬川には、リンゴの木を模した街灯とラベンダーが植えられた歩道が約4kmにわたって整備されています。
これも、ロマントピアや私の住む「プレアデスのまち」同様、国からの補助事業を活用し、当初はなでしこが植えられて「なでしこ街道」と命名されたのですが、一年草のなでしこでは維持管理が大変ということで花の種類は変わりましたが、春先に住民有志で花植えを行うイベントは参加者も多いだけでなく、強制でないのに成立していた数少ないものでしたし、私たち家族も楽しんで参加していました。
それが、合併のあたりに管理の簡略化を進めるために全部ラベンダーとして保護シートをかぶせてしまったので住民がかかわるチャンスがなくなり、近年では立ち枯れしていたり雑草が目立つようになってきていました。
そこで、相馬支所総務課長として戻ってきた田中稔さんがアイデアを出して、相馬小中学校PTA連絡協議会が実施する事業として「まちづくり%システム」に応募し、今回のラベンダーロード再生事業となりました。
当日は、小学校5・6年生と中学生、JA女性部や老人クラブそして私たちPTAが出動し、開会セレモニーには葛西市長も激励に足を運んで1時間半の作業を行いました。
ご存じの方も多いと思いますが、この「まちづくり%システム」とは、葛西市長のマニフェストの目玉の一つで個人市民税の1%にあたる6000万円をまちづくり予算として確保し、これに市民や団体から応募提案のあった事業に対して上限50万円まで補助するというものです。
今年で4年目となりましたが、最初の審査方針に問題があったことが大きく影響して応募数が伸び悩み、今年度は予算が3000万円に半減されましたので、実は1%システムでは看板に偽りありなのですが、それでもようやく浸透してきたことで多様な実践事例が積み重ね、新たな提案が出されてきています。
ただ、よく考えてみると相馬村時代のなでしこ街道花植えイベントは全額村が負担する事業だったのに、今回のラベンダーロード再生事業は事業費の1割を小中PTAで負担する形になります。他の事例でも、本来は市が行うべき事業を町会が率先して取り組むものもあり、これでは市の事業に労力を無償提供するばかりでなく支出の1割まで負担するというおかしな形になっています。
一方、応募件数を増やすためには採択範囲を広げる必要があると思いますが、実際に行われた事業がまちづくりの趣旨に合致していないものだったという場合も出てくる懸念があって、審査が厳しくなっていることが推測されます。
これを改善するには、終了後の報告を精査し、事業が市で行うべきものであった場合は全額補助、まちづくりの趣旨に沿わないものであれば採択した責任を市側も負って半額補助といった形で、評価が補助率に反映されるようにすれば適正な負担となりますし、PDCAサイクルでの事業実施にもなります。
この形にすれば、現在の計画時点でのやっていないことのプレゼンではなく、やったことのプレゼンをしてもらって評価とすることができますし、これならばプレゼンする側もやりやすくなると思います。
さらに考えを広げると、事後プレゼンに切り替えられれば、以前提言したように完了した独自事業が1%システムの趣旨に合致している場合には事後申請という方法でもよくなりますので、さらに応募がしやすくなります。
何といっても、葛西市長がマニフェストで掲げた市民主権を実現する最大の政策ですので、予算が1%で済まなくなるほどの応募採択となって市でうれしい悲鳴を上げる事態になるような見直しが必要なのです。
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