町会連合会主催の町会長・保健衛生委員合同研修会が昨日ヒロロであり、約150人の参加者の一人として出席してきました。
講師は、NPO全国自死遺族総合支援センター<グリーフ・サポート・リンク> の事務局長・南部節子さんで、ご自身も10年前にご主人を亡くされた自死遺族の一人です。
遺族は言えない/周りは聞けないことで気まずくなってしまうのを変えていくためにかつどうにかかわってきたのだそうで、ご自身も最初は自死であることを隠していたのだそうですが、子どもに怒られてこのままでは2度殺してしまうことになると思ったのがきっかけだったそうです。
南部さんが未遂で済んだ人から聞き取りした経験によると、自死した人は確固たる意思のもとに動いているのではなく、追い詰められて正常な判断ができなくなってもうろうとした中で突き動かされてしまっているのだそうで、気がついたら屋上にたっていたとかホームに引きこまれそうになっていたのを周りの人が引き留めてくれて我に返ったという人もあるのだそうで、心の心臓発作のようなものだとのことでした。
ご主人も10年間うつ病だったのを南部さんには隠していたのだそうで、単身赴任ということもありその悩みに寄りそうことができなかったことを悔いていましたが、正面から向き合うのがいいのか強く言うことで衝動を引き起こしてしまうリスクを考えるべきなのかは、非常に難しいところだと感じました。
それでも、遺族や関係者が発言行動していくことで正しい理解と防止につなげたいという思いで活動していて、まちづくりこそ自死を減らすというところに、町会連合会でお話を聴く意義があったのだと得心しました。
自死・自殺という問題は、全国でも発生率が上位にある青森県そして弘前市にとってはしっかり向き合わなければならない問題ですが、これまで真正面からの研修会というのはあるようでなかったことだけに、健康づくり推進課でよくぞ組みこんでくれたと思っています。
実は以前、NHK「クローズアップ現代」で津軽地方の農業経営者の自殺が多いことを取り上げた際に取材に協力したことがあるのですが、それだけの問題をはらんでいながら具体的な対策がなく、私自身も問題が問題でもあり、そして周りにある話だけに、どうしたものか思っていたことだけに、これが市としてのアクションの第一歩となってくれたら何よりです。
一方、南部さんのNPOが中心になって遺族同士が話し合う場を作っている「分かち合い」という取り組みはまだ弘前市にはないようですし、五所川原市では「ほほえみの会」というNPOが精力的に活動しているのからしても、民間での動きも遅れているのが実情ですので、この問題に詳しい人かかわりのある人たちが動きやすくなる支援ができればと思っています。
ぜひ皆さんにも、自死・自殺問題を一緒に考えていただきたいと思います。
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