2014年11月29日土曜日

北川先生と葛西市長の違い

青森中央学院大学地方自治特別フォーラムに参加しました。
佐藤淳専任講師のコーディネートで、早大マニフェスト研究所長である北川正恭元三重県知事による基調講演、地方議会の先進事例としてともに岩手県の久慈市議会・八重櫻議長と滝沢市議会・黒沢議長からの報告、最後に葛西憲之弘前市長と宮下宗一郎むつ市長によるパネルディスカッションと、盛りだくさんの内容と北川先生の講演時間オーバーと長めのコメントで休憩時間を削っても10分オーバーという、非常に濃い時間でした。
久慈市・滝沢市の両議長の報告からも学ぶところが多く、就任半年の宮下市長のやる気も感じましたが、北川先生がサラリと語ったことと葛西市長が進めている機構改革で大きな違いがあることに気になりましたので、今回はそのことを明らかにしておきたいと思います。

ところで現在、弘前市には肩書としては課長ながら部長級である方が二人いまして、それは政策推進課長と人材育成課長です。
お二人とも部長級にふさわしい力量を持っていますので、部長級に序すること自体は問題とは思いませんが、北川先生が三重県知事に就任してすぐに財政課と人事課を廃止して部長より下位であるはずの課長に絶大な権限があるのを崩し、予算配分にあたっては査定という密室ではなく部長級の会議でオープンに意見をぶつけ合って決めるようにしたという改革からは真逆のことだというのに気づいたからです。
つまり、北川県政では全体最適を進めるためになくした課に対して、葛西市政ではそれに該当する課にさらに強い権限を与えているわけです。
今回はふれませんでしたが、北川先生は従来であれば力量のある職員が配属される財政・人事課を廃止しただけでなく、そのような職員を議会事務局に回して自分の権限やリーダーシップに対抗しうる議会を形成する土台を作らせたことも有名な話で、それを契機に三重県議会は議会改革のトップランナーであり続けていますが、葛西市長は力量のある職員にさらに権限を与えるという形になっていて、それが議会とのバランスをさらに悪くすることにつながっていると思いました。

もう一つ、北川先生は元知事だけに当時のことは時効として間違っていたこともあけすけに語って、そこからどのように政治改革を進めてきたのか、なぜそれが必要だったかを示してくださいますが、今日の葛西市長は県庁時代の取り組みからはじめて自らの成功事例をまくし立てるのに終始し、まるで弘前市には問題がないかのような態度だったのには、さまざまな課題が見えてもそれらのことでは市民とは対話もしないのを直接知っているだけに、聞くほどに白けた思いになってしまいました。
近年、自らの誤りを認めず逃げたり他に転嫁したりする政治家ばかりだけに、本来は北川先生のような態度こそ政治家としてあるべき姿ですし、マニフェスト以外の問題での政治判断で間違いが目につく葛西市長はやはり政治家というよりスーパー行政マンと見るのが適当な気がします。
それだけに、議会改革度全国最下位から脱却するよう、追認するだけの議会から二元代表制のカウンターパートとして政策提言機関の役割を果たす議会に変わっていく必要がありますし、とりわけ市長・行政側の力を強めている弘前市ではなおさらのことだと改めて思いました。

帰り際に、北川先生にあいさつしたところ「がんばれよ」と声をかけていただきましたが、それは私が感じたことを見抜いての叱咤だと思って、葛西市長に対峙する立場に戻る決意を強くしました。