得票数での当選という奇抜な提言を目にして以来、相川俊英さんのBlogを注目していますが、今回は全国唯一の日当制を導入している福島県矢祭町のレポートでした。
それによれば、「合併しない宣言」で知られる矢祭町で議員日当制が導入されたのは2008年、議会に出席した日に限り日当3万円が支給され、年間では40~45日前後の日数=120~140万円程度の報酬で議員活動をするのは、財政支出削減を狙ったのではなく議員はボランティアであり報酬は生活給ではないという考えによるものだそうです。
これは、議員側からの発議というより宣言や住基ネット離脱で知られる根本前村長の意向に逆らえずに選択したのが真相とレポートでもふれられていますが、現在では答辞の賛成議員は2名残っているだけで10名の議員間では月額制に戻すかどうかで意見が真っ二つでも、次の選挙のことを考えると自分の身を肥やす主張はしづらい状況で、議論が進まないという現実のようです。
実は、2002年8月に相馬村の合併の参考にするために矢祭町を視察したことがありますが、自信満々の根本町長の陰で県境をまたいで生活圏をともにしている茨城県太子町との合併が望ましいという町民の声も聞きましたので、カリスマ町長の下ですべてが決まる町政の実情を垣間見ただけに納得の内容でした。
私も、村議時代は議会の拘束日数も少なく村の行事にも議員というより一村民として参加協力して状況も把握していましたので、日当制でも問題はなかったと思っていますが、市議となってからはさまざまな分野、いろいろな行事や会議への出席によって知っておくべきことが多い現実に直面し、さらには全事務事業の仕分けというしっかりしたチェック機能を果たすためには開会日以外に活動する時間量を考えても、市民活動にかかわる以外は議員としての立場に専念することが必要であり、それを保障する報酬や政務活動費は認められるべきだと思っています。
市民の方からも、議員はボランティアで十分だ、北欧などで実例もあるという意見も聞きますが、先にのべた活動や佐藤丈晴さんのように外出しての活動がない限りは控え室に「出勤」して市民の声を聴くといったことをするとすればボランティアでは済まないのが議員の仕事だと思いますし、北欧ではボランティア的な議員と専任して執務にあたる議員とに分かれているという知られていない事実もありますので、私としてはボランティアとしての議員には賛成できません。
矢祭町のレポートでも最後に議会力の向上が課題と指摘しているように、報酬削減を迫るよりも一定の報酬を支給するからにはこれだけの仕事をしてほしい、こういった成果を上げてほしいという市民からの基準設定や、それが実現できているかのチェックを継続的に行っていく活動があってこそ、給料泥棒の議員を絶滅できると思います。
皆さんは、議員に報酬に見合った仕事をしてもらうのと、ボランティア・名誉職でいいから報酬を削減するのと、どちらが市政そして市民のためになると思いますか?
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