地元紙が一面で、葛西市長が介護保険料据え置きを打ち出したことを報じています。
以前から葛西市長が次期介護保険料を上げないことを広言してきたことに疑問を呈してきましたが、審議会から443円アップとなる6603円の標準保険料月額という綿密な推定による答申を受けて計画案そのものは受けながらも、認定率の低下や給付費の伸びが最適化されるまで緊急避難的に据え置くという方向性を示したのだそうで、ハッキリ言って葛西市政の中でも最大の失政となると指摘したいと思います。
記事によれば、全国に比べて訪問介護=ヘルパーの利用が2倍となっていることが介護報酬引き下げにもかかわらず市の介護保険料アップを打ち出さなければならない最大の要因のように書かれていましたが、これはヘルパーが自宅に訪問する形での利用ではなく、乱立した「有料老人ホーム」で部屋を巡回してのサービスが異様に多くなっている現実を反映したもので、認可制ではなく届出制の設置であるだけに建築確認を出さずに建設させないとか有料とセットになるのが見え透いている訪問介護事業所には市としての意見書を出さずに棚ざらしにするといった、強引でもサービスを増殖させない手だてを取るべきだったものを野放図に認めておいたことで生じた事態なのですから、自らの過ちを認めて市民におわびをしながら介護保険料アップに納得してもらうのが本筋だと思います。
それも、据え置きのための財源を地域福祉基金に求めようという魂胆のようですが、この基金は現在でも介護予防事業に充てられているもので、以前は週1回は利用できたのが隔週に抑えられるほど財源としては乏しいだけでなく、次期の途中からは介護予防事業が市町村に移管されてしまうというのに枯渇させるようなことをするのでは、さらに予防に力を入れられず要介護者を増やしてしまうことになりかねません。
もし仮に一般財源を投入して据え置きを図るのであれば、これは本当の禁じ手ですし、それならばより多くの市民に負担を強いている国民健康保険料でも同様の手法で臨むべきだと迫られたら何と強弁するのか、3月定例会での質疑は見どころ満載です。
こういう事態を招いた原因としては、2009年改定の際のように介護保険のエキスパートを健康福祉部長・理事におかなかったことで、根本的にもテクニカルにも対策がなされなかったことがあげられますが、それより気になるのは葛西市長の姿勢です。
介護保険制度で介護保険料を抑えるための手だてとしては、積み立てている運営円滑化基金を取り崩して次期の介護保険料に上乗せするのが本筋ですので、今回据え置きに充てれば3年後の改定の際には大幅なアップになってしまいますし、一般財源を充てるのであれば介護保険料には響きませんが、調整基金に大きな損失を与えることになります。
調整基金を積み増ししてきたと胸を張る葛西市長が、自らの間違ったマニフェスト実現のために取り崩すのは朝令暮改と言わざるを得ませんし、任期切れとなる3年後の介護保険料アップとなっても今回だけは避けたいというのでは、もしや3選出馬をせずに逃げおおせるつもりなのかと疑いたくなるほど、市長の政治姿勢が問われる大問題でもあるのです。
先にふれた国保料改定の際には、これは葛西市長の責任ではなく前市長の無策によるものと擁護して賛成した立場だけに、今回も筋を通してアップせざるを得ないことを市民に理解してもらうように努めてほしいと思いますし、ここで裏切られるのなら無念でなりません。
市民の皆さんにも、今回据え置いてもらえれば助かるという目先の判断ではなく、根本的な解決策に取り組むために今回は苦い薬を飲もうという気持ちになってほしいと思います。
この問題を何とかするためにも、私に議席を与えてください。
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