米シアトルで「最低賃金1,500円」満場一致で可決というニュースが飛びこんできました。
詳細は不明ですが、ファストフードの非正規労働者のストライキが発端となって、米国で存在するとは驚きの社会主義派の議員の尽力で議会が動いたということのようです。
一方、日本では民主党政権のマニフェストに最低賃金1000円がうたわれていましたが形になることはなく、弘前市においても所得の向上というスローガンはあっても具体策はないのが実情です。
以前、私は「市政を変えるマニフェスト」で市職員の給与総額20億円カットを打ち出したのですが、このねらいは市民税の減額のための財源確保と、もう一つは平均給与が650万円前後と市民の平均所得の倍以上になっている格差を少しでも是正したいという思いからでした。
これだけは、マニフェストで協定を結んだ当時の葛西憲之候補から拒否されたのですが、そこには市役所職員の労働団体である市労連から連合を通じての申し入れがあったと推察されます。
市内有数の高給企業の所得が減れば市の経済に影響するという批判もいただきましたし、葛西市長は財源確保のために従来もらえていなかった補助金を受けたり交付金と連動する借金となるよう工夫をこらして事業を展開する手法をとっていますが、やはり一般市民からは市役所の給料は高いという声を聞きますし、外からの財源があてにできない時代が早晩来ることを考えれば、やはり給与削減は必要だと今でも思っています。
先ほどのニュースに戻りますと、シアトルでは議員が所得格差諮問委員会で労働者・企業・非営利団体の代表者に働きかけて段階的な引き上げという妥協案での合意を得たことにもふれていますが、現在の弘前市では議会の委員会は市に対する議員側からの一方的な質問の場であって議論を重ねて成案を練ることはありませんし、市は各種審議議会などで市民や各団体と話し合っていますが議会と市民が意見交換する機会もありません。
日本の先進的な議会でも、市民への報告ばかりでなく議会としての政策形成のために意見交換の場を作るところが出てきていますが、シアトルの場合も少数派と思われる立場の議員が動いても正しい主張であれば全会一致となっているように、議員個人のエゴや会派としてのしがらみを超えて全員がチームとして動くことが改革が進む最大の要因であると、改めて痛感します。
弘前市だけでなく多くの議会では、共産党からの提案やそれにかかわる団体からの請願陳情であればすべてノーという風潮がいまだにはびこっていますが、よいこと正しいことであれば誰の主張でも受け入れて検討するのが、議会の本来あるべき姿だと思います。
今回のニュースは、二つの大きな課題を突きつけるものだけに、今後の政策検討の際に心してかかりたいと思っています。
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