2014年6月25日水曜日

改めて、スポーツとしてのゴルフ場問題

奇跡を起こすのには応援の力も必要だと身勝手な理由をつけて、土手町コミュニティパークで行われたサッカーワールドカップ日本対コロンビア戦のパブリックビューイングに加わりました。
前半の健闘むなしく実力差を見せつけられる結果となり、渋谷駅前よろしく土手町スクランブル交差点でハイタッチするイベントは水の泡となりましたが、5:00からという時間にもかかわらず100人近い観衆が集まり、一丸となってザックジャパンを応援したのは、サッカーが広く親しまれていることを如実に示しています。
このエネルギーを浴びた上で、改めてスポーツの面から市民ゴルフ場問題を考えます。

昨日、予算特別委員会で資産の賃貸料とともに取得も可決されたゴルフ場問題ですが、3セク救済という論点を抜きにして、ゴルフ場の必要性について一番的を射た質問をしたのは佐藤哲市議だったと思います。
佐藤市議は、今期から65歳以上が無料となったことにふれ、利用者中の割合を問うたところ、4・5月の利用者2800人のうち約3割が該当するとの答弁を受け、65歳以上でもゴルフを楽しめるのはごく一部でゆとりのある人たちばかりだ、それをもってゴルフ場が必要だというのはおかしい、と切り返しました。
それに対して、市からは65歳以上の利用者のうち半数はゴルフ以外にスポーツをしていないというアンケート結果をもとに、ゴルフで健康を保っている人たちの存在を理由づけに使っていましたが、考えてみれば昨年までの有料だった頃には利用者数が1/3だったことからもわかるとおり、この方々は安くなったから市民ゴルフ場も使ったのであって、そうでなければ普通のコースを回っていたわけです。
これをもって市民が必要としているというのには無理があると思いますし、そもそも預り金=会員権30万円を出資した人たちが700人前後いるわけですが、ご自身がゴルフを楽しんだりゴルフに対して期待するものがあるのであれば、自ら先頭に立ってゴルフ場存続の署名なり募金なりをはじめるべきだと思うのですが、そんな動きはつゆほども見えません。

一方、葛西市長はゴルフ場をもっと青少年にも使ってもらえるようにしたい旨の発言をしていますが、ゴルフをはじめるのにかかる費用を考えれば、おいそれとカネを注ぎこむ親がいるとも思えませんし、それならオリンピック選手を輩出してきたスキーに使ってほしいというのが相馬中スキー部OBの切なる願いですし、それが赤字の百沢スキー場を救う手だてにもなります。
ゴルフかスキーかはさておき、ここで考えなければならないのは、厳しい財政状況の中ではスポーツにおいてもあれもこれもは通用しない時代であり、市として選択と集中で強化普及を図るスポーツは絞っていくべきだということです。
それからすれば、リベロ津軽やブランデュー弘前といったクラブやチームができたサッカーや聖愛高校の甲子園出場で盛り上がった野球、斎藤春香元全日本監督を職員として迎え入れているソフトボールといった競技がしやすい環境やさらに高いレベルをめざしていきたくなるようなトップアスリートの招へいなどに力を注ぐべきで、ゴルフ場が20年続いているからという理由で今後も必要というのはまさに役所の論理です。
先ほど署名の話を持ち出しましたが、仮に「はるか夢球場」を取り壊して新球場は作らないという話になれば、野球・ソフトボール関係者は率先して反対に立ち上がるでしょうし、多くの市民がそれを後押しすることでしょう。それだけの市民の合意が得られるものでなければ、続けるべきではないのです。

この思いが、ゴルフよりも野球を愛してやまないはずのウォーターフロント社の鳴海康安社長に届いてくれることを願っています。

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