今年最初の昴集会所開放事業は、一ワザ人にCasaico代表の葛西彩子さんにおこしいただき、単なる漆絵付けではなく蒔絵の入門編を体験させていただきました。
作業の前に漆の基礎知識をレクチャーしてくださったのですが、一番驚いたのは全国数ある塗り物の産地でも津軽のようにほぼ100%の世帯で津軽塗を使っているというようなところはないのだそうで、それだけ生活に根ざした伝統工芸をもっと誇っていいと思います。
ただ、以前こぎん刺しや津軽三味線の弦についてお知らせしたことがありましたが、こちら津軽塗の漆もほとんど中国から輸入しているものを使っているのだそうで、何とかできないものかと思います。
葛西さんによれば、日本の漆のほとんどは岩手県浄法寺地区で採られるのだそうで、直径20cm程度の太さまで育った木から6~9月の間に樹液を採って切り倒すという繰り返しなのだそうです。
その意味では、取り組めば数年後には津軽産の漆で津軽塗を作れるはずなのですが、それだけで生活が成り立つものでなく、浄法寺でも林業の傍らの作業だそうで、職人さんたちも高齢化してきているそうですから、何かと組み合わせないことにはおいそれと転業や起業を勧められるものではありません。
そこで考えたいのは、津軽産の漆が採れるようになり津軽塗職人が待ちかまえる体制が取れるようになっても、その漆を塗るための器を作る木地師もいないそうですので、浄法寺のように林業だけでなく切った木から器を作るところまで取り組む林業の6次産業化に漆採取も組みこむような起業です。
これを綿密にマーケティングして、それぞれの分野でどれだけの生産が必要なのかを見極め、できるだけ事業者だけで起業から経営まで成り立たせていけるようにしていくことができれば、文句なしにメイドイン津軽の津軽塗が生み出されることになります。
先日ライブに来てくれた松本ハウスさんへのお礼も津軽塗のマイクだったように、生活用品であるとともに津軽を象徴する伝統工芸なのですから、今よりも少しずつでもメイドイン津軽の比率を増やしていくような地道な取り組みからでも動いていくように働きかけたいと思います。
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