6日に開会された6月定例会ですが、今回の焦点はゴルフ場の指定管理およびこれまでの指定管理者であったウォーターフロント社への救済策となります。この問題を考える市民ネットワークの幹事会で今回の提案が抱えている問題の大きさが明らかになりましたので、一般質問の前に皆さんにもお知らせし、関心を持って傍聴に足を運んでいただきたいと切に願っています。
まずはリベロ津軽が候補となっている新しい指定管理契約ですが、6日に示された案では8月からの指定管理で1471万円弱に加えて燃料費・光熱水費に土地建物の借上料として466万円も支払われることになっています。
これまでの指定管理料が500万円だったことからすれば大幅なアップですし、今年度は年度途中からということを考えると通年での管理となる来年度以降は2000万円を超えてもおかしくないだけに、10年間の契約期間で約2億円もの支出となります。
ネットワークからの公開質問状でもふれた、ゴルフ場は都市公園なのか社会体育施設なのかの協議もされていませんし、今年は利用者が増え今後はニュースポーツでも活用していくとしても市民の間でゴルフ場は必要だというコンセンサスが共有されているとはいいがたい状況で、これだけの支出を行うのにどれだけの市民が納得するでしょうか。
そもそも、市の施設を有効活用するために指定管理をするはずなのに、市が借りた建物や設備を指定管理させるというのは本末転倒だと思います。
ところが、13日になって示されたのは、今年度中に建物設備などをウォーターフロント社から取得するとともに、特別清算するにあたっていわゆる会員権にあたる預り金を供出している市民へのためと理由をつけて補助金までつけるという無茶苦茶な案でした。
この取得にあたっては不動産鑑定士による評価に基づいて4240万円弱が計上される見こみですが、通常は清算などにかかる物件に関しては正常価格では取り引きされないものだそうで、鑑定士も良心に耐えかねてか参考までにと付記して通常では当初建設費の1/10以下となるのが現状だと評価書に記しています。
仮に指定管理を認めるとすれば、この建物設備などを早めに適正な額で取得して市が所有しているゴルフ場と一体として取り扱えるようにするのが当然だと思いますが、取得は今年度中に行うとして当面は先にふれたように借り上げというのですから、同じものに対して二重の支出となってしまいます。
さらに、配当金確保のための補助金862万円が盛られていますが、残念ながら出資した本人に責任があるものですし、市はこれまで責任はないとしてきたことと整合性がとれない支出をすべきではありません。これが通るなら、市と契約していた事業者から破綻しそうなので救済してくれと言われれば助けなければならない悪しき前例を作ることになります。
第一、配当率は5%と見こまれていますが、30万円が1万5千円にされてよかったと思う人はないでしょうし、支出してもしなくても市に対する不満を持たれるのは変わらないのであれば、出さずに恨まれるのが責任を取るということだと思いますし、私としてはこういう見え透いた救済をしてもらうことなど社長である鳴海康安先生は望んでいないと思うだけに、誰のためにもならない補助金だとしか思えません。
それにしても、この取得や補助金については補正予算案という成案としてはなく「清算に向けた取り組みついて」という形で示され、その文中にも「前例もなく礼を失する恐れなしとは言えぬもの」と書かれているとおり、議会軽視と言わざるを得ない進め方をされているばかりでなく、借上料が計上されているのに取得もするという一事不再議の原則にも引っかかる重大な問題だけに、議会の対応も注目です。
思えば、最初に指定管理料が計上された際には、議会が空転し最終的には了解が得られるまで予算執行しないという言質を取って通過させたものでしたが、こんな暴案をのうのうと通すのであれば、まさに議会の自殺行為です。
それだけに、今日からの一般質問だけでなく来週火曜に予定されている予算特別委員会での審議そして議員各々の賛否に関心を持っていただきたいと思います。
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