県議選の振り返りとともに、紙上を統一地方選後半戦の市町村長・議員選挙を展望する記事がにぎわせていますが、何といっても驚いたのは藤田隆司議員の出馬見送りです。
旧弘前市時代から6期のベテランで、近年体調を崩したとは聞いてはいたものの、3月定例会でも独特の声高な口調で質問していただけに思ってもみませんでしたが、この機会に隆司さんから学んだことや議員としてのあり方を記しておきます。
隆司さんとは、当選直後は支持した議長候補も違うほど離れた立場でしたが、私が最初の会派から離脱せざるを得なくなって二人会派を結成したことで議会運営委員会に所属することになってからやりとりする回数が増え、視察研修で一緒に回った際に腹を割って語る機会もあり、任期最後の頃には親しく指導してもらうことも多くなりました。
一般質問では、市職員出身らしく幅広い分野での質問をたたみかけていたのを思い出しますが、今季は副議長ということで登壇の機会がない分を予算決算特別委員会での質問で大所高所からの質問をぶつける形で補うほど、問い質すことに全力をかけていた姿からは、学ぶものがたくさんありました。
何といっても思い出すのは、東日本大震災の翌日に私は市民向けに情報発信するために停電がいち早く復旧した市役所に朝から詰めていましたが、運転免許のない隆司さんは歩いて登庁し、近助の高齢者が情報がなくて不安がっているので確認に来たことを教えてくれましたが、それだけ市民のために動くからこそ5期連続でトップ当選を果たしてきたのだと得心したものです。
前回は町田藤一郎・工藤栄弥両氏が引退し、それが議場にピリピリとした緊張感を失わせることにつながっていると感じていましたが、今回は隆司さんがいなくなるとなると何かあった際には叱りつけるような存在が絶滅するようなもので、世代交代がもてはやされる中ではあっても、重鎮と呼ばれるベテランがしっかりいてこそバランスが保たれるのだと思っています。
何だかすっかり引退を惜しむような書きぶりになってしまいましたが、今回は出馬を見送っても一休みということですので、次の次の選挙を経て「お帰りなさい」と言える立場になれるよう、隆司さんの分までがんばらなければと思っています。
0 件のコメント:
コメントを投稿