2014年11月2日日曜日

弘前市に市立高校を

昨年度は縁あって弘前中央高校全日制のPTA会長を務めさせていただきましたが、その中で感動を覚えたのは卒業式での定時制の生徒の答辞でした。
さまざまな事情があって定時制を選択し、そこでどのような体験をして立ち直ったのかをあふれる思いで語る姿は、順風満帆で高校卒業を迎えた全日制の生徒たちの心にも響くものでしただけに、今年度での閉課程は定時制だけでなく中央高校全体さらには津軽の高校教育のあり方にも大きな影響があると思います。
もう一つ、岩木高校が今年度から募集停止となるばかりか、弘前高校でも7クラスから6クラスに減じられるという唐突な決定が公表され、葛西市長も怒りをあらわにしたと報じられていました。
これらの流れを見ていますと、弘前市や津軽で求めている高校教育と県が考えているものとの間には大きな開きがあり、このままでは私立高校が4校あることを楯にして公立教育が壊滅させられてしまう気さえしてくるだけに、市が呼びかけて津軽としての高校教育を提言さらには実現させていく必要があると思います。

一つは、市立での定時制もしくは単位制高校を設立することです。
津軽には、単位制高校の尾上総合高校があり、これが三部制の定時制高校に再編されることになっていますが、以前見学させていただいてわかったのは、通常の進学ができなかった生徒たちの大事な受け皿であり、2008年という就職難の時期にあっても地元の商工会と連携してほぼ100%の就職を実現させていたほどの努力が無に帰してしまう懸念があることです。
さらに、尾上地区の田園地帯に位置しているだけに、夜間の定時制となると通学に非常な困難が生じてしまうことも指摘されており、この地元感覚のない再編は早晩間違っていたという結論になることでしょう。
それだけに、市としては定時制もしくは単位制で柔軟な受け入れのできる高校を、周辺市町村との協力で設立することを検討すべきだと思います。中央高校定時制の復活でもかまいませんし、富山県高岡市の駅前にある県立志貴野高校の存在を考えると、ヒロロを思いきって高校として活用するという手もあります。

もう一つは、市として中高一貫校を設立することです。
市内には弘大附属中に中高一貫教育の聖愛中もあるだけに位置づけが難しいところですが、来年3月の受験では120人分の普通科の枠がなくなり残った3校がすべて進学校という状況を考えると、受験ではない形の選抜で6年間で伸び伸びと勉強できるような位置づけの学校をつくることは、全体のバランスからも意味を持つと思います。
確かに財政難の状況に加えて少子化が進む中では時代に逆行する考えかも知れませんが、このくらいの提言を県にぶつけていかなければ危機感が伝わらないでしょうし、弘前実業は市立弘前商業、岩木高校は町立津軽高校だった歴史を振り返れば、県で足りないものは市で取り組む気概が必要だと思うのです。

現在、市では小中教育改革の意見交換会を地区ごとに開催していますが、この機会に高校教育も含めて皆さんにも考えていただきたいと思います。