2014年12月31日水曜日

市職員の給与は高い?

東洋経済オンラインで昨年度の地方公務員所得ランキングが公表されていましたので、目を皿にしてさがしてみたのですが、500位以内には弘前市はおろか県都・青森市も八戸市も見あたりませんでした。
同規模の市ばかりでなく、東北の町村でランクインしているところもありますし、わかりやすいところでいえば大館市も363位ですので、県民所得の低さに伴って公務員所得も抑えられているようですし、500位が605万円というのに対して、市が公表している平均給与は550万円ですので、全国の中では高いとはいえないのが現実です。
ただし、2012年度の県民所得は345万円とされていて市職員給与より200万円以上も低いですし、その中でも弘前市をはじめとする津軽地方が南部地方に比べて低いのは周知の事実ですので、市民所得と市職員給与ではやはり倍近い開きがあるのは変わっていないだけに、市職員の給与は高いとか一定額以上を地域通貨でと主張した前提は残念ながら崩れていません。

どういう比較をするかで高いとも高くないとも言える市職員給与ですが、ここで考えなくてはならないのは職員自身が現在の仕事に見合った給与だと納得できているかどうかということです。
庁内シンクタンク元プロ野球選手採用の際にふれたような県庁や外部人材の登用、マニフェストや経営計画以外のところからも次々とふってわいてくる新規事業、毎年のように繰り返されて理解しがたい機構改革などの状況からすると、職員の負担感の増大やモチベーションダウンは避けられない状況にもかかわらず、給与が下がり続けてきたことを考え合わせると、今年は久々にアップしたとはいえ気の毒に思えてきます。

ところで、一市民また町会長の立場でかかわってきた現場職員を知れば知るほど、それぞれ真面目すぎるほど自分の仕事を貫徹させようと勤勉に働いていると思っていますが、こういう市民からの評価が反映されないシステムであるのも、高い低いの判断の上では欠けている部分だと思います。
市長などの特別職には報酬審議会があって市民の声が反映される形を取っていますが、これは数年ごとにしか開催されないものですし、市民評価会議という形で曲がりなりにも市役所の仕事を評価するシステムがあるのですから、この評価が給与に連動するとなれば委員も真剣に評価にあたるでしょうし、市民にも関心を持ってもらうことにつながるでしょう。
すぐに評価と連動とはいかなくても、職員給与を通じて市の仕事ぶりに関心を持ってもらい、そのことで無益な高給批判を封じる手だてを打つことは必要なことだと思います。

さて、皆さんは市職員の給与は高いと思いますか、そうではないと思いますか?

雪対策格差を埋めるには

年末の大雪予報が外れてホッとしての大晦日を迎えたところですが、今年は12月としては史上最高の積雪70cmを記録するほどの雪続きだったものの、わが昴町会と隣の湯口町会は今年度から相馬地区直営除雪隊の管轄に変わり、26日には今年2度目の排雪作業が行われて、道路幅も十分確保されています。
融雪溝の問題は残っているものの、これだけの対応をしてもらえると今年の冬は何とか乗り切れそうだという気持ちになりますが、いざ市内に入ると道幅が狭くなってすり鉢状になっている箇所も多く、同じ冬期間の雇用者で作業しているにしても、自分たちの地域を守る意識で作業している除雪隊と仕事だからという感覚で請け負っている業者との違いを改めて感じてしまいます。

相馬や岩木の場合は、旧町村時代の除雪体制の遺産があり更新していけばいいというハードルの低さがあるだけに、私たちもそれを基準にした要望をしていますが、旧市内の大部分は業者による除雪と流雪溝という体制に長い間置かれていて満足度は低いものの改善の希望も持てないというのが現実だと思います。
これに対して、市ではアクションプラン2013の最重点施策エボリューション3の一つとして雪対策日本一を掲げていましたが、スマートシティなどのニュースになる事業はあっても現実の除雪作業での工夫は感じられないままになっています。
雪対策の場合は、どこかで画期的にすごいことができたことで、それが波及していくという一点突破の手法が通用する分野ではないので、現在は10cmとなっている出動基準を5cmにするとか排雪のサイクルを早めにするといったことを全域で展開していくような、全体のレベルを少しずつ上げていく、亀の歩みのような取り組みが必要です。
とりわけ、地域ごとに雪対策に格差があるのであれば、レベルの高い方に近づけるようにしていかなければなりませんし、豪雪の年には当初予算の倍近くまで補正予算が計上される場合もありますが、これは市民生活に必要な支出であり無用なイベントやハコモノとは意味が違うものですし、もう少し予算を増額してでも対策を打つべきだと思います。

こうして考えると、雪対策は市民生活の最重要課題であるとともに、予算配分や費用対効果を考える上でも一番のテーマだと改めて思いますし、皆さんの声を受けて取り組んでいきたいと思っています。

2014年12月28日日曜日

子ども議会で次世代は育つのか

雪下ろしに年賀状作成で家から離れない生活が続いているだけに新聞記事頼みの更新となっていますが、今回は先日行われた子ども議会から考えたことをお知らせします。

記事によれば、小学校から12校26名と中学生38名の参加で意見交換や子ども憲章宣言などを行ったそうでして、このこと自体は意義があると思いますが、目的としていることで成果につながるのかが疑問です。
一つは子どもたちに市政や議会にふれてもらう機会をつくることで成人となってからの政治的な関心を持ってもらうことにつなげる意図があるのですが、小学校でいえば全校どころか1/3にもならない参加では子ども議会があったことすら伝わらないでしょうし、そもそも代表だけしか参加できないやり方では関心を呼ぶことにはつながらないと思います。
それ以前に、学校での児童会・生徒会活動で議論を尽くすことや選挙を体験することこそ議会制民主主義への関心を持つ最大のチャンスだと思うのですが、私が知っている限りでは小学校では選挙ではない形で児童会委員長を選びますし、中学校は小規模化の影響もあって数年連続で無投票で生徒会長が選ばれるという、自分たちで選ぶという体験ができない状況にあります。
中学校の例は大規模校では違うのかも知れませんが、小学校の件は何となく徒競走で全員一緒にゴールさせるといった競争を避ける風潮が影響しているのでは、教育的にも問題があると思っています。
私の場合も、小中学校での活動に加えて、高校時代に執行部と中央委員会というまさに自治体そのものといえる舞台で熱く議論を交わしたのが今の原点になっていると思うだけに、学校そのものでの経験について真剣に考えていかなくてはならないと思うのです。

もう一つは、こういう機会ではじめて学校の代表同士が接するのではなく、学期ごとに集合して生徒会・児童会や学校行事などでの情報交換をし、それを持ち帰って学校をよくする活動につなげていくのが、一番の体験となると思うのですが、4年経ってもそういう発展性が見えないのが残念です。
実際のところは、中学生ともなれば広域での交友関係が善悪は抜きにして成立しているのに、学校という本体そのものがつながりを持たないでいるのは、教育現場が時代に追いついていかないのを象徴しているように思いますので、より多い交流の場を持つべきだと思います。

ところで、皆さんの周りの小中学校の生徒会・児童会活動はどういう状況ですか?ぜひ、教えていただきたいと思います。

2014年12月27日土曜日

アクションプラン評価を評価する

25日の地元紙に、4年間のアクションプランを評価する市民評価会議の報告書が提出されたことが報じられていました。
マスメディアには報告書が渡されているようですが、市のサイトでは報告書どころか今年度の活動状況も更新されないままに御用納めとなってしまいましたので、内容を精査してとはいきませんが、この機会を逃しては注目も集めませんので、アクションプランについて評価しておきたいと思います。

記事によれば、報告書全体としてはアクションプランの達成状況を妥当と評価したのだそうですが、「7つの約束」ごとに総括的な点検だったようで、これではきちんとした評価とはいえません。
葛西市長1期目のマニフェスト100のプロジェクトを総合計画の実施計画に落としこんで約200の事業を実施してきたのがアクションプランなのですが、昨年度はこれらの事業ごとの自己評価による試算がされていないとのことで、この状態で唯々諾々と評価に応じただけでも評価に値しないことがわかっていないのは残念以外の何物でもありません。
私が県総合計画審議会委員だった際には、事業は9割達成にもかかわらず施策となると7割、政策となると5割しか達成できていないという結果になったように、事業は遂行されても政策実現につながらないのを一つずつ分析していく必要を感じながらフォローアップしていただけに、事業を確認せずに政策評価しているのでは弘大・村松委員長の学識を疑ってしまいます。
アクションプランと事務事業評価がかみ合っていないのは市議在職中にも聞き及んでいましたが、ついには自己評価すらキチンと行わなくなってしまっては、PDCAサイクルが回っていないと言わざるを得ませんし、そのこと自体を厳しく指摘すべきだけに、評価そのものが「妥当」でないと思います。

それ以上に、市の自己評価がうやむやになり、市民評価会議による第三者評価がアテにならないものであるのに、第二者という立場に置かれている市議会からは何の声も上がらないことが問題です。
市議会がPDCAサイクルにどのようにかかわるのかは重要なテーマなのですが、本会議や委員会の議論だけでは時間も内容も伴わない形ばかりのチェックで終わってしまうのに、この4年間まったく改善に向けての動きも見られず、ついにはこの報告書について全員協議会が開催されることもなく過ぎてしまうのでは、議会の存在意義すら認められていないようなものです。
このレベルから全事業を仕分け=評価するところまで引っ張り上げなくてはならないかと思うと気が遠くなりますが、議会が変わらなくても自分一人で切りこまなくてはならないと思っています。

この問題は、皆さんからは見えにくい理解しづらいことだとは思いますが、ぜひ関心を持っていただきたいと思います。

2014年12月25日木曜日

外からのプレゼントを受け取るには

今日は午前午後と1件ずつ、現在の取り組みを聴かせていただく機会を得ました。
お二人とも、市出身で一旦県外に出て仕事をし、そこで得た経験と知識を生かして地元に貢献する形を模索していまして、ビジネスにかかわることですから具体的には紹介できませんが、それぞれこんな取り組みが受け入れられたら弘前にとって多大なメリットをもたらすだけでなく、これまでの風土に風穴を開けることになるだけのインパクトがあると思いましたし、それに協力したいと強く思いました。
二日前にも元プロ野球選手採用にからめて外部人材の登用について私見を述べたところですが、こういった方々にお会いすると市出身者という人材の宝庫にはまだまだ埋もれている方がたくさんいると痛感しますし、とりわけ県人会やふるさと応援隊に参加していない人、在東京チームではコンタクトを取れていない人まで視野に入れた人材発掘に取り組む必要があると思います。
そして、そういった方々の力を借りて市政発展につなげる形が望ましいわけですが、さまざまな分野に人材がいるだけに、市として取り組むべき喫緊の課題を年度で上限を決めた上でプロジェクトとして立ち上げ、そこにアドバイザーというような形でかかわってもらうのが、妥当なやり方だと思います。
これを、新規プロジェクトが立ち上がるたびに外部人材を採用していたのではキリがありませんし、そのプロジェクトが終了すれば御役御免となるのかそのまま別の仕事をしてもらうのかという悩ましい問題を避けるためにも、職員としての採用は極力控えるべきだと改めて主張したいと思います。

それにしても、お二人と会談して痛感したのは、自分自身が内向きになってしまっていることでした。
分野が違うこともあり、一方は昔のよかったところが失われてしまったことに愕然としたと話し、もう一人は弘前津軽には魅力や仕事のタネがあふれていると教えてくださいましたが、そのどちらもわかるようでピンとこず、それに対してどうすればよいかという具体のアイデアも思い浮かばず、それだけ今の状況に安住してしまっていると気づかされたのが、今日一番の収穫でした。
考えてみれば、議員や施設経営者として全国を飛び回っていた頃と比べて、この4年間は津軽と被災地以外に出かけることも少なく、それだけ新しいものにふれて気づくチャンスがなかったわけですが、議員たる者市政に新風を吹きこむのも役割なだけに、外と接して学ぶ大切さを改めて感じました。

こうした外からの力を借りる生かすことが、市にとっては大きなプレゼントとなるだけに、これからも大事にしていきたいと思います。

2014年12月24日水曜日

市民後見人研修から仕分けを考える

今日の朝刊に、今年度の市民後見人養成研修が修了し24名の方が新たに候補者となったことが報じられていました。
同じ研修を2年前に受けただけに、3ヶ月にわたって毎週月曜日丸一日かけて受講を続けた皆さんのご苦労に敬意を表したいと思いますが、実際には次々と任じられるものではないだけに、この養成研修を通じて同様の事業のあり方まで考えてみたいと思います。

市民後見人研修がはじまった翌年に、実際に市民後見人となる人たちのサポートのために市民後見支援センターが設置されて、「あおい森ネット」が受託する形となり、現在はサポートばかりでなく養成研修や終了者のためのフォローアップ研修なども行っています。
これらの研修は無料で受講できるのですが、同じ福祉分野の認知症サポーター養成研修のようにより多くの人に知識を得てもらう目的ではなく、修了することによって市民後見人という報酬を得られる立場になるのですから、一定の人数が確保できた段階や年限を区切って有料での受講とするべきですし、最低年1回のフォローアップを受講しない場合は候補者から外して案内送付をやめるといった取り扱いを進めるべきだと思います。
こればかりでなく、研修そのものは有益な内容だとしても、市として必要な人数はどれくらいなのかを見極めて事業年限を区切るべきものは少なくないと思いますし、たとえば防災士資格も取得できるようになる防災マイスター研修も毎週土曜日の研修では受講できない人のために開催方法を検討することも考えなくてはならないと思います。
また、こういった研修は受託先が限られているのは事実ですが、年限を区切らず継続していくのでは、市民後見人をサポートするのがメインではなく研修を実施するために支援センターが存立するという本末転倒なあり方になりかねませんので、こういった視点で事業を仕分けする必要と意義があると思います。
言うまでもなく、市民後見人のサポートや養成研修ではビジネスとして成り立つものではなく、これをスタートアップさせるためには行政の力が必要ですが、いいことであれば何でもいつまでも予算をつけるという時代ではなくなっていますし、先日北川正恭先生がおっしゃっていたように利益を分配するのから不利益を分配するのがこれからの行政の仕事だとすれば、そのために悪者と思われても仕分けをするのが議会の仕事であるべきだと思っています。

配分は少なくなっても少しでも多くの市民に分配できるようにするのが行政からのプレゼントなのだと、クリスマスイブにあたって考えたところです。

2014年12月23日火曜日

今関勝を知っていますか

先日の一般質問で明らかにされたばかりでしたが、1月から採用となる元プロ野球選手とは、日本ハムファイタースなどで活躍した今関勝投手でした。
少しばかりは詳しい私もピンとこなかったので、リンク先のWikipediaで調べてみても引っかかるものがないのは残念でしたが、最近では楽天のベースボールスクールのヘッドコーチだったそうですので、ねらいとしては楽天と関係ある人物を招へいすることで公式戦誘致の足がかりとすることが第一、ジュニア世代への指導経験もあるということでの招へいだろうと思います。
この採用の成否は未知数ですが、来ると決まった以上はがんばっていただきたいと思います。

それにしても、外部人材の登用がこれで6人と次々と続いており、葛西市長初当選時からの県庁派遣職員も外部と考えると、さらに多くの人材がさまざまな分野で働く形になってきました。
私も市政を変えるマニフェストで外部人材の登用を提言していましたので、基本的には好意的に受けとめていますが、「プロジェクトチームに民間メンバーを登用する」というのは職員として採用するのではなく外部から参画してもらうという意味合いでしたし、医師会から特別職というのは広域医療の中核としてまとめていくためには医師会との緊密な連携が必要だからという判断からでしたので、今の状況の方がよっぽど思い切った体制だと思います。
ただ、分野は増えてきても本当に外部人材を職員として配置するのが必要なのかどうかはもっとしっかり見守るべきだと思いますし、アクションプラン2013で掲げた雪対策・健康・子育てといった重点分野にこそ登用すべきだと思うのですが、一番大事なところには入っていないだけにチグハグな感じがしないでもありません。
もう一つ考えなくてはならないのは、重点施策ということになると外部人材や桜守制服プロジェクトのように外部委託というのが続くと、生え抜きの職員からすれば仕事は増えても自分たちの出番が生まれないという徒労感に襲われないかという懸念をしたくなるような状況ですし、それでなくても時間外労働が多いことが質疑で明らかにされているだけに士気という土台が崩れていくのではないかと心配になります。

今関さんの採用に伴う人事異動もあるでしょうし、皆さんにも組織機構の変更や異動にも関心を持っていただきたいと思います。

2014年12月22日月曜日

基本条例素案を読んで、パブコメしよう!

市議会で検討が続けられてきた議会基本条例の素案がまとまり、本日からパブリックコメントの募集がはじまりました。急ごしらえの感は否めませんが、ここまでの尽力には敬意を表したいと思います。
皆さんにも実際に読んでいただいて、できれば意見をパブリックコメントとして出していただきたいと思いますが、私が読んだところで気になった点をいくつかお知らせしておきたいと思います。

まず、よい方では市長など行政側からの反問権を認めているのが目に止まりました。これは、基本条例では当然盛られているように思われていますが、実際にはないというところもありますし、弘前市議会の体質では除かれるのではないかと思っていただけに、ホッとしたところです。
それから、本会議以外の常任委員会・特別委員会そしてこれまで公開されなかった全員協議会まで原則公開と定めたこと、また広報委員会を設置することを盛りこんだことは、議会の情報公開・発信において保障される形となりますので、これも評価できる点です。
公開という点では、議案ごとの賛否を公開することが書きこまれていまして、誰がどういう姿勢であったのかも簡単に知ることができるだけでなく、議員もそれだけ真剣に考えて臨まなければなりませんし説明責任も大きくなりますので、以上の3点は当然のことながら必要な規定が盛られたということができます。

一方で、これがなくて残念というよりおかしいのではないかというのも、いくつかあります。
まず、市民向けの取り組みとして意見交換会はあっても報告会がないことです。先日、事例報告を拝聴させていただいた岩手県久慈市議会では報告会ではなく「かだって会議」というワークショップ形式での意見交換会を行っているように時代は進んできていますが、そこまで大胆な取り組みならまだしも、各種団体と向かい合って型どおりの流れなのであれば開催の意義もありませんし、多くの市民にまず議会の状況を知ってもらうために各町会単位にまで足を運ぶことを先行してみるべきだと、私は思っています。
もう一つ、議長について「議会の機能強化に向けての先導的な役割を果たす」としていますが、その役割をどのように果たすのか、どの順番で取り組んでいくのか明らかにした上で立候補することがセットになっていなければ単なる理念規定に終わってしまいます。
議長立候補のことだけでなく、全体としても具体的にはどういう形にするのか明示されていないことがたくさんあり、制定したはいいが絵に描いた餅に終わる懸念も多分に含まれた内容と思います。

ただ、議会改革のトップランナーである千葉県流山市議会をリードしてきた松野豊市議からは、「基本条例はこれより前に戻さないための防波堤で、どう活用していくかが大事」と聞いていますし、具体でないからこそ進化させる余地も残されていると思うこともできます。
何より、それを自ら進めていく立場に戻ることが何より先決だと改めて思っているところです。

2014年12月21日日曜日

これが1%システム不採択事業でいいのか

昨日の午後、弘前学院大礼拝堂で音楽劇ロミオとジュリエットが行われましたので、2週連続の観劇となりました。
IMG_2973-2014-12-21-13-00.JPG主演がいしだ壱成という話題もあり、ほぼ満席の盛会で学生・教授と主催者である稔町会の方々でつくられた劇を温かく見守りました。

この上演にあたって、いしださんが市長にあいさつに出向いたり、当日も市長からメッセージが届くほど、市でもかかわりのあるイベントなのですが、実はこれが1%システムで不採択にされているのです。
私も企画の段階から話を聞いていましたし、昴町会の事業とちょうど同じ第3期の申請でしたので気になっていたのですが、何とわずか0.4点足りず、すでに上演に向けて動いていただけに協賛金を集めて実現させることになっただけに、この日を無事に迎えられたことだけでも大成功だと思います。
1%システムの見直しの提言で、もう一歩で不採択となった場合は委員会からの改善意見を組み入れるという条件つきでの採択とする、事業終了後に申請したものも対象とするといったことをあげておきましたが、このどちらでも適用できる内容だけに、返す返すも残念です。
それだけに、採択された事業の成果も大事ですが、採択されなかった事業がどうなったのか、採択されるべき事業が無縁で終わっていないかといった観点でのチェックを所管課や委員会で行うべきだと思います。

それにしても、いつものバラエティとは違って、いしだ壱成はりりしかったです。

2014年12月20日土曜日

冬に改めてねぷたを考える

今日は午後から夜まで市内での予定が重なっていますが、夕方に地元の相馬ねぷた愛好会の総会があるので一旦戻ってくるという目まぐるしい一日だけに、天気が上がってホッとしているところです。
つい先日、市とねぷた団体などとの間で「運行安全指針案」が話し合われたそうですので、冬に改めてねぷたのあり方について考えてみたいと思います。

指針案としては、運行時の点検の義務化・違反した場合にはペナルティを科す・参加者の運行時の飲酒禁止・参加団体全加入による組織設立・運航団体も主催者に加わるといった内容が示されたようですが、参加台数の制限や新規団体の加入資格についても検討することになりそうです。
参加している立場からしても、おおむね納得できる項目が並んでいますが、今年の事故や近年の過剰な参加台数などへの対応としては妥当であっても、弘前ねぷたまつりはどうあるべきかという長期的な視点が足りないように思います。
事故の教訓として、点検の義務化やペナルティというのは当然のことですが、原因となった昇降機のようなメカを必要とするねぷたの大型化という問題をどうするのかという論点は見えていないように感じます。
事故直後の論考で示したように、運行コースの看板・信号の問題もありますが、そもそもねぷたは合同運行以外に地元での運行も行うのが普通であり、市内一円で地中化など進められることではありませんから、地元でも運行できる大きさという制限があってしかるべきだと思いますし、現に一番の団体と言ってもよい茂森新町でそうしているのですから、この点は他の団体も見習うべきです。
市としても、看板・信号の撤去に支出するのと、事故防止への早急な対応とまつり全体の統一感を生み出すことで新生ねぷたまつりをPRするために昇降機なしへの更新に補助金を出すのとどちらがいいのか考えてみるべきだと思います。

地元運行の件は、ねぷた団体の参加資格にもかかわることで、元来は町会単位で運行していたのが近年では同好の仲間で参加する団体が増えていて、子どもの姿が見られない同年代ばかりの少人数なねぷたも目につきます。
こういう団体に、いきなり世代構成を是正しろというのは無理難題でしょうから、せめてねぷた小屋を構えている町会での地元運行を義務づけて、それを継続しているうちにその町会の子どもたちも参加してくるような経過措置を講じるといった団体のあり方の見直しも必要です。
正装でなければ運行に参加できないほどイベント化している青森ねぶた・五所川原立佞武多と違って、弘前ねぷたは見てもらうよりも運行することに意義があり、審査日でなければ服装もとがめだてしない自由があって、参加するまつりであることが一番の魅力であると、参加者として思っています。
無形民俗文化財という光栄ある縛りもありますが、地域としてまつりを継続し次世代に継承していくことが一番大事なことだと思いますので、そのためにも目先の対応だけでなく腰をすえた検討をこれからも続けていくべきです。

このあたりのことを、相馬のわげものはどう思っているか、今夜は飲み語ろうと思っています。(笑)

2014年12月19日金曜日

「学都」弘前というからには

昨日の地域おこし協力隊の件ですが、いただいた情報をもとにたどってみたら、弘大との連携調査研究委託モデル事業に行きあたりました。
2011年度から実施されている研究のうち、昨年度の平井太郎准教授による「外部人材を通じた地域再生アクション・リサーチ」というのがあり、自分も実行委員の一員としてかかわっていたろうそくまつりに来ていたのが平井先生で、それを含めた活動がモデル事業から65万円が支出されて実施され、その研究を事業化したのが今回の協力隊ということになるのだろうと思います。
ろうそくまつりが行われる沢田地区は、人文学部に在籍していた山下祐介先生が以前からフィールドワークに入っていて、先生が東京に移るにあたって地区の方々が見送ってくれるほどのつながりを持っていましたので、平井先生は後任としてかかわっているのだと思っていましたし、まつりの際に研究事業だということも伝わっていませんでしたので、こういう形で入っていたんだと今さらながらわかったわけです。

ところで、この連携研究は300万円の予算があてられ毎年4・5件採択されているようですが、大学側からすれば研究費のもらい口が一つ増えたということでいいのかもしれませんが、市からすればその研究が市政に反映される成果を生み出すものでなければなりませんが、議事録検索システムで検索しても出てこないとおり議会で質疑されることもなく、当然成果につながっているのかチェックを受けたこともありません。
毎年、調査研究発表会は行われていますが、それは成果を測るものではありませんし、学識経験者の最たるものである学者が中心になって進めているのであれば、より高い成果や波及効果のあるものでなければなりませんが、検証もなく市のルーティンワークのように流されてしまっているのは問題だと思います。
一方、学生活動では「いしてまい」のように全学対象としているのに、市には弘大の他に弘前学院大・東北女子大・弘前医療福祉大などもあるにもかかわらず連携協定が結ばれていないという不可思議な状況のままですし、これだけ連携できる高等教育機関があるにもかかわらず、わざわざ庁内シンクタンクを設置するのも合点がいかないところです。

また、連携というのが市から大学側への片務的な支出だけでいいはずはありませんし、まちづくりの面で大学側が大きな影響を与えたり、大学が役割を果たせるように市が環境づくりをするといった双務的なあり方でであるべきだと思います。
大学ではありませんが、土手町の衰退に聖愛・東奥義塾の移転が大きく影響しているのは間違いのないことですし、その土手町活性化のために官舎の土手町移転を遠藤前学長が打診しても聞く耳を持たなかった前市長という、連携に値しないいびつな関係では生み出せるものはないでしょうし、市と大学はどのようにかかわっていくのか、今一度考えなければならないと思います。

軍都はかつてのことですが、学都まで過去のものとならないようにすることが、弘前市には大事なことです。

2014年12月18日木曜日

地域おこし協力隊への疑問

広報ひろさきで1面トップでしたので、ご覧になった方も多いと思いますが、相馬地区地域おこし協力隊員を2名募集するのだそうです。
「そうです」というくらいで、支所を通じての町会連合会への情報提供もなく、主管課である農業政策課長は町会在住なのですが最近顔合わせの機会もなく教えてもらっていませんでしたので、お米ではありませんが青天の霹靂です。

記事によれば、都市地域に住んでいて相馬村地域に移住して活性化に積極的に活動できる50歳未満の人2名ということのようですが、先日の過疎計画意見交換会でも話題にも上らず、具体的にどんな活動をするのかわかりませんし、それに対して16.6万円の給料が支払われるというのですから、謎としかいいようがありません。
曲がりなりにも、相馬村は明治の村制発足以来100年以上にわたって一つの村として自立した村づくりをしてきましたし、そういう土台があるからこそ私などはコミュニティスクール導入で地域による学校運営まで夢想しているわけですが、今回の話はいかにも相馬には力がないから外からの応援を入れましょうと言われた感じで、考えれば考えるほど腹が立ってきます。

これが成功するためには、何より地域の理解が必要であるのに最初からボタンのかけ違えをしているだけに限りなく失敗の気配しかしないのですが、もう一つお知らせしておきたいのは震災支援以来のご縁のある岩手県野田村では臨時職員を震災後の定住交流促進事業を担当する「のだ村魅力発信隊」として雇用しています。
私も何度か一緒させていただいたことがあり、活動もBlogで発信するなど元気に活動してきたのですが、がんばればがんばるほど自分たちの思いと行政で取り組むべき範囲とのズレが生じて、来年4月から村内の民泊の方々と連携して宿泊や観光を通じた交流を推進するNPOを設立することにしたそうで、少しずつ準備に取りかかっているところです。
入口としては、魅力発信隊と地域おこし協力隊は同じ形ですが、野田村の場合は震災によって関西からの学生ボランティアが宿泊する形でかかわっていたり、昨年の「あまちゃん」ブームを一過性のもので終わらせないために取り組むべきことがあり、その活動から次のステップをめざすことになったわけですが、それにひきかえ相馬村では今すぐ何かをしなければならない課題も見えず、それを他力本願で進める前に地元でがんばるべきだと思うだけに、こういうことでも野田村から学ぶべきことがあると思います。

それでも、相馬村のためにがんばりたいという縁者が都市部に住んでいましたら、ぜひとも応募するようお知らせしてください。(こんな伝言のために、広報を使うというのも前代未聞ですが。)

2014年12月17日水曜日

コミュニティスクール、夢のまた夢

今定例会の一般質問でもう一つ気になっていたのは、コミュニティスクールのことでした。
佐藤哲市議が、2年前にはコミュニティスクール実現に向けて進めていくと答弁していたが一向に進展が見られないのを教育長はどう思っているのかと問いただしたところ、佐々木教育長は全中学校区で健全育成協議会を設立して地域とのかかわりを深めるようにしていると歯切れの悪い答弁に終わりました。
佐々木教育長は、教職在任中に二中・裾野中で小中と地域合同の協議会を立ち上げたばかりでなく、一中では市内唯一の地域支援本部でモデル指定を受けるだけの実績をお持ちだっただけに納得がいかなかったのですが、相馬中学区での健全育成協議会発足会を控えていましたので、これまで論評を控えていました。
昨夜、その発足会が開催されましたので、その様子と合わせて報告したいと思います。

健全育成協議会は総勢77名、半分が小中のPTA役員で地域からは町会長・民生児童委員・交通安全委員会・子ども会育成会・保護司などが名前を連ねていて、当日は約半数が出席しました。
事務局である中学校教頭から設立の趣旨が説明され、各団体からの自己紹介や情報交換が行われたのですが、交通安全や少年犯罪のことなどが話題となり、学校が地域のために何ができるのかという方向ばかりで、地域が学校のために何ができるか、さらには地域が中心となって学校を中核とした地域づくりに取り組むといった形にはなりませんでした。
今後、総会や年2回の定例会、ラベンダー植栽といった活動をしていくことになりますが、PTA会長からはもちろん校長会を通じて協議会の意義を理解しているはずの校長からも、これが小中教育改革の入り口でその先にコミュニティスクールがあるということなど、全くふれられずに終わりました。
唯一、中央公民館相馬館の神館長が、小中教育改革に取り組んでいる教育委員会学校改革室のオブザーバー参加を提言してくれましたが、小中再編ばかりでなくコミュニティスクール導入の鍵を握っている担当者がかかわって説明からはじめてもらわないと一歩も進まないでしょうから、蜘蛛の糸一本つながった思いで帰宅しました。

今回感じたのは、仮に教育長に意欲があったとしても現場の校長が意向を軽んじれば改革は止まってしまいますし、PTAや地域の人たちにコミュニティスクールの意義を理解してもらわなければならないだけに、形にするには気が遠くなる時間と働きかけが必要だということです。
佐藤さん以外にもこの問題を取り上げた市議はいるのですが、こうしてみると議会や行政内部では課題と思っていても市民にはさっぱり伝わってもなく理解などされていない問題は山ほどあることを、改めて痛感しました。
地元の件はPTA役員として校長に問いただしたり方向を変える流れに持っていく働きかけをするしかありませんが、市民の皆さんにコミュニティスクールの意義を理解してもらうには政治家として場を作っていく必要があると思っています。

ところで、皆さんはコミュニティスクールって、知っていますか?そして、必要だと思いますか?

2014年12月16日火曜日

質問する意味を考える

今日は予算特別委員会でしたので、傍聴してきました。
3月は当初予算、9月は決算審議で質問時間の制約を受けますが、6月・12月は補正予算の審議ということで通告の必要もなく、ここで質問するかどうかに力量と意欲が問われると思って、在職中は必ず質問するようにしていました。
今回は、10・11月に専決処分されたもの2件、今定例会に上程されたもの2件合計4件について審議したのですが、質問の質について考えるところがありましたので、お知らせしておきます。

午前中は職員給与の改定、吉野緑地の活用、降ひょう被害への利子補給、総選挙への支出などがかかり、午後に回って米価下落対策と運動公園整備が出てきました。
これに対して「審議不要」「異議なし」の不規則発言が飛び出す中、石田市議が運動公園整備について概要と財源の問題さらに中期財政計画よりも市債が増えていることへの不安をただし、概要としては防災拠点として照明の整備に要するものだそうで、市債を充ててはいるが地方交付税で戻し算入があるので実質公債費率には影響しないという答弁でした。
要するに、市で借金した分は国から交付税という形で肩代わりしてもらえるので市としての支出がないということで、中期的にも市債は100億円を超えるほど増える形になっているが実際には問題にはならないのだそうです。
このレベルの議論は一般質問で行うものとされがちですが、通告が済んでから後追いで提出される補正予算ですから、きちんと質問をし同時に財政問題にも切りこむという石田市議の姿勢は大事なことだと思います。

ここで終わるかと思いましたら、次にベテラン柳田市議が米価下落対策4つのうち1歳6ヶ月児お米支給事業と地元産米パッケージデザイン事業の二つに食いつきました。
お米支給事業は、15万円の予算で1歳半健診にきた赤ちゃんにいち早く地元産米に親しんでもらうために健診後に1kgのお米を渡すというものだそうで、これに対し柳田さんは何キロ支給するのか、保健センター以外では支給しないのかと微に入り細に入ったところまで再々質問を続けていましたが、概要をここまでほじくり返さなくてもという思いと、議場で質問しなければ記録にも残らないことを考えると必要なことだという思いが入りまじった感じで傍聴席を後にしました。
3月・9月にはこんな質問をしているわけにはいきませんが、私が考えている全事業仕分けにしてもやりとりのすべてを公開できるものではないだけに、可能な時には議場で俎上にあげることを臆面もなくやらなければならないのが議員の務めと思い直しているところです。

それにしても、一般質問には何人も足を運んでくれますが、予算特別委員会はほとんどの場合私一人だけが傍聴で、もったいない限りです。

2014年12月15日月曜日

除雪通知とメルマガの連動を

12月としては想定外の雪続きの日々ですが、開票速報を3:00まで見ている間には除雪開始通知メールが届かず、寝てから新型で静音な除雪車での作業だったせいか気づかずにましたら、案の定どっさりと置き雪があり、朝から一汗かくことになりました。
この除雪開始通知メールは、市が数年前からICTと雪対策を連動させる取り組みとして進めているのですが、実際に運用しているのが道路維持課のせいか今回のように通知忘れがあったりしますが、家の前の分は降ったら振ったなりの覚悟を決めて起きれば済むことですが、置き雪があるかないかで作業時間が大きく変わるだけに、しっかりしてほしいものだと思っています。

実際の運用ばかりでなく、どれだけの市民がこのシステムを利用しているのかも気になるところですが、一方で弘前市メールマガジンの方は目標数1,700という低い設定にもかかわらず、それすら達成できずにおり、昨年度は1,000に満たない登録だったと記憶しています。
毎週月曜日の定期配信ばかりでなく、緊急時には速報も送られてくるメルマガはもっと購読されるべきものだと思いますが、気になるのは通知メールとメルマガでは受託業者が違うせいからなのか、連動している様子が見られないことです。
メルマガ配信システムやショッピングサイトなどでは、一つの手続きをするとオフィシャルメルマガやおすすめなどを自動的に配信してくる場合が往々にしてありますが、通知メールに登録する人であれば当然市内在住で市のICTシステムを利用しているわけですから、この人に自動的にメルマガを送る形になっても迷惑にはならないでしょうし、そこまで押しつけがましいのが気になるのであればメルマガ登録先のURLを登録完了メールの末尾に乗せるくらいのことでもすべきだと思います。
逆にメルマガに党路する際にはメールアドレスだけの送信で登録が進んでいきますが、こちらでも同様の案内を挿入して除雪通知などのシステムがあることをお知らせするというギブアンドテイクな取り組みをすべきですし、それぞれ思いがけないほどの費用をかかっているシステムなのですから、それに見合った発信となる工夫が必要なのはいうまでもありません。

ところで、皆さんは除雪開始通知メールやメールマガジン、受信していますか?

2014年12月14日日曜日

総選挙の低投票率からの提言

安倍総理による奇襲の師走総選挙はまんまと功を奏し、自公圧勝となりました。
この結果についていいたいことは山ほどありますが、総選挙と市政の関連でいえば、またしても投票率が下がって弘前市では43.39%と全国平均を10%近くも下回る結果だったことが気がかりです。

因縁の対決が続く八戸市では48%、野党共闘で惜敗率で次点も復活当選となった青森市では42%と比べると、自民候補安泰と見られていた中で青森市を上回ったのだけが救いですが、4月の市長選挙に続いて半分以上の人が投票に行かないというのは、折からの大雪という悪条件があったにしても憂慮すべき事態だと思います。
先日もふれた「弘前市を日本一投票率の高い街にする会」ののぼりがはためいているのは目にしましたが、これを見たから行こうと思う人が多いとは思えず、何といっても政権交代の可能性もなく4区では公開討論会も行われなかったことで有権者の関心を呼ばなかったのは大きいにしても、やはり啓発活動で投票率を上げるという発想や取り組みには限界があると思います。
それだけに、ヒロロや大学構内での期日前投票所開設で投票しやすい環境をつくるとともに選挙を身近に感じさせる工夫をすること、さらには投票日当日に時間を決めて福祉車両による巡回バスを運行することで高齢者・障がい者が楽に投票に行けるようにすることは、来春の統一地方選挙さらには県知事選挙を控えているのですから、ぜひ間に合うように準備すべきだと改めて提案したいと思います。

この福祉車両による巡回というのは、福祉施設や介護事業所と交渉して、デイ送迎などの通常業務に支障のない時間でエリアと乗降場所を決めて投票所まで送迎するもので、この出動に費用が発生するにしても投票率をアップさせることにつながるだけでも意義はありますし、このことで投票人数の少ない投票所を一定程度集約できれば立会人に支払う日当や設置の費用を圧縮することも可能です。
集約する際に、翌日の業務や授業に支障がないところをピックアップすれば土足で上がることやバリアフリーでの対応も行いやすくなりますし、近くてもついつい車で動いてしまう農村部であれば距離よりも駐車場を確保できる場所を選ぶといった考え方もあるでしょうし、一つ視点を変えれば行きやすい投票所を実現できると思うのです。

一般質問の答弁からは期待薄ですが、市民が声を上げることが一番の後押しになります。ぜひ、多くの方の賛同やよりすごいアイデアをいただきたいと思っています。

2014年12月13日土曜日

野球・ソフト、それともサッカー、それよりも

昨日の一般質問で、来年1月から元プロ野球選手を市職員として招へいし、小中学生の指導やはるか夢球場でのプロ野球1軍公式戦実現のアドバイザーとして働いてもらうことをもくろんでいることが明らかにされました。
すでに斎藤春香女子ソフトボール元日本代表監督を市職員に迎え、2020年東京五輪合宿候補地にも手を上げるなど、このところスポーツに力を入れているのはよくわかりますが、あれもこれもで成果を上げることができるのか心配になりますし、個人的には方向がずれている気がします。

野球ということであれば、はるか夢球場の改修というより大増築が必要になりますが、プロ野球公式戦といっても1軍2試合にイースタンリーグ数試合が限度ですし、高校野球も県大会レベルは準々決勝から青森市で試合となるだけに、宝の持ち腐れとなる可能性が高いのが実際のところです。
逆に、ソフトボールの北のメッカをつくるという改修をするのであれば、すでに実業団リーグの公式戦も行われていますし、武道館の合宿所の環境を整えれば、東京五輪で復活が期待されるソフトボールの合宿地として有力になると思われるだけに、球場の改修はターゲットを絞る必要があります。
一方、今季優勝して東北1部リーグへの昇格を決めたブランデュー弘前ががんばっているサッカーですが、こちらも夢のJリーグ参入を果たすにはチームの強化ばかりでなく、グラウンドやスタンドの基準を満たしたりサブグラウンドの整備といったハード面のハードルが高く、次の段階であるJFL昇格ともなれば真剣に対応を検討しなくてはなりません。
仮に、運動公園陸上競技場をメイングラウンドとするとなると、現在陸上で全国規模の大会を開催できる改修を進めているところですが、さらなる増築が必要となるでしょうし、陸上のサブトラックがないことも解決しなければなりませんし、サッカーと陸上で拡張が必要となれば現在の運動公園のエリアで収められるのかという、もっと大きな問題に直面することになりそうです。

野球・ソフト/サッカー・陸上は、これからどのように伸ばしていってそのためにどういう支出をするのかというところでの取捨選択になりますが、今あるものを生かさないままでいいのかという置き去りにされているスポーツもあります。それは、スキーです。
市で百沢スキー場という大会コースを有しロマントピアスキー場からは5人の五輪選手を輩出しているだけでなく、岩木町出身の五輪選手が市職員として在籍しているのに、これを有効活用してスキー人口のV字回復でスキー場の経営難を脱却しようとか、きちんと取り組めば五輪への道が近く雪国のアドバンテージを生かそうとかいう話が一向に出ないのは、関係者としてはなはだ不満です。

いずれにしても、これらすべてを充実させていくだけの体力はないのですから、市民の声を聞きながら、どこに力を入れていくのが弘前市のスポーツにとって成果につながるのか、また市の名を高らしめることにつながるのか、考えなくてはなりません。
この件は、ぜひ皆さんの考えも教えていただきたいと思います。

2014年12月12日金曜日

ロマントピアの危機は逆転の発想で

今回の一般質問で一番大きく報道されたのは、旧第八師団長官舎スタバ問題ではなく、相馬地区の観光の拠点・ロマントピアの経営危機でした。
これがちょうど初日に質問が重なったこと、市民ゴルフ場に続く第三セクターの経営危機問題ということで注目が集まるのも無理はないのですが、これにも我が昴町会の「プレアデスのまち」構想と同じく相馬村時代の粗粗な計画が今になって影響を及ぼしていると思います。

星と森のロマントピアは、1970年代の桜井スキー場からはじまり、村制100周年に竹下内閣のふるさと創生事業を活用して天文台を建設し、その周辺に満天ハウスと名づけたコテージ、森林科学館にはジュピターと命名し、そして1995年に農村研修施設補助金を活用して中核となる白鳥座を建設して整備が完了しましたので、もう20年になります。
私が高校生だった頃は周りから「相馬村ってどこ?」と言われて悔しい思いをしていたのから、津軽一円ではロマントピアに行ったことがない人の方が少ないくらい利用してもらったことによって村としての知名度も上がり、これに飛馬ブランドで他よりもおいしく高いりんごを生産販売しているという自信とが相まって、合併直前のアンケートで一番反対だったのが20代だったように、いい村だというプライドを持たせる原動力になった、非常に大事な施設です。
ただ、回廊式で中庭がポッカリと空いた設計は動線が悪くランニングコストがかかり、周りにとってつけたようなスカイサイクルやゴーカートは稼働率が低く、さらには温泉が湧いたことの方が僥倖だったのですが案の定トラブル続きで修理の連続という、カネのかかる体質は村時代からのことでしたが、さすがに年数がたって魅力が薄れ、ここ数年は完全に守りの経営だったのに原油高の追い討ちでは、一般財団法人として存続させていくのが難しくなるのは仕方のないことだと思います。

これを打開してもらわないと困りますが、以前から話題に上っている「いわき壮」などを経営している岩木公社と統合するという案には、私は反対です。
それは、現在ロマントピアスキー場も振興公社で指定管理していますが、直営で村民中心の臨時職員で運営していた時代よりも対応が悪いという評判が多く、何といっても百沢スキー場の赤字解消につながる対策をまったく打ち出せずに経過していることからすれば、岩木・相馬の観光施設がそろって討ち死にという予測になってもおかしくありません。
これらの施設を一体で管理運営し岩木・相馬の観光を盛り上げる必要もメリットもあると思いますが、それであれば思いきって民間に指定管理を委ねるとか、岩木山観光協会や商工会を中心に新会社を設立するといった新たなスタートを切る道を、この際検討すべきだと思います。

この問題は、簡単に結論が出ることではないと思いますので、皆さんにも関心を持っていただきたいと思います。

2014年12月11日木曜日

胃がんリスク健診というリスク

昨日の一般質問で佐藤市議が胃がんリスク健診を取り上げていたので思い出して、インフルエンザ予防接種ともども受けてきました。
ちょうど高校同期のところでも健診できましたので概要を説明してもらったところ、これはバリウムを飲むことなく採血で胃がんの原因の一つであるピロリ菌の有無を調べるもので、厳密に言うとこの方法で確実に胃がんリスクを減じることができるという論文があるわけでなく、エビデンス=根拠があるものというよりも市が事業に取り組むことでエビデンスを生み出せるのかの実験をしていると思った方がいいということでした、

この事業は、佐藤市議によれば3月定例会で外崎市議が取り上げ5月臨時会の肉付け予算で補正されたのだそうですが、40・45・50・55歳の年齢層だけでほぼ1,600万円の支出が行われるわけです。
以前問題となった子宮頸がんワクチンのように、この健診で健康被害があるわけではありませんので問題が少ないのかも知れませんが、市民の死亡原因として胃がんの率が高いからといった取り組むべき理由があるのかどうかの議論や説明があったのかどうか、また実際に行ってみたところでの検診率がどうであるのか、さらにこの事業によって胃がんの発現を未然に防ぐことにつながるのかどうかといった今後の検証が必要だと思います。
健康にかかわる分野ですし、健康日本一を標榜した弘前市だけに積極的に打って出ることに異論をはさむのははばかられるところかも知れませんが、本当に健康日本一につながる最優先事項なのか、これより有効な事業はないのか、また結果が出た時には受診率や発見率で効果を測定する厳しい見方を、重要な分野であるからこそしっかり持つべきだと思います。
これに限らず、市議や市民からの声を受けて新規事業に取り組んだり改善を工夫するのは大事なことですが、提言のすべてを実現できるはずもなく、現在の財政を考えれば何か一つ事業が増えれば今までの事業が一つ減るという状況にありますので、新規事業については二つの事業分の重みがあると思えば、それだけ実施後のチェック=仕分けが必要です。

何はともあれ、この健診が財政的なリスクとならないこと、さらには我が身に胃がんのリスクがないという結果が届くことを願っています。

2014年12月10日水曜日

投票所問題が今日の主題でした

昨日は町会の庶務を済ませるつもりで最初から傍聴の予定を外していたので、今日からの質問者と通告内容を確かめてみると、何と伏見・今泉 昌一両市議が投票所のことを通告していて昨日の提言がかぶってしまっていたのを知って、何ともいえない気持ちで足を運びました。

伏見市議は、ヒロロに期日前投票所を来春の統一地方選から実施すべきだという主張で、青森市ではアウガ、八戸市ではラピアで実施されていることや松山市で大学でも実施していることも引き合いに出しながらの質問でしたが、成田選管委員長からは委員会でもヒロロの件は検討しているが期日前投票所は当日の投票所にも使用するため従来の投票所とのかね合いがあり2016年の参議院議員選挙には実現させる方向で準備しているという生ぬるい回答にとどまりました。
また、大学への投票所設置については松山市に職員を派遣したのだそうでして、それだけの意欲があるなら来春からのヒロロも実現できてもおかしくないと思うのですが、このあたりがお役所仕事を感じさせてしまいます。
今泉市議からは、投票所のバリアフリーの問題と立会人の人選による行きづらさが出されて、これに対する答弁は97ヶ所の投票所のうち土足で入れるところは5ヶ所、車イスが使えるところには用意するなどしているが、学校などでは翌日の授業のことを考えるとマットを敷いたのを片づけるといった手間をかけられないこと、立会人については町会に女性の人選を多くしてほしいといった要請をしているということでした。

ヒロロでの期日前投票の件は、来春は従来の投票所を継続しながらヒロロでは期日前投票だけを行うか投票所を増やす形にすればクリアできる問題だと思いますし、それこそ無意味な明るい選挙推進協議会の活動予算を削れば済む話です。
投票所のバリアフリー問題に関しては、先日のコメントで投票所までの距離のことにふれたものもあったとおり、現在の生活からはそぐわないものになっているのは見直す必要があります。
以前、福祉施設に勤めていた際に地区の投票所が農協の倉庫だったことがあり車イスでも誘導しやすく助かった経験がありましたが、バリアフリーで投票できる箇所を増やした上で市内全域に福祉車両を巡回させて案内するくらいのことは支出が伴っても実施すべきだと思います。
その意味でも、啓発活動よりも具体的に投票しやすい環境を整えることに力を入れるべきなのは言うまでもありません。

それにしても、立会人になってくれとも人選してくれとも依頼がこないのは、私が政治にかかわる人間だからでしょうか?

2014年12月9日火曜日

ヒロロと大学で投票できるようにしよう

LM議連時代の仲間で静岡県富士宮市長に再度の挑戦をめざしている深澤竜介さんがいますが、彼のブログに期日前投票所のことが書かれていて、ハッとしました。

松本市では松本駅、松山市では愛媛大学・松山大学に三越・高島屋といったデパートにも設けられているのだそうですが、弘前市では市役所・総合学習センター・岩木庁舎・相馬庁舎の4ヶ所のみというのがずっと続いています。
これで投票率が高いのならば文句もないのですが、前回の参議院議員選挙では県下10市最低、4月の市長選でも38%という低い投票率に終わり、市長選からは若手経営者有志による「弘前を日本一投票率の高い街にする会」が発足して今回の総選挙でも活動しているのですが、ろくでもない政策だらけの自民党圧勝の予測報道やいきなりの冬将軍到来では、結果が期待できそうにもありません。
彼らの投票啓発には敬意を表したいと思いますが、呼びかけ以上に投票しやすいところで期日前投票を可能にするという具体的な改善があってこそ呼びかけも功を奏すると思いますので、市内であれば商業施設に行政スペースを組みこんでいるヒロロはもってこいの場所ですし、幼児連れのママさんたちにも気軽に投票してもらえるでしょう。
また、若い世代の投票率の低さが問題となっていることを考えれば、弘前大学・弘前学院大学などの大学に期日前投票所を置くのが何よりも効果があると思いますので、これは次の選挙すなわち来春の市議選で実現できるように検討していただきたいものだと思います。
本来であれば、行政職員が配置されている出張所や交流センター・公民館といった地域にある公共施設であれば期日前投票ができて当然だと思いますし、一定規模以上の福祉施設や病院では以前から不在者投票が施設内で行われているのですから、その施設に併設されているデイサービスの利用者が一緒に投票できるようにするといった手だても考えられます。
広報車で投票の呼びかけに回るヒマとカネがあるなら、こういう形の工夫を真剣にしてほしいと思います。

何はともあれ、いくら悪政でも勝てば官軍なのが政治の世界ですから、これからの日本、そして次世代の未来につながる選択を投票という形で示しましょう。

2014年12月8日月曜日

弘前縄文の会からのスタート

9/20に発足した「弘前縄文の会」に、ようやく参加することができました。
以前から大森勝山遺跡をはじめとする市内の縄文文化に関心を寄せてきた者として、会発足の翌日に記事を目にしたところで会長である今井二三夫さんと顔を合わせる機会があり、その場で入会を申し入れ、先月の見学ツアーには参加できなかったものの、今回の座学と忘年会はぜひともと思っていたのでした。
40名弱で設立した会は、すでに90名を超える会員となり、当日も60名以上の参加で和気あいあいとした熱気にあふれていまして、今井さんが講師を務めた縄文土器の基礎知識の座学で耳を傾け、その後の忘年会ではゲームや歓談に興じて楽しい交流の場となりました。

今井さんは、市職員として教育委員会をはじめとして各部局で活躍し、市立病院事務局長で退職した後は観光コンベンション協会専務理事として先日まで務めてこられた市を代表する行政マンの一人でしたが、大学時代の専攻が考古学だったそうで、公職を退いたところで一番思い入れのある縄文文化や文化財保護のための活動を次々と立ち上げています。
とりわけ、世界文化遺産登録をめざしている北海道・北東北の縄文文化遺跡群のうち、県内では青森市の三内丸山遺跡、国宝指定された土偶が出土した八戸市の是川遺跡が有名ですが、三内は遺跡応援隊がガイド活動に偏重してしまっていて、是川でも4年間で一度も勉強会を開催できていないことから、弘前縄文の会としては座学や体験実習、見学を通じて学んでいく会をめざしていきたいということでして、これは非常によい取り組みでさすが今井さんと感服しているところです。
参加者の多くは50代以上の女性の方で、「こういう勉強についていけるかしら」という不安の声も聞こえていましたが、それに対して「まずは参加して、活動を応援すればいいんだから」と励ます方もいて、こういった形で素人の市民が縄文文化に接する機会ができて、世界文化遺産登録に向けた盛り上がりをつくっていく原動力になるというのは、官民協働での活動になっていく土台となりますので望ましいことです。

再起の暁には、世界文化遺産登録そして縄文・砂沢文化の意義を学ぶ教育の実現に力を尽くしたいと思いますが、それはさておいても一会員として縄文の会の活動にかかわっていくつもりです。

2014年12月7日日曜日

道路と雪の専門部署をつくる

さすがに12月初めに融雪溝を稼働させ雪かきに追われる日々を過ごすことになるとは思ってもみませんでしたが、これは皆さんも同じ気持ちだろうと思います。

ところで、我が昴町会の雪対策環境は、融雪溝の水源見直しは先送りになりましたが、詳しい人から言わせれば工事時点での欠陥があって水漏れしている箇所があるのだそうで、これは「プレアデスのまち」全体の建設構想を具現化するにあたって村当局に知識と経験がなかったことが大きいと思います。
一方、道路維持課は担当係長が今年度から異動してきたばかりということで、水源見直しの件でも理解不足の展がありましたが、今後の対策を考えてもらうためにも今冬の状況を精査してもらいたいものだと思っていますが、その経験が生きてくるようになるとまた異動ということでは、経験値の集積が行われないだけでなく、道路維持課に回されるのは外れクジのような雰囲気がいつまでたっても解消しないのではないかと思います。
こうして考えてみると、旧相馬村のような小規模町村では新しい取り組みに対応するだけの能力に乏しく、弘前市の場合は組織が多き分経験を積んだところで異動となってしまうという課題があり、それが雪対策や道路整備で後手後手に回る要因となっているわけです。

これを解決するには、ゴミ処理における環境事務組合や消防事務組合のように、道路整備と雪対策に特化した事務組合を広域で設立することだと思います。
これまでも、相馬村や岩木町の除雪は行き届いているけれども市内はさんざんだといった市町村格差がありましたし、同じ市内でも県道は県が委託した業者で市道は別の業者というちぐはぐさもありましたが、これを広域連合レベルで事務組合を作って作業基準を統一化したり、県道市道の区別なく一エリア一業者ということにすれば作業のギャップはなくなります。
また、市町村の枠の中で人事異動で数年道路や雪対策の担当とされるより、自分は生涯この道で生きていくと決意してプロフェッショナルとなる体制の方が、専門力も向上するでしょうし、全体としての人員も少なくて済むはずです。

アクションプラン2013で雪対策日本一を掲げていましたが、これは弘前市だけよければいいという問題ではありませんので、この件でも津軽南地域をリードしていく方向で考えるべきだと思います。

2014年12月6日土曜日

ワンストップの相談体制をつくる

本日、評議員を務めている法人の精神障がいグループホームの見学会があり、足を運びました。
これまでは一軒屋を借りる形だったのが、住宅街の中に新築したこともあって、ご近所にあいさつ回りしてみると身近なところにサービスの拠点ができたことで思ってもみなかった相談も受けることもあるそうで、地域の中に出ていくことの大事さが改めてわかりました。
私にしても、福祉をバックボーンにしていることもあって、いろいろな形で相談を持ちかけられることがありますが、最近では直接お会いしたことがなくてもFacebookやTwitterといったSNS=ソーシャルネットワーキングサービスでのつながりでの相談もあり、これもネットという社会に出ていっているからこそ起きることだと受けとめています。

障がいの分野では、身体障がいは見てわかることが多いにしても、知的障がいと精神障がいの間には自閉症や学習障がいといったどちらに区分すべきか難しいものもありますし、先日学んだところでは児童虐待が原因となって障害の症状を発現させることもわかってきているそうで、こうなると児童福祉なのか障がい福祉なのかという境界にぶつかることになるだけに、そのことを家族や本人が認識していなかったり、どこに相談すればいいのかわからずにいる場合も考えられます。
さらに、障がいにかかわる手帳の取得や財産管理、成年後見制度などでも家族のサポートが必要であるにもかかわらず、逆に家族が権利を踏みにじる場合もあり、それだけに障がい者側に立って相談を受けるだけでなく動いてくれる相談窓口が必要です。
現在でも障がい分野ごとには相談センターがあるのですが、どうしても自分たちのフィールドだけでの守備範囲になってしまうだけに、それを打開して能動的に活動できる相談体制を市が立ち上げるのは時代のニーズにかなう取り組みになると思います。
当然、障がいだけでなく介護のことでも年金のことでも就労のことでも引きこもりのことでも相談を受けるワンストップの窓口であれば、市民も悩まずにまずはここに相談してみようという形になりますので、きっと助かる方も増えるはずです。

ニーズはあるけれどもビジネスとしては成り立たないことこそ、行政が取り組むべきものですが、これなら弘前市が体制を整備して、それが全国に広まる可能性を持っていると思います。

2014年12月4日木曜日

市民が取り組むファシリティ・マネジメント

師走朔日には雪の気配すらなかったのが、今日で3日連続の降雪で、我が昴町会としては史上最速で融雪溝を稼働させています。
ここでも何度か紹介したとおり、融雪溝の問題で市建設部・道路維持課との話し合いの席を持ってきましたが、これは分譲時のPPポイントだったからということだけでなく、歴代の町会長が中心となって融雪溝のコントロールに尽力してきただけに一家言持つ町会員が何人もいて、市が通告してきたからと唯々諾々と従うことにはならないのです。
道路維持館からすれば小うるさい町会で辟易していると思いますが、私も町会長という立場で雪対策にあたってみると各ブロックで水量が違ったり、豪雪となると下流にあたるエリアでまったく機能していない過酷な状況を目の当たりにしたり、朝の稼働時間では足りない大雪の日には稼働時間を延長したりと、毎日のように対応しなければならない事態に遭遇してきましたので、 課に苦情をぶつけるのではなく自ら対応してきたからこそ言えることだと自負しています。
聞くところによると、融流雪溝を町会メインで管理しているのはほとんどないのだそうですが、不具合があっても初期段階で解決できたり、必要な改修を早めに実施してもらうことで大きなトラブルを未然に防ぐ効果があったと思えるだけに、これこそ市民がファシリティ・マネジメントに取り組んでいる見本といえることだと思います。

このファシリティ・マネジメント=FMとは、「業務用不動産すべてを経営にとって最適な状態(コスト最小、効果最大)で保有し、運営し、維持するための総合的な管理手法」とされていて、自治体として青森県はいち早く取り組んでいて、2008年には第2回ファシリティ・マネジメント大賞を受賞していますが、受賞した取り組みの責任者が葛西市長だったのです。
こういう手法を取り入れ成功させたことで、北川正恭先生も三重県知事時代に葛西部長のことを知っていたのだそうですが、市の施設すべてを市職員や点検を委託されている業者だけで維持管理していくのは不可能なことだけに、指定管理されている施設は受託先が、そうなっていない設備などでも受託できる団体があるのであれば委託するなどして、我が町会の融雪溝のように市民の力を活用することを検討していくべきだと思います。
その受託先にFMの基本を研修してもらってレベルの平準化や向上を図ったり、受託先の取り組みでよかったものを広めていくといった試みをしていけば、市民にFMを知ってもらい理解してもらうことにもつながるはずです。
本来であれば、施設の指定管理と同様に委託料をもらってもおかしくないことですが、この取り組みで施設設備が長持ちしたり大きな故障や事故を未然に防ぐことができれば財政的にもプラスになりますので、費用対効果ということからも考えてみるべきテーマだと思います。

皆さんの周りで、市民や団体が維持管理すべきものはありませんか?

2014年12月2日火曜日

地方政治と総選挙は無縁です

今日から総選挙ということで、朝イチで市役所付近を通ったところ、第一声のマイクが遠く聞こえてきました。
以前は選対本部に入ってまではまっていたものでしたが、今は素浪人で声がかからないという現実もありますが、国政と地方政治は連動するものではないという思いが強くなったことでかかわらなくなりました。

今回の総選挙は、アベノミクスの評価という大義なき選挙と言われていますが、隠されている争点として原発再稼働、集団的自衛権、TPP締結といったより大きなテーマがあります。
自民党の候補者であれば、これらすべての政策推進という立場のはずですが、TPPには反対のはずの農政連=農業政治連盟から県内4候補が推薦を受けていまして、そこには党の公約では推進だけれども私個人は慎重もしくは反対なのだというエクスキューズを農政連もわかっていながら推薦するというペテンがまかり通っています。
それだけ全体の公約と地方地方の立場で食い違いがあるのが現実であり、国と県、県と弘前市では政策が違っているのに同じ党名を名乗っているという複雑怪奇な状況が、政治不信を生む要因にもなっていると思います。
先日、脱原発の問題を取り上げたように、地方政治の側で国の政策に向き合う必要がありますが、それぞれの政策に対して意思表示をし行動する「是々非々」の立場で臨むべきですし、こうしてみれば地方政治において首長と議会が二元代表であるのと同じように、政治全体でみれば国政と地方政治は別のものとして存立しなければならないと思うのです。

ところが、個人として選挙応援をするのにとどまらず、川崎市のように一般質問の時間を短縮してまで議会全体で総選挙モードに入るところまであるようで、議員としての公務を国政のために削るという本末転倒なことまで起きています。
これでは自ら国会議員の集票マシーンだと認めているようなもので、そういう地方議員を見れば住民の方々が自分たちの代表だとは思えなくてもおかしくありませんし、議員の側もそういう風に見えていることを自戒すべきだと思います。

それはともかく、大義がなくても地方政治とのズレがあっても、ベストはないにしてもベターと思う候補そして党に投票することが政治参加の第一歩ですので、ぜひとも投票してくださることをお願いします。

2014年12月1日月曜日

アパレルよりも生産すべきもの

全国を股にかけて活躍している津軽三味線奏者・渋谷和生さんですが、滋賀県大津市での大会から足を伸ばして長浜市にある三味線や沖縄三線などの弦を製造している丸三ハシモトを訪問見学しているのがFacebookでわかりました。
探究心と感謝の念を行動に移していて、さすが和生さんと思いましたが、気になったのは津軽三味線の弦がやはり津軽で生産されていないということでした。
やはり、と言ったのには訳がありまして、以前岩木地区でこぎん刺しに取り組んでいる「かちゃらずの会」の皆さんにも野田村支援に協力していただいたのですが、この津軽を代表する伝統工芸であるこぎん刺しの糸も県外で生産されたものを取り寄せていると聞いていたからです。

一方で、市内や津軽一円にはアパレル産業の縫製工場がいくつもあり、全国有数の生産量であることは意外と知られていない事実です。
そこで、この分野を成長産業と位置づけて伸ばしていくのが市の方針となっており、その起爆剤として桜守制服コンテストも企画されたのは、伊勢谷友介さんとのやりとりでもふれられていたのを秘していたのですが、先日の地方自治特別フォーラムで葛西市長も公言していましたので、改めて皆さんにもお知らせしておきます。
桜守制服やファッション甲子園によってアパレル産業やブティックなどが盛り上がるのはいいことですが、その原料となる上質な繊維や糸まで生産できれば、さらに実入りがよくなりますし、そこでこぎん刺しの糸や三味線の弦といった津軽のためになくてはならないものも生産するようになれば、まさに一石二鳥だと思うのです。
この件は、丸三ハシモトのような特化した生産工場が全国にどれだけあり、それを津軽で展開して収益的に成り立つのか綿密な調査検討が必要なことだけに、市として考えてみるべきことだともいますし、市議復帰の際には行政視察の最優先項目として見聞を広げて市政にフィードバックしたいと思っています。

そのこぎん刺しのすばらしさを知ってもらうには、ちょうど鳴海要陶房館で「かちゃらずの会」の作品展が行われています(7日まで、2日は休館日)ので、ご覧になりながらこういう問題もあるのを考えていただきたいと思います。