先週末の大雪対策や気になる問題が続いた関係で論じるのが後回しになりましたが、明日開会となる定例会に上程される一般会計予算案は、7年連続の増額で総額817億円という史上最大規模です。
葛西市長の補助金や交付税算入などで有利な財源があれば積極的に活用するという方針に沿っての予算であることを、地元紙も見出しに「有利な財源活用」とつけているわけですが、改めてこの姿勢でよいのか考えてみたいと思います。
年頭の地方創生の件でも述べたように、国・県の補助金に頼る事業はもらったはいいけれどもワンサイクルで効果が続かないという、成果の面でも問題がありますが、それ以前に市の財政に影響はなくても国の懐を痛めるやり方だけに、国民として国の借金を増やす手法をよしとしていいのかという立場から考えるべきだと私は思います。
また、今回の予算では赤煉瓦の吉井倉庫を取得して文化交流施設に活用していくという目玉もあるようですが、民間が動いて成功している紫波町オガールとは正反対の方向ですし、何でもかんでも市がかかわっていくという方針では市が肥大化していく一方であるとともに、お役所的な堅さや舵取りの遅れを招くことも考えられるだけに、個別の案件でも検討すべき問題も見えています。
一方、予算が傍聴し続けているのとは反比例して、市の人口は減り続けていて、2/1現在で177,945人となっています。
それだけ、負担できる人数も受益することになる人数も少なくなっていることを考えれば、予算そのものも縮小させていくべきだと思いますが、石垣修理というやらなければならない事業はさておき、市役所増築や岩木庁舎改修といったハコモノ建設が多いというのでは、時代に逆行しているといわざるを得ません。
この人口減少は、新総合計画である「弘前市経営計画」の最大のテーマとされていますが、今年度は成果が上がらなかったというのが数字に出ているのですから、これを打開するために斬新な視点による事業に転換することこそ求められているはずですが、そういう目玉事業は見受けられないようですし、先日お知らせしたように笹森町子育て支援センターの廃止を代替できる事業は苦渋の選択ながらも打ち出されないなど、人口減少対策の最大の手だてであるはずの子育て施策では後退している感すらあるのが気がかりです。
順調に進んでいるように見える葛西市政ですが、見方を変えれば問題が散見されるだけに、明日からの定例会には市民の皆さんに関心を持っていただきたいと思います。
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