2015年2月28日土曜日

市民の動きでも、間違っていたら反対します

今日の地元紙には、市民と市との間での三つの動きが報じられていました。美術作家連盟からの吉井倉庫を美術館として活用する要望、プロ野球公式戦実現のための官民による実行委員会発足、そして介護保険料引き下げなどを求める「弘前市の介護を制度を良くする会」発足でしたが、私としては順番に賛成・疑問符・反対の立場です。

とりわけ何度か論じているとおり、介護保険料は上げざるを得ないのを据え置くだけでも失政と断じているだけに、引き下げるなどとんでもない暴論にしか思えません。
会の要望としては、①介護保険料の1000円引き下げ、②通院介助の待ち時間を給付対象とする、③要支援1・2を介護サービスとして継続など10項目をあげているそうですが、このうち②③は国が定めていることですので、市として対応もしくは検討できるのは①のみということになります。
今回の据え置きですら財源として手をつけるべきではない地域福祉基金を充てているのに、さらに1000円も下げるというのにどこから財源を持ってくるのかのあてもない単なる要求など意味がありませんし、出身母体や関係する政党からすれば行政の情報や仕組みに詳しいはずですから、なおさらちぐはぐさを感じてしまいます。
これは、普通の市民からの要望であっても、市民ゴルフ場のようにとにかくやめるべきというシンプルなものであれば別ですが、財源を伴うものであれば専門家に相談した上である程度の実現可能性を担保したものであるべきだと思います。
介護保険料の件では、先日詳しい人ととことん論じる機会がありましたが、その方も据え置きでは次期2018年度の値上げ幅が恐ろしいことになるのを危惧していましたが、基本原則としてサービス量が増えれば介護保険料は上がるわけですし、特別養護老人ホームのような施設系は抑えていても最近また在宅サービスが増える情報が次々と入ってきていますので、次期は今回の据え置き分を勘案すれば7500円から8000円まで近づく可能性があると予言しておきます。

一方では、議員たる者そこで相談を持ちかけられるくらいの力量を保持していなければならないと思いますが、今回は非常に近い市議団があるはずなのにアドバイスも忠告もしていないようで、相変わらず言いっ放しの主張しかしないのかと残念に思います。
議員であるならば、すべての分野とはいかなくても自分のホームグラウンドに関しては専門家と対等に議論できるだけの知見を持っているべきですし、その意味では市民派を隠れ蓑に取り柄がないというのでは失格で、しっかりプロとして市政に向き合う必要がありますので、専業で活動できるような政務活動費などの条件整備も市民の皆さんにも理解していただきたいと思います。

先日のスタバ問題でも、「あれに異を唱えるとは」と苦言をいただきましたが、市民からの動きでも間違っていれば指摘して、直らなければ反対する姿勢は貫いていくつもりです。

2015年2月27日金曜日

合併10年目に思う

昨日2/26は9年前に相馬村が合併してなくなった日ですが、3年前から当時の職員・三役・議員が集って「相馬村会」を開催するようになりました。
ここで弘前市・岩木町そして相馬村による合併を振り返り、10年目の新弘前市に必要なことを考えたいと思います。

弘前市を中核とした合併は、当初津軽広域連合を組織していた14市町村による30万都市=中核市をめざして動き出しましたが、法定協議会ができる時点で板柳町と浪岡町が外れて12市町村となり、これは在任特例を適用すれば201名という全国最大の議会となる冗長さや構成する自治体の財政問題が明らかになり合併効果が見こめないことなどから難航し、2005年7月に法定協は解散となったのでした。
ここで、岩木町・西目屋村・相馬村の中津軽郡3町村は当時の金沢隆市長から合併を呼びかけられたのですが、昭和の大合併以降3つで仲よくやってきた自然気候も産業構造も似通っている同士で先行合併して将来の広域合併に備えるべきだと考える者とこの機会に弘前市との合併に向ききりべきだという立場とに分かれましたが、西目屋と相馬は3町村合併を議決し岩木町の結論を待ったのですが、きちんと合併するか否かを核にした上で合併の相手先を選ぶ手順で臨めばよかったものを、あろうことか単刀直入に3町村合併の可否を採決したことで8名の3町村派を期せずして連合する形になった7名の弘前市合併派と2名の合併反対派の9名が上回る形になり、中津軽郡合併は幻に終わったのでした。
当時は、総務省から単独では財政的に立ちゆかなくなると信じこまされていたこともあり、世界自然遺産・白神山地と津軽ダムという財源を持っていた西目屋村は住民投票を経て単独の道を選んだものの、岩木町・相馬村はやむなく弘前市との合併を呑むことになりました。この経緯と苦渋の選択を、旧市民の皆さんにも覚えておいていただきたいと思います。

私は、2003年の村議選に際し、まだ話題にも上らず機運もなかった合併問題を前面に出して、相馬村が取り組んできたむらづくりを津軽に波及させるべきだと信じて「相馬のために広域合併」を打ち出したのですが、合併論議の中で広域合併への矛盾を感じ、視察した福島県矢祭町・長野県小布施町などの合併しない側にシンパシーを感じ、そして次代を担う20代の若者たちが一番合併反対だったのを代弁するために、最後はただ一人合併反対に回ることになりました。
合併に反対した者が在任特例で残るわけにはいかないと9年前の最後の日をもって議員辞職したのですが、初代市長となった前市長が合併時の約束を踏みにじる相馬ふれあいセンター建設を反古にしようとする姿勢に出たことを許すわけにいかずに2007年の市議選に挑むことになっただけに、新市建設計画での合併戦略プロジェクトをはじめとする均衡ある発展がきちんと進んでいるかどうかには誰よりも注視してきた自負があります。
市議である以上、市政全般とすべてのエリアに目を向けるのは当然のことですが、地元に利益誘導するということではなく、合併で誕生した経緯をふまえながら単独であれば実現可能なことや維持していくべきことを考えていくのが、合併を意義あるものにすることになると信じています。

それだけに、合併10年目の今年、市議として合併を振り返りながら前に進めていく立場に戻らなければと強く思っています。

2015年2月26日木曜日

使えないハザードマップづくり

昨日、農村整備課から案内のあった「ため池ハザードマップ」打ち合わせ会議で相馬やすらぎ館に足を運びました。
相馬地区内のことなのだと思っていたのですが、入っていみると見覚えのない顔ぶれが集まっていて、後で確認してみると市内全域から町会長クラスが招集されており、会場の都合なのでしょうがわざわざ遠くまでご足労いただいて申し訳ない気がしました。

それはさておき、マップ作成の受託先である土地改良協会(土地改良区の外郭団体でしょうね)からの説明があり、このマップは200年に一度の3日間で250ミリの降水があるという規模で発生する恐れのあるため池の決壊を予測したもので、その際にどのような場所にどの経路で避難すればいいかを地元町会の皆さんからヒアリングするするための会議だということでした。ちなみに、市内にため池は約100ヶ所あるのだそうで、そのほとんどが江戸時代の整備で防災対策が施されていないのだそうです。
素案となるマップを見てみると、一昨年の台風18号の際の浸水・冠水域より狭い想定になっていたので質問してみると、今回はため池決壊のためのハザードマップであり、台風の際に生じるのは内水面での浸水というものでそれぞれの地形や水路の幅などで左右されるもので、今回のマップづくりとは関係がないということでした。
そうは言っても、短時間で40ミリの降水量で町内一帯が冠水した実体験から、町会と市営安田団地の集会所は避難場所から外してほしいこと、また坂市町会長とともに坂市町会集会所だけでなく水害の場合は隣の紙漉沢にある相馬中学校も道路が寸断されるために避難所に適さないので、集会所と農協施設のある「紙漉の里」の方がよいことなどを担当者に伝えると、想定外の提言に目を丸くしての対応となりました。

今回はため池という農業にかかわるものを対象にしているとはいえ、防災安全課が一緒していないため、現実に避難場所から学校や集会所を外したり、これまで指定されていない施設を指定する形にしていいものなのかどうか不透明なままに作業を進めることになって、非常に歯がゆい思いでした。
担当者からは、岩木川のハザードマップがあるのは知ってますかと言われましたので確かめてみると、ちょうど上岩木橋から下流域での作成であって相馬地区は抜け落ちていて使えませんし、200年に一度のことにこんな労力をかける意味があるのかも疑問に思います。
行政的にはアリバイづくりのためにやらざるを得ない仕事なのだろうと思いますが、最初に話になった内水面での浸水ハザードマップ作成といった十年単位で発生するようなものへの対策を部課を超えて取り組んだり、とってつけたように載せてある緊急連絡体制が機能するよう日常の準備を進めるといった、実効ある作業に昇華させる努力をしてほしいものです。

これにしても、対象エリアの町会長だからわかった事業内容であり、今の議員という立場では見えもしないものだけに、改めて全事業の仕分けの必要を痛感します。

2015年2月25日水曜日

桜守本来の生かし方

これも何度か論じてきたテーマですが、樹木医・小林勝さんを再任用の上リーダーとして桜守チームを結成したのは、長年つちかってきた弘前方式のソメイヨシノを守り育てる技術を積極的に他地域に伝えていくことが主眼の一つです。
小林さんの後継者を育てること、制服コンテストのような取り組みで注目を集めることも大事ですが、やはり寿命60年といわれるソメイヨシノを倍の長さまで生かし続ける技による全国の桜どころへの支援こそ、弘前の名を高らしめるものだと思います。
ただ、昨年6月に小林さんとお話しした際には、報じられていた野田村の桜並木歩への支援についても具体化していないように聞こえましたので、まずは後継者育成というところにウェイトがあるように感じました。

ところで、唐突に桜守のことを取り上げたのは、選挙看板の件に対して市民が植えて守ってきた桜並木も看板で景観を損ねていると教えてくださる方から、その桜並木を写した動画を紹介していただいたからです。
この桜並木は千葉県八街(やちまた)市にあるのですが、延々と続く長さといい田園風景とマッチした景観といいすばらしいものですが、市民の方々の管理は続いているとはいえ1950年代の植樹ということで枝が高々と上に伸びている様子や樹勢からしても、本格的な手入れをしなければ今後も維持していくのは大変になってくるだろうと、聞きかじりの桜の知識しかない私にも思えるくらいでしたので、これに桜守の支援ができればよいのにと思ったところです。
野田村や八街市ばかりでなく、桜の名所を維持していくのに困っているところは全国数多くあるでしょうし、弘前方式での支援や技術伝授を希望するところを募って、数年ごとに巡回指導することができれば、それこそ格好のシティプロモーションにもなるでしょうし、その桜守による日本一の桜を見にいこうという機運を高めるのにもつながるはずです。
ちなみに、弘前の桜が桜まつりの人数だけではなく日本一すばらしい桜であることは、弘前市出身のジャーナリスト丸谷馨さんの日本一の桜(講談社現代新書) に詳しく書かれていますので、特に地元の皆さんが観光客に魅力を伝えるためにも一読をお勧めします。

再起の暁には、全国からの要望を桜守チームにつなぐ役も果たしたいものだと思っていますので、全国からの情報もお待ちしております。

2015年2月24日火曜日

地域おこし協力隊の対極としてのフルサト

伊藤洋志Phaというタイプの違う30代二人が共著した『フルサトをつくる』を読了しました。
普段は東京に暮らす二人が、生まれ故郷ではない熊野というフルサトに通い暮らしをするようになり、そのために必要な準備やそのことで得られることなどを、その行動力と同じくらいの軽さで書きまとめた内容ですが、二地域居住のよさばかりでなくこれからの日本社会に必要なことまでサラリと切りこんでいて、非常に勉強になりました。
フルサトの軽いながらも自己責任での取り組みを知ってみると、何度か取り上げてきた地域おこし協力隊が対極にあると痛感しますので、またしても論じておきたいと思います。

世界文化遺産として知られる熊野ですが、無縁の二人が何もないところに飛びこんだのではなく、フルサトづくりの先駆けとして共育学舎をはじめた三枝孝之さんという方がいて、そこで行われた懸賞論文に応募した若者たちが現地で新たな取り組みをはじめるという土台があり、非常に活性化しているのがわかりました。
そこに二人が飛びこんで空き家を借り、仲間を呼びこんでさらに輪を広げていくというアクションが語られているのですが、「熊野の土になる」という堅い覚悟で住みつくというのではなく、あくまでも今は熊野をフルサトとして住んでみるという姿勢が、自分でできる範囲のかかわり方を保ちながらも、だからこそ自分の責任ですべて取り組んでいくというところに、行政からの募集があって月給が支給されるから移住するという地域おこし協力隊とは決定的な違いがあります。
来月中には、相馬地区への隊員が決定すると思いますが、本当に相馬村や弘前が好きでかかわりたいと思っているなら、このフルサトの二人のようにいきなり住みつかなくてもよいのでまずは遊びに来てみて、なじそうかとか仲間ができそうかどうか確かめたりといったことを自腹でやってみるべきで、これを国が推進拡大しようとし自治体が補助金を当てにして安易に乗っかる仕組みはやはりおかしいと思います。

こういうことを言いたくなるのは、長崎県で任期切れとなる隊員の方の振り返りをみても付け焼き刃で取り組むべき活動ではないことがわかりますし、秋田県では住民が契約延長を望まなかったことで1年で打ち切りにされる人まで出てきており、光の面ばかりでなく陰の部分が見えるようになってきているからで、こういう状況を受けて失敗する若者が続出しそうな件という論考も目につくようになってきたからです。
その論考も、例によって木下斉君からの情報だったのですが、この件について、
そもそも「地域おこし協力隊」なのに外の人間に地域をおこさらようとしている時点で、まぁ疑問を抱いた方がいいですよね。すぐにヨソモノ・ワカモノ・バカモノとか言い出すけど、ヨソモノとワカモノに物事押し付けて、自分はバカモノとは言われたくない人たちばかりだからね。
と喝破しているとおり、その地域をおこす必要があると思うなら、まず自分たちが取り組むべきだというのは当然のことですし、相馬村の場合はその気の人間がいるというのにわざわざヨソモノ頼みをする必要はないと思うのです。

この議論の土台にもなっていますので、皆さんにも『フルサトをつくる』をぜひ一読していただきたいと思います。

2015年2月23日月曜日

コミュニティ・スクールで先を越される

今朝の東奥日報1面に、横浜町で学校運営協議会制度導入と大きく報じられていました。
堅い説明でわかりにくいのですが、青森県初のコミュニティ・スクール実現ということでして、セブンイレブンが出店していない空白区であることより、これが実現していない数少ない教育後進県という大問題だっただけに、まずは大学の先輩である柏谷教育長の英断に敬意を表しますが、前期の私だけでなく今期も菊池勲市議や佐藤哲市議が何度か取り上げてきたテーマだけに、何年たっても動きもしなかった弘前市教育委員会の怠慢に改めてガッカリしているところです。
コミュニティ・スクール(以下、CSと略)は、学校の運営に地域住民がかかわり、基本方針をともに策定したり地域活動に協力するばかりでなく、教育委員会に対して教員人事に希望を申し入れることもできるといったことが記事でも紹介されていましたが、もう一つ大事なのは専任のコーディネーターを置くことで学校と地域をつないで動かしていくエンジンができることでして、記事でも紹介されていた大館市城西小ではより安定した身分保障のために学校支援地域本部制度とあわせて導入して成果を上げているのは以前見分させていただいて、その重要さを知ったところです。

ちょうど数日前には、文部科学省が廃止された小規模校でも再開する道筋を示したとの記事があったように、地域の中核としての学校のポジションは再評価されてきており、これは小中再編をもくろんでいる市教委にも再考を免れないことだと思います。
その記事でも、ただ存続させるのではなく通学区の規制を緩和して広域に受け入れる体制づくりなどの条件があり、それだけ地域が協力理解していかなければ実現できないハードルも課せられているだけに、それこそCSの父である金子郁容先生が著書『コミュニティ・スクール構想』で紹介されていた徳島県美波町・伊座利小中の漁村留学のような取り組みが必要ですが、この学校がCS実践校であることはさらに大きな意味を持ってくると思います。
もうすぐ坊主が中学を卒業しますので、義務教育とのご縁も終わりとなるところですが、学校の小規模化と地域の人口減少という波を乗り越えていくには、規模縮小を余儀なくされる相馬総合支所頼みではなく地域の人間が学校を拠点として地域を守っていく方向でなければならないと思いますし、他の農村エリアでも同じことです。

これだけ、市として真剣にCS導入を考えてほしいと思うだけに、それを主張できる場に戻る必要を感じています。

2015年2月22日日曜日

珈琲の歴史と未来を学ぶ

2回目となる修故創新塾を、珈琲がテーマで講師は来年で創業40年になる成田専蔵珈琲店の成田専蔵先生ということもあって、カフェトーク形式で開催しました。
ちなみに、先生と呼ばせていただいているのは約500人のバリスタを生み出している弘前コーヒースクール代表ということもありますが、私にとっては初めてお会いしたのが城東学園調理科の非常勤講師であり同窓会会長であった所以からです。

まずは米国でのコーヒーの波について、20世紀初頭に最初のブームであるファーストウェーブがあり、それが1960年代には安くて苦いコーヒーを薄くして出すアメリカンがはびこり、その反動でエスプレッソマシーンでマニュアル化した製法で提供するセカンドウェーブの代表・スターバックスコーヒーが1971年に登場、日本に上陸してからも20年以上たっているのだそうで、その意味では青森県の周回遅れぶりがわかります。
ただし、果実=フルーツといって過言ではないコーヒー本来のうまみをエスプレッソマシーンでは引き出せるものではなく、米国で焙煎して世界に搬送されるシステムのため日数がたつと劣化してしまう欠点があり、それに対して焙煎工場をショップに隣接して腕の立つバリスタを配して好みの豆を好みの淹れ方で提供するというサードウェーブが現れましたが、それには日本の喫茶店からの影響が大きいのだそうですが、その代表格であるブルーボトルが2月に開業したところで4月にスタバ開店というのは何とも皮肉です。
一方、日本では1888年に最初の可否茶館が開業してはじまった喫茶店ですが、先生が珈琲を志した頃の弘前市ではかくは宮川か入五商店でしか豆が買えず、しかも腐っているようなシロモノしかなかったのだそうで、そこから自前の工場での焙煎をはじめたり、産地の農園との直接契約、一方ではコーヒースクールでのバリスタ養成と、まさにサードウェーブそのものの歩みをしてきたということは、弘前の珈琲文化は歴史があるとともに最先端でもあるわけです。
ただ、日本では17万軒から7万軒を切るようになった喫茶店ですが、弘前市では650軒が115軒まで減っているのだそうで、それにコンビニコーヒーが年間16億杯も飲用される時代になって、家族経営の喫茶店では集まって対策を話し合おうという時間すら取れず、スタバ以前に事業継続が厳しくなっているのが実情だということでした、
それでも、総務省の調査では県庁所在地では青森市がダントツの消費量なのだそうですが、販売実績からして弘前市の方が1.5倍の売上があるそうで、歴史だけでなくコーヒーそのものの愛好からしても弘前の珈琲には可能性があると信じて、時代に合わせた取り組みをしていくつもりだとの力強いまとめでホッとしました。

少人数ので濃い2時間でしたので、オフレコでしか話せない内容も飛び出すほど盛り上がり、私のことや市議選の状況などはサラッと流して終わる形になりましたが、今回も歴史を学んだ上で現在を分析し未来を考える必要を強く感じましたので、これからもテーマを選んで続けていきたいと思います。

2015年2月21日土曜日

岩木山豪雪まつりにラグビーを思う

成田専蔵珈琲店で珈琲にまつわる修故創新カフェトークを開催したのですが、あまりにも濃い内容だったので一日熟成させて報告することとして、そこから車を飛ばして「岩木山豪雪まつり」が開催されている嶽温泉・青少年スポーツセンターに向かいました。
すでに昼下がりで、一晩仕込んだ焼き鳥が売りきれるほどの人出もすでに去った後でしたが、見知った顔ぶれの出店からお昼をいただき、快情のもとで地元の皆さんと楽しく歓談しました。
その中で、当地で以前は明治大学・神戸製鋼といったラグビーの名門チームが合宿を張っていたことが話題となりましたので、今回はラグビーのことを取り上げたいと思います。

今は昔、大学ラグビーといえば早明戦が国立競技場を満員にしていた頃、北嶋忠治監督のもと快足ウィング吉田義人が主将を務めていた前後のメイジ最強の時代に、夏合宿はこのセンターで行われるようになり、それにつられて社会人最強の神戸製鋼なども合宿するようになり、わがワセダが合宿する長野県真田町(現上田市)の菅平と並ぶラグビー合宿のメッカとなったのでした。
菅平のある真田町には、施設見学で二度訪問したことがありますが、真田幸村で知られる真田氏発祥の地で当時の人口は12000人で、岩木町とは人口規模も津軽氏興隆の礎の地である歴史も重なるだけに、ラグビーでも共通項ができて比べるほど似た町同士だだったのですが、嶽でのラグビー合宿はいつしかなくなってしまい、さらにはともに合併して町が消えただけに、菅平との交流ははじまることもなく終わってしまいました。

新弘前市になってからラグビーが話題になることもなくなっていますが、2020年東京五輪の前年2019年にはラグビーW杯が日本で開催されます。
市では五輪合宿候補地に名乗りを上げていますが、岩木山総合運動公園を合宿地として検討するのであれば、前年のラグビーでも使っていただけるような整備とアピールをするべきだと思いますし、当時の合宿経験者がラグビー界で重要なポジションにいる可能性は高いのですから、(狸の皮算用ですが)五輪合宿地よりもトントン拍子に決まるはずです。
逆にW杯合宿地と決まれば、五輪合宿地としてもアドバンテージを得ることにつながるでしょうから、まず取り組むべきなのはラグビーだと思いますし、これであればJリーグをめざすブランデューやジュニア世代の代表選手を輩出するまでになったリベロの活動にも活用できると思いますので、プロ野球公式戦実現のためのはるか夢球場改修よりも波及効果があると思います。
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今日の嶽からの岩木山を見ると、この山を見上げた選手たちが日本代表としてW杯で戦うのを夢見たくなります。

2015年2月20日金曜日

朋あり、遠方より看板撤去の応援

2015マニフェストの中で必ずできることとして、「選挙用看板は立てません」と約束しましたが、思いがけず遠方から心強い応援がありました。
それは、埼玉県和光市の松本武洋市長で、
和光市では景観行政団体として、景観条例をつくり、建物の色規制などを行っています。景観については市民からのご意見も多いのです。しかし、色とりどりの政治看板やポスターがまちの美観を損ねているため、「まずは隗より…」ということで率先して看板をやめることにしたのです。
とのことで、まさに私と同じ思いで市長自ら率先しての行動、さすがです。

松本さんとは、市議村議時代からメルマガ議員仲間として交流させていただいていますが、特筆すべきはこれまでAmazonir-2015-02-20-13-32.gifでも5冊の著作が販売されていて、特に会計については随一の専門家です。
ところが、その専門性をひけらかすこともなく、まさに市民派として市民とともに活動しているのがBlogからも伝わりますし、一度行政視察後に会食させていただいた際にも実際の姿勢の様子を率直に伝える役割として友人である市民数人も招いてくれたり、採決では反対に回ることもある市議も共通の知人として声をかけてくれたりと、本当にオープンでフランクな人物です。
行政視察の案件は、議会改革と職員の人事評価でしたが、景観についても前向きに取り組んでいるのをこういう形で知り、副都心線開通でさらに便利になったベッドタウンが落ちついたたたずまいだったのを今さら思い出しているところです。

ひるがえって我が弘前市は、文化観光都市を標榜しながら、景観に配慮しているものとしては弘前公園周辺の自動販売機が茶色になっているくらいのもので、ほとんど何の規制もないと言っても過言ではありません。
日本を代表する観光都市・京都では、マクドナルドやコンビニの看板の色まで規制しているのが知られていますが、その京都らしい風情を備えた「小京都」と呼ばれる自治体で結成されている全国京都会議に弘前市は加盟しているのだそうですから、それならば名乗るだけでなくこういうことこそ真似していくべきだと思いますし、景観にかかわる条例を提案/議決する立場にある市長・市議こそ率先して選挙用看板を外すべきだと思うのです。

私は、約束どおり看板を立てませんが、私でない候補を支援する方にもこのことを頭の片隅に置いていただき、自分の応援する候補に「看板、いらないんじゃないの?」とつぶやいていただきたいと思います。

2015年2月19日木曜日

今さら膨張型予算でいいのか

先週末の大雪対策や気になる問題が続いた関係で論じるのが後回しになりましたが、明日開会となる定例会に上程される一般会計予算案は、7年連続の増額で総額817億円という史上最大規模です。
葛西市長の補助金や交付税算入などで有利な財源があれば積極的に活用するという方針に沿っての予算であることを、地元紙も見出しに「有利な財源活用」とつけているわけですが、改めてこの姿勢でよいのか考えてみたいと思います。

年頭の地方創生の件でも述べたように、国・県の補助金に頼る事業はもらったはいいけれどもワンサイクルで効果が続かないという、成果の面でも問題がありますが、それ以前に市の財政に影響はなくても国の懐を痛めるやり方だけに、国民として国の借金を増やす手法をよしとしていいのかという立場から考えるべきだと私は思います。
また、今回の予算では赤煉瓦の吉井倉庫を取得して文化交流施設に活用していくという目玉もあるようですが、民間が動いて成功している紫波町オガールとは正反対の方向ですし、何でもかんでも市がかかわっていくという方針では市が肥大化していく一方であるとともに、お役所的な堅さや舵取りの遅れを招くことも考えられるだけに、個別の案件でも検討すべき問題も見えています。

一方、予算が傍聴し続けているのとは反比例して、市の人口は減り続けていて、2/1現在で177,945人となっています。
それだけ、負担できる人数も受益することになる人数も少なくなっていることを考えれば、予算そのものも縮小させていくべきだと思いますが、石垣修理というやらなければならない事業はさておき、市役所増築や岩木庁舎改修といったハコモノ建設が多いというのでは、時代に逆行しているといわざるを得ません。
この人口減少は、新総合計画である「弘前市経営計画」の最大のテーマとされていますが、今年度は成果が上がらなかったというのが数字に出ているのですから、これを打開するために斬新な視点による事業に転換することこそ求められているはずですが、そういう目玉事業は見受けられないようですし、先日お知らせしたように笹森町子育て支援センターの廃止を代替できる事業は苦渋の選択ながらも打ち出されないなど、人口減少対策の最大の手だてであるはずの子育て施策では後退している感すらあるのが気がかりです。

順調に進んでいるように見える葛西市政ですが、見方を変えれば問題が散見されるだけに、明日からの定例会には市民の皆さんに関心を持っていただきたいと思います。

2015年2月18日水曜日

健幸づくりサポーターに異議あり

自死をテーマにした研修会開催で健康づくり推進課を称揚したところですが、最後に一つだけ残念なことがありました。
それは、来年度からの健幸づくりサポーターの創設についての案内で、3月の予算承認を受けて4月から募集して6月に協議会設立というタイムスケジュールだというのですが、そこで問題となるのは町会から2名の推薦を原則として選任するということです。
この選任方法に関しては推進課の責任ということではありませんが、またしても市からすれば無役の立場にある町会長にかかってくる問題でもあるので、ちょうど顔を合わせた町会連合会・大谷事務局長に「またですか!」と文句を言っておきました。

以前も論じたとおり、市から町会に対しては基本額+世帯数×700円の交付金がありますが、そのトップとして市から依頼された業務にもかけずり回っている町会長は、行政連絡員といった市の特別職としての地位を与えられているわけではありません。
旧弘前市での町会連合会は、鳴海修先生の存在もあって自主独立の気風があったようですが、連合会の運営も市からの補助金に頼り事務局も市役所内に置かれているように、今では市の下請け機関と言われても仕方のない状況だけに、そういう位置づけだとハッキリさせるべきだと思うのですが、市内の連合会長は気位だけは高く、岩木・相馬との制度統合の際に押し切って無役のまま変わらずにきています。
この件は、毎年の総会で問題提起しているのですが一向に話し合われていないこととあわせて、皆さんにも我がこととして連合町会そして町会長の存在について考えていただきたいと思います。

また、町会には保健衛生委員という役職がすでに存在し、高齢者の独居世帯などを見守りする「ほのぼの協力員」という役割もある仲で、屋上屋を重ねるように健康づくりサポーターを置くというのも何だかなあと思ってしまいます。
藤田課長の説明でも、保健衛生委員の方が兼務でもかまいませんということでしたが、それならば最初から兼務してもらう形にし、もう一人は「ほのぼの」の中から一人選任するといった流れにしてでも、むやみに町会内に役割を増やすようなことはしてほしくないと思う町会の方が多いと思います。

健幸づくり自体に異を唱えるものではありませんが、それをどのような形で進めていくのか、その際に町会の機能や役割に無理強いするようなことはあってならないというのが、私の立場です。

保健衛生委員研修会で自死を学ぶ

町会連合会主催の町会長・保健衛生委員合同研修会が昨日ヒロロであり、約150人の参加者の一人として出席してきました。

講師は、NPO全国自死遺族総合支援センター<グリーフ・サポート・リンク> の事務局長・南部節子さんで、ご自身も10年前にご主人を亡くされた自死遺族の一人です。
遺族は言えない/周りは聞けないことで気まずくなってしまうのを変えていくためにかつどうにかかわってきたのだそうで、ご自身も最初は自死であることを隠していたのだそうですが、子どもに怒られてこのままでは2度殺してしまうことになると思ったのがきっかけだったそうです。
南部さんが未遂で済んだ人から聞き取りした経験によると、自死した人は確固たる意思のもとに動いているのではなく、追い詰められて正常な判断ができなくなってもうろうとした中で突き動かされてしまっているのだそうで、気がついたら屋上にたっていたとかホームに引きこまれそうになっていたのを周りの人が引き留めてくれて我に返ったという人もあるのだそうで、心の心臓発作のようなものだとのことでした。
ご主人も10年間うつ病だったのを南部さんには隠していたのだそうで、単身赴任ということもありその悩みに寄りそうことができなかったことを悔いていましたが、正面から向き合うのがいいのか強く言うことで衝動を引き起こしてしまうリスクを考えるべきなのかは、非常に難しいところだと感じました。
それでも、遺族や関係者が発言行動していくことで正しい理解と防止につなげたいという思いで活動していて、まちづくりこそ自死を減らすというところに、町会連合会でお話を聴く意義があったのだと得心しました。

自死・自殺という問題は、全国でも発生率が上位にある青森県そして弘前市にとってはしっかり向き合わなければならない問題ですが、これまで真正面からの研修会というのはあるようでなかったことだけに、健康づくり推進課でよくぞ組みこんでくれたと思っています。
実は以前、NHK「クローズアップ現代」で津軽地方の農業経営者の自殺が多いことを取り上げた際に取材に協力したことがあるのですが、それだけの問題をはらんでいながら具体的な対策がなく、私自身も問題が問題でもあり、そして周りにある話だけに、どうしたものか思っていたことだけに、これが市としてのアクションの第一歩となってくれたら何よりです。
一方、南部さんのNPOが中心になって遺族同士が話し合う場を作っている「分かち合い」という取り組みはまだ弘前市にはないようですし、五所川原市では「ほほえみの会」というNPOが精力的に活動しているのからしても、民間での動きも遅れているのが実情ですので、この問題に詳しい人かかわりのある人たちが動きやすくなる支援ができればと思っています。

ぜひ皆さんにも、自死・自殺問題を一緒に考えていただきたいと思います。

2015年2月17日火曜日

ロマントピアの安易な経営統合には反対

今日の地元紙2紙とも、ロマントピアの経営危機問題を解決するために岩木振興公社との経営統合の方向で協議と報じられています。
公社側からロマントピアに3000万円程度の出資を行って当面存続を図り、将来的な経営統合を進めていくということで一番妥当な解決策のように見えますが、私からすれば安易な手だてで将来展望が感じられないだけに、改めて論じておきたいと思います。

ロマントピアは旧相馬村が100%、岩木振興公社は旧岩木町が100%出捐(一般でいうところの出資)した第三セクターで、ロマントピアは白鳥座・満天ハウスといった宿泊施設や天文台、公社は国民宿舎いわき荘に百沢スキー場、最近ではロマントピアスキー場も指定管理をしています。
すべてが公共の建物施設であり、それを100%自治体出資の事業体が経営しているのですから、市が経営しているのと同義であるわけですが、ロマントピアが赤字で公社が黒字となっているのには単体としての経営力以前に市がどこまで会計的な責任を負っているかの違いが大きな違いを生んでいます。
公社が指定管理している百沢スキー場は、コース整備やリフト建設などの負担が重くのしかかり、スキー場のためだけに存在している岩木観光特別会計は合併以降6億円以上のカラ財源で回し続けており、市でもこの4年間で解決に向けた対策を取らないままで流れてきていますが、そこから指定管理料ばかりでなくリフト券などの売上も入っている公社で黒字があるのであれば一部であっても特別会計に繰り入れることがあってもよさそうですが、そういう形を取ったことはありません。
これに対してロマントピアは、今期から支配人が替わって積極的な方針に切り替わったのが功を奏して単年度黒字が見こまれる状況に改善しており、市で公社が出資するという3000万円を拠出すれば経営危機を脱して健全化への道に進んでいくことも可能なだけに、市がどこに支出をしてどういう方向に岩木・相馬の観光を向けていくのか、一旦猶予できる状況を作った上で根本的な方針を検討すべきだと思うのです。
とりわけ、同じ中津軽郡であった西目屋村がスノーリゾートとしての白神山地のPRを世界に向けてはじめたところで、岩木・相馬が後手に回るような応急措置で急場をしのぐようなことではさらに後れを取ってしまうだけに、こういう場面でこそ葛西市政のモットーであるスピード感をみせてほしいものですし、合併10年でのマイナンバーなどでお茶を濁している場合ではないと思います。

ぜひ、皆さんにも関心を持っていただき、岩木・相馬の観光や振興をどうすべきか、思いをめぐらせていただきたいと思います。

2015年2月16日月曜日

大鰐線を応援しよう

娘が通学している関係で一番身近な鉄道ながら乗る機会のないのが、弘南鉄道大鰐線です。
数年前から存続が危ぶまれるようになっていましたが、先日も沿線町会などで結成されている「大鰐線の存続を求める弘前市民の会」が12,000人を超える書名を会社宛に提出したのに対し、社長からは当面存続という安堵の回答とあわせて前年対比8.2%32,000人もの乗客減という厳しい現実も報じられています。
その内訳としては、定期客が24,000人近く減っているのだそうで、署名とは裏腹に沿線住民や通学の生徒学生の利用がさらに減っているということになり、イベントでの盛り上げでは焼け石に水で、中央弘前駅周辺の再開発まで持ちこたえられないのかも知れません。

弘前市にはJR奥羽線と弘南鉄道黒石線に大鰐線の3本の電車が走っていますが、沿線の駅ごとに商店街や住宅地があって生活と密着している感が一番強い路線であり、大学時代に都電で通った経験のある私からすると何とも親近感のわく電車だけに何とかならないものかと思ってしまいます。
以前、市では森市長をお招きして富山市の新型路面電車=LRTによるまちづくりを学ぶ「ひろさき交通フォーラム」を開催したことがありましたが、これは以前からの市電を新型にするばかりでなく、駅の数を増やし周辺への移住促進政策を打ち出して沿線の活性化と連動させて大きな成功を収めたことがわかりましたが、先日も富山大学の学生が沿線マップや運行アプリを開発したりイルミネーション車両を運行したりして盛り上げに協力しているのがTV番組で特集されていたように、まさに官民あげての取り組みが功を奏しているのを改めて知りました。
それからすると、大鰐線の場合は行政として対策を講じるにしても富山市ほどの大胆さがなく、弘大に公共交通のサークルがあるものの行政と連携して元気に動き回る形にはなっていないのが実情ですし、沿線町会でも赤字バス路線のように利用の有無にかかわらず全世帯で負担金という身銭を切って守る覚悟があるのかどうかも見えません。
ここで無い物ねだりをしても解決にはなりませんので、まずは魅力を再認識してもらう絶好の機会がありますので、ぜひ皆さんにも今週金曜日19:00RAB「笑神様は突然に…」の名物コーナー・鉄道BIG4が乗車する場面があるそうですので、外から見える大鰐線の魅力を確かめて、やはり地元が推さなければという思いを共有してもらえたらと思っています。

私も、何ができるか見えてはいませんが、何かしたいと思っています。

2015年2月15日日曜日

春なのに雪問題


IMG_2156-2015-02-15-10-00.JPG昨日は今期一番の大雪で一日がかりの雪かきに追われ、今日は未明の除雪出動判断時間を過ぎてからの降雪で除雪車が来ないで真っ白になったのを、我が家の並びでは「すばるインパルス」とまで自称するほどの強者のお父さんチームで写真のとおりの完璧な雪片づけを行いました。
例年ならば目印用のポールが足元まで見えているところまではいかないのですが、今年は直営除雪隊に切り替わったおかげで置き雪も少なくなっていることもあり、昨日の夕方もこのくらいまで片づけてましたので、この団結力と仕事力のすごさがご理解いただけるかと思います。
雪対策のことは冬で終わりにしたかったのですが、さすがにこの状況では改めて考えないわけにはいきません。それは、友人のつぶやきに共鳴するものがあったからです。
昨晩中に何故か家の前に吹き溜まった雪を片付けでおいた。朝、御丁寧に除雪車が底まで引っぺがした雪で万里の長城を建設、匈奴宜しく馬の通り道を苦心惨憺開削して会社へ行った。開削の名残りは近所迷惑なので昼、ダイエットも兼ねて消雪溝へ放り込んだ。全く流れず涙に暮れた。なぜこんな事になるのか考えて見た。機械除雪量>>人間排雪量基本的な設計が狂っていると思った。消雪溝(あるだけマシである)が人力投入を前提としている限り、市民は機械除雪を補完するものとして雪捨てを強制される。若ければ良いが、お年寄りにしたら雪壁と戦うことは一種の拷問であろう。除雪は本来住民の為のものであるはずだが、除雪の為の除雪になっていないか?結果は人口減に拍車がかかることになるだろう。がりがり氷壁作成だけに税金を投入するのを止めて、消雪ないし排雪の仕掛けを作る方に回してはどうなのだろう。1ブロック1ブロックずつ極楽町内に改造して行ったらどうであろうか?
先に「すばるインパルス」の話をしましたのは、融雪溝が整備されている昴町会でも、50~70代までのやる気のあるお父さんチームが日々励まし合いフォローしあって作業しているからできていることで、町会内でも車1台通るのがやっとという状況のところもあります。
それからすれば、やはり市民のやる気あってこその雪片づけということになりそうですが、そこに融雪溝があり町会長である私に時間延長などの権限があるのが土台にあるからこそできていることで、やる気以前にインフラということでは友人の言葉は私の思いでもあります。
今日も市内まで娘を送ってきた際に違うルートで回ってきましたが、雪かきに追われる市民と雪の量に追いついていないのが見えてしまう消雪溝の状況がそこかしこで目に入ってくるだけに、スマートシティなどといったかっこつけた取り組みよりも、1町会ずつ亀の歩みでもいいので実際に機能する雪対策を講じていくべきだと、改めて思います。

置き雪とともに消えていってしまう補正予算を毎年積み上げるよりも、一旦構築すれば長年使える消融雪システムこそ必要だと思いませんか?

2015年2月13日金曜日

介護保険料、もう一つの問題

先日も論じた次期介護保険料の据え置きを葛西市長が正式に表明しました。
今回の表明では、据え置きのために地域福祉基金から7億円を繰り入れること、現在取り組んでいるケアプランチェックなどによる利用適正化が功を奏さなければ3年後には大幅アップになるということでしたが、これは先に指摘したとおりの問題であり、改めて失政のそしりを逃れられないやり方だと思います。
これを繰り返し批判するのではなく、ケアプランチェックという手法の問題を介護支援専門員養成研修指導者という立場から論じたいと思います。

市では、サービス利用の適正化のためにケアプランチェックに取り組んで一定の成果が上がっているとし、来年度はさらに人員を増やして対応させる考えのようです。
これは、事業者が利用者を自分たちのサービスに囲いこむことを抑制するのが最大の目的ですが、これを抑えこむにはケアプランというレベルではなく有料老人ホームや付随するサービスそのものを増やさせないのが一番効果がありますし、それは市が覚悟を決めればできることなのは、何度もお知らせしたとおりです。
その意味でも、限定的な効果しか上がらない手法で職員に苦労させ事業者にも面白くない思いをさせるのはやめるべきなのですが、もっと大きいのはケアプランを立てる意義をまったく理解していないやり方が問題だからです。

私が養成研修で介護支援専門員の卵の皆さんに指導したり、施設で実践してもらったことに、利用者の状況に応じてケアしなければならない内容を計画に盛りこむのは当然のことながら、その方の残された力を生かしてできることを増やしていったり、これだけは実現したいと思っていることを年に一つでもかなえるような前向きなケアプランに取り組むことでした。
実際に、書道を好んだ方に施設のロゴに使用するからとお願いしたところ勇躍して立派な文字を書き上げてくれたり、90歳を超えて車イス生活となりながら東京にいる娘の病気が心配だからという方が上京するのを実現させたことなどで、どれだけ生き生きとしたかを実体験してきた立場からすれば、重箱の隅をつついて前向きなケアプランに取り組む気持ちや時間を削ってしまうようなチェックなど、認められるはずがありません。
こういう問題をはらんでいる手法を拡大しようとしていることや、自分たちが検討してきた介護保険事業計画を踏みにじるような据え置き表明に対して、介護にかかわる業界や団体から反論があってもいいはずですが、それが見られないのも残念なところです。

皆さんにも、財政的なことばかりでなく、ケアプランそのものに悪影響を与える方向に向いている市の介護保険制度に危機感を感じていただきたいと思います。

2015年2月12日木曜日

里山ツーリズムの可能性

午前中は故あってこもっていた建国記念の日でしたが、午後は「ひろさき里山フォーラム」が野市里であり、足を運びました。

たびすけの西谷雷佐代表が自身がスピーカーでもあるコーディネーター、コバヤシライスの小林淳一さん・弘前里山ツーリズムの田中幸樹代表・弘大の藤崎浩幸先生の3人がパネリストでのパネルディスカッションでしたが、4人とも日常の暮らしぶりにふれるツーリズムの魅力と可能性を語り、田中さんと藤崎先生は実際のツーリズムの受け入れ状況を伝えてくれました。
とりわけ雷佐は、雪かき検定やりんごツーリズムに県外からも参加者があることを紹介し、津軽の人間にとっては当たり前で大したこととは思わないことでも、喜んだり驚いてもらえることがたくさんあることの気づきを生かすことがツーリズムの盛り上がりにつながると、さすが路地裏探偵らしい見方で話を展開していて、刮目させてくれました。
当日のプログラムは、第1部で剪定や餅つきなどの体験ツアー、パネルの後にはワークショップと地元の総菜が盛りだくさんの交流会だったのですが、休日の家族サービスで中座することになったのは残念でしたが、地元での活動への協力ばかりでなく野田村との交流でも雷佐や田中さんにはお世話になりたいこともありますので、これからも注目していきたいと思います。

ところで、里山といえば藻谷浩介さんの『里山資本主義』ですが、今回はツーリズムがメインでしたので、サタ小山の活性化や藻谷さんが紹介したような里山ならではの産業おこしのような話題にはなりませんでしたが、この点では藤崎先生が里山には都会の力が必要とふれていたように、交流人口を増やす中からアイデアを持ってきてくれる人材とのマッチングにからんだヒントをお持ちのようでしたし、私からしてもこのテーマで考えたり動いたりしていかなくてはならないと思っているところです。
里山ということであれば、先日論じたメイドイン津軽の津軽塗などは漆の栽培から加工工場までできる環境があると思いますし、それこそ探せばさまざまなチャンスが転がっていると思いますし、それに気づくヒントをツーリズムで訪れた人たちからいただくことが第一歩になれば何よりです。

ぜひ、皆さんにも里山の可能性を考えていただきたいと思います。

2015年2月11日水曜日

まだ議員に人徳を求めますか?

今日は朝までの雪も上がって快晴、相馬地区では村時代からのしきたりでスキー大会なのですが、以前はスキー関係者として競技役員や選手としてかかわり、町会からも選手が出ているのを応援しなければならない町会長の立場でもありますが、そこに行けば2年前に建て替えられた見慣れない実家が目に入るのがイヤで行かなくなりました。
大人げないと言われても仕方のない仕儀ですが、ご存じの方もあるとおり以前勤めていたというより経営していた長慶会騒動で親子の縁を切って以来かかわらないようにしているからですし、長男ながら100年経ったところでの建て替えは何の相談もなく行われてしまいました。
騒動に関しては、私の方が深手でしたが喧嘩両成敗で父も理事長の地位を失い、しがみついていた母も昨秋事務長から退き、長慶苑には妻が残るのみで三上家の個人商店に戻る気配もなく、県から選任された對馬理事長以下の理事会が運営にあたっています。
この件は、すでにどちらにも非がある形で終わったことであり、あの当時に見過ごしておきさえすれば当選できたかも知れないものを、自分から動いて招いた落選という結果を4年間受けとめてきた立場としては、今さらわびを入れる筋合いのことではありませんし、以前叔母のところで出くわした際に仲を取り持とうとした姉に向かって捨て文句を残していったこともありましたので、謝ってどうにかなる問題ではないのも事実です。

ただ、私のことを気にかけてくださる方々の中にも、親子関係の修復が最優先だとか、それさえできれば大丈夫なんだからと言ってくださる場合が多く、そのたびに言葉を濁して作り笑いで過ごしてきました。
それは、喧嘩両成敗とはいえ親の側には不正を超える業務上横領という犯罪行為があり、厳しくなる経営環境で人材を生かしながら世代交替を進めなければならないという私の主張の方が正しいと今でも思っているからであり、当選するために心を曲げるような人間が市民のために主義主張を貫き続けられるわけがないと思うからこそ、損であっても親不孝のレッテルをはがずに今回も臨んでいるのです。
その意味では、徳のない生き方で得もない選択なのですが、首長というトップに立つ求心力を求められる立場ではなく議員という市政の監視役を果たさなければならない側に必要なのは、人徳以上に頑固者と呆れられても筋を通していく姿勢だと思っていますので、これを曲げるわけにはいかないと思うのです。
それは人徳もあり筋を通す一徹さも兼ね備えていれば文句なしかも知れませんが、そんな聖人君子がおいそれと存在するわけもなく、筋を通す議員がいてほしい、せめて一人いてもいいじゃないと思っていただける人たちからの支持で当選させていただければ本望だと思っていますし、それがかなえば心底感謝することで少しは徳のある人間に成長できるかも知れません。

ぜひ、ご縁のある皆さん、また私に関心を持ってくださる皆さんには、今のこの思いを受けとめていただければ幸いです。

2015年2月10日火曜日

ふるさと納税ブームへの懸念

二日前にふるさと納税の問題を取り上げたばかりですが、昨夜の深夜番組「月曜から夜ふかし」で取り上げられていた内容を見て、改めて問題が見えないままでブーム化する懸念を強く感じましたので、三たび論じておきたいと思います。

番組では、必ず得できる制度としてふるさと納税を取り上げ、自分のふるさとでなくてもよいこと・寄附金であること・プレゼントがつきものであることを紹介して、年間300万円の寄附を200自治体に振り分けている人からは「(控除額の)2000円でもらえるお取り寄せギフト」というコメントまで引き出していました。
この人は、300万円まで寄附できるほどの高額所得者であることも紹介されていましたが、そのプレゼントだけで食費もかからないとまで言うほどの産品が毎日のように届くのだそうで、今話題のピケティの論ではありませんが、所得のある人ほど得ができる仕組みであることまで見えてきます。
一方で、ふるさと納税を受け取る側として13億円という桁外れの寄附を受けている長崎県平戸市が紹介されていましたが、プレゼンとのために地元産品が大量に購入されるため、地元業者がうれしい悲鳴を上げる姿もあって、これだけ見ると首都圏でふるさと納税に回される側の自治体だけが損しているものの、それをねらった仕組みなので遠慮せずに活用しましょうという内容でした。

MCであるマツコ・デラックスも、出身地にふるさと納税しようかなあとコメントしていましたが、これでさらにブームが広がってしまえば抱えている問題が拡大してしまうだけに気がかりです。
ふるさと納税を行う側としては、そのことで自治体に寄附金が入り自分はプレゼントを受けられる一挙両得の制度と思っているでしょうが、控除額を引いた分が収まるとしてもその見返りに届くプレゼント購入に回っているのであれば、本来の自治体を応援するという形にはなりませんので、何のための仕組みなのかということになります。
また、財源が寄附金かどうかはさておき、プレゼンとのために産品を自治体が買い上げるというのは、仮にそれが地元を代表する名産物であっても売上の保証をする=地元業者を補助金づけにするのと同じことで、何度も指摘している補助金行政を知らぬ間に拡散させてしまうことになりますし、この制度が変わった際には業者への打撃も避けられないと思います。
こういった問題が見えないままに、人気番組やサイトでふるさと納税がカジュアルに広まってしまうことへの懸念を、皆さんにも理解していただきたいと思います。

弘前市の石垣普請応援コースは、石垣への刻銘というインセンティブだけだと思いますが、他の4コースでもプレゼンとなしでも集まる寄附を最大限活用させてもらう形で、額にとらわれない方針で取り組むべきだと思います。

2015年2月9日月曜日

鳥取市議会に学ぶ議会改革

今年に入ってから議会に関するテーマでは何も書いていないのに気づきましたが、ちょうど議会改革と情報公開で学ぶべき好例を教えていただきましたので、それとからめた内容で論じたいと思います。

鳥取市議会および鳥取市では、2010年度から「議員質問への対応状況」というページをサイト内にもうけて、一般質問に対する市の対応状況が一目でわかるようにしています。
ずいぶん前から取り組んでいたにもかかわらず不明でしたので恥じ入っているところですが、それぞれの質問一問ごとに対応済み/対応中/検討中といった区分で示されており、これは議員からしても自分の質問でどういう動きになっているのか見えますし、市の側でも受けた質問に真摯に取り組んでいるかを議員だけでなく市民にも理解してもらうことになる取り組みで、あったらいいなと思っていたことをすでに実現させていたものだけに感心しているところです。
これであれば、質問をすれば市が動くというのが形になっていますので、「あれをやった、これもやった」という本当かどうかわからない議員の手柄話は通用しなくなりますし、表でこれだけ対応しているとなれば裏で口利きするやり方もやりづらくなるでしょうから、議員が市民のために質問して提言するという本来の仕事に集中できる(もしくはせざるを得ない)ことになります。

ところで、これほど先進的な取り組みをしている鳥取市議会ですが、今流行りの議会基本条例は昨年6月の議会改革検討委員会の諮問においても、19ある長期的課題の下から3番目という扱いで、それより先に具体的な改革を積み重ねていこうという姿勢で進んできて今後もその方針で進めていくのだというのが伝わってきます。
弘前市議会では、この半年弱の議論で素案がまとまった議会基本条例に対するパブリックコメントや法務指導監による法令とのすりあわせに入っており、3月定例会で制定される流れとなっていますが、本当の意味で市民のための議会となるための具体的な内容が盛られているとはいえないのが、鳥取市議会と比べると如実にわかります。
その意味では、4月の選挙を経てからの実際の取り組みが本当の改革になっていかなければなりませんし、そこでは鳥取市での市と議会がタッグを組んでの情報公開のように、議会ばかりでなく市にも変わってもらう働きかけが必要だと思っています。

市民の皆さんとは肩を並べて活動していきたいと思いますが、こと議会改革については議会の先頭に立ちたいと思います。

2015年2月8日日曜日

ふるさと納税の次に考えるべきこと

8月にふるさと納税の矛盾について論じましたが、ちょうど雪灯籠まつりにあわせて1万円以上の寄附者を対象にした抽選会が行われたことを地元紙が報じていました。
それによると、対象となったのは1,042名ということですから、単純に掛け算しても1,000万円を超える額になっていますので、昨年度の313万円からは少なくとも3倍以上になったのは間違いありません。
これでも制度を見直した意義はあると言えますが、上には上があって近いところではお隣大館市では今年度1億円を超えたということですので、まだまだ工夫が必要だとも思えます。

ところで、ふるさと納税の趣旨は出身者や弘前市を愛してくださる外部の方からの寄附を呼びこむことあるはずですが、この寄附者の中には市民も含まれているそうで、これは特定の事業を指定して納税するのと同じことになります。その問題点は前述したとおりですが、今のところ市で検討したことも議会で取り上げられたこともありません。
これに対して、埼玉県鶴ヶ島市ではTOWNTIPという市民向けSNSと連動して、登録している市民活動団体の活動に市民がポイントで応援した分が金額に換算されて寄附される仕組みを6年以上前から導入しており、私も在職中に視察して感嘆したことがあります。
SNSとの連動はさておき、鶴ヶ島市の市民活動を市政の事業に置き換えて、12月の年末調整の時期にあわせて市が単独で事業化しているものを列挙した書類を市民税納税額1万円以上の市民に対して送付し、このうちどれかを指定して寄附扱いにするかどうかを選択してもらうことにすれば、市民にとって自分が希望する事業が寄附によって実現できたとなれば市政に対する関心も高まると思います。
また、その額の多寡が市民がどんな事業に力を入れてほしいかのバロメーターであり評価ということにもなりますので、それをふまえて事業の継続・拡充もしくは廃止を検討していく形になれば、市民主権でのPDCAサイクル実現ということにもなりますので、葛西市政の根幹となるシステムまで昇華できるものだと思います。

ふるさと納税はブーム化していますが、それに乗って競争するより、その仕組みを市民に振り向けるベクトルの方が、弘前市の存在価値を高めることになると思いますので、必ずや提言していくつもりです。

2015年2月7日土曜日

弘前珈琲の原点と未来を考える

昨日、ビジネスニュースをにぎわしていたのは、サードウェーブと呼ばれるコーヒー新潮流を代表するブルーボトルコーヒー日本初上陸でした。何と4時間待ちまで客が並んだのだそうで、すごい反響です。
サードウェーブとは、Wikipediaにまだ登録されていないほど定義が定まったワードではありませんが、歴史的には19世紀後半のアメリカンコーヒーがファーストウェーブ、シアトル発のスターバックス・タリーズなどがセカンドウェーブであり、特色としては産地からのダイレクトトレードによるシングルオリジン(単一種)の生豆を店舗でローストし、さまざまな方法で抽出できる腕の立つバリスタがいる店で出されるコーヒー、ということになります。

ところで、ブルーボトルのCEOがTVインタビューに答えて、このスタイルの原点は日本の喫茶店にあると言っていたように、ある意味ではコーヒーのおいしさを追求する上では日本の珈琲文化は侮れない地位を有しているのを改めて知りました。
その中心地の一つでもあり、珈琲法要の故事からすれば発祥の地と言ってもよい弘前ですが、成田専蔵珈琲店では海外に直接契約している農園があり、それを自社工場で焙煎して厳しい品質管理の下で販売提供しているわけですから、これは原点であるとともにサードウェーブと重なるスタイルであるのがわかりますし、専蔵先生から「スタバは古い、これからはサードウェーブ」と言われても何のことやらわからなかったのが、ようやく腑に落ちたところです。
スタバの件では、民間資本とのつきあい方で問題提起をしましたが、市では地元の珈琲館傾斜との協議をするとし体ましたが全然動きがないそうで、周回遅れのスタイルが弘前の珈琲文化とも相容れずに北京・故宮から撤退したような始末にならなければよいがと、心配したくなってきました。

それはさておき、以前開催したカフェトークも修故創新塾も開店休業になっていますので、この機会においしい珈琲をいただきながら、弘前の珈琲文化とサードウェーブという新時代を受けての未来予測を成田専蔵先生に学ぶ、修故創新カフェトークを行うことにしました。
下記のとおり開催しますので、ぜひ学び語らいましょう。
  • 日時:2/21(土)10:00~
  • 場所:城東・成田専蔵珈琲店
  • 会費:無料/各自珈琲を注文していただきます

市民にとっての雪灯籠まつり


IMG_2149-2015-02-7-09-00.jpg弘前の冬のイベント・雪灯籠まつりは今日開幕ですが、昨日は加えていただいている岩木山桜会議の雪灯籠づくりに協力してきました。最近の好天続きが逆効果で崩落寸前になっていたため思いがけず大変な作業になりましたが、これまでにないできばえに仕上がったそうで何よりでした。

実は、市民とはいえ元々は相馬村民だけに雪灯籠をつくるのにかかわったこともなければ、子どもたちが学校や子ども会の活動でつくりに来たこともなかったので、まつり期間前の弘前公園で作業をする貴重な機会となりました。
この時期でも、公園には中国系のツアー客が回ってきて雪だるまを喜んで見入ったり、イベントの準備で来た佐藤ぶん太、と出くわしたりと、来てみなければわからない出会いもありますし、これだけの準備が必要なのだと気づくことにもなりました。
考えてみれば、春の桜まつりと秋の菊と紅葉まつりに市民がかかわる場面はほとんどなく、夏のねぷたは自分たちで作って出陣するにしても、ねぷた小屋は各地に散らばっているのでそれぞれの活動ぶりは見えない形だけに、冬の雪灯籠づくりだけは市民や各団体が同じ場所で作業する稀有のイベントだというのを初めて実感しました。
桜会議の皆さんも「この天気だと崩れるかも知れないから、来てみないと」と話していたように、自分たちが手をかけた雪灯籠や雪人形があることで足を運ぶ気にもなりますし、その意味では四大まつりとして一くくりに考えるのではなく、市民参加型で行う最大のイベントと位置づけて考える方がよいのではと思えてきました。
それからすると、私のように作ったことのない市民の方が大多数だと思いますし、子どもの頃の記憶と比べても雪灯籠の数が減っているように思いますので、より多くの市民が参加協働する働きかけをしていくべきだと思います。

何はともあれ、まずは見ないとはじまりませんので、今日から11日までの間にぜひ弘前公園に足を運びましょう。

2015年2月6日金曜日

子育て支援課長に刮目

昨夜、Facebookからいただいた情報を朝イチで子育て支援課に伝えたところ、午後には課長対応で説明をいただくという展開でしたので、その概要をお知らせします。

いただいた情報というのは、笹森町にある子育て支援センターが今年度で閉鎖となるが、同時に閉鎖となる和徳幼稚園に移転する形で継続できないものかということでした。ヒロロが開業し3Fにヒロロスクウェアが開設されて子育て支援センターも組みこまれているのですが、こういうところにはしわ寄せがきます。
急なアポに対しても段取りよく予定を調整してくれて午後に時間を取っていただいたのですが、後藤課長の要領を得た説明で三つのことがよくわかり、(女性向けの言葉ではありませんが)刮目してしまいました。
一つ目は、5歳児検診を開始したところ知的障がい・発達障害や境界域にある子どもが多いことがわかったので、閉鎖後は2Fで開業している知的障がい児通園施設を1Fまで広げてもらい、軽度の身体障がいまで対応するように準備を進めているのだそうです。
二つ目は、子育て支援センターの機能に関しては、新年度から市内の保育所のうち21ヶ所が認定こども園に切り替わるのだそうで、その条件として子育て支援事業を実施することが入っているので、相談窓口としては格段に増えるのだそうです。
最後に和徳幼稚園の跡地利用については、課としても検討してみたものの、文部省からの補助金で建てられている関係であと3年は別用途に切り替えると補助金返還することになるのと、建物の老朽化で床の張り替えをする必要があり、さらに立て替えるにしても売却するにしても地下に埋設されている下水管の処理も発生するということで、これから公共施設をどのように集約活用していくかというファシリティ・マネジメントの観点からは、活用を図るわけにいかない状況であるとのことでした。
また、情報をくださった人が相談よりもセンターでの活動を主眼に置いているのであれば、自分の町会の集会所→公民館であれば無料で借りることも可能であるし、日程が合えば近隣の児童センター・児童館なら午前中の空き時間に使ってもらうこともできるので、そういった方法も考えてみてくださいと伝言までお願いされました。

こうして足を運んでみると、該当年齢の子どもがいないという言い訳はさておいて子育て環境の変化についていけてないのを痛感しましたし、子育て問題のようで障がいやファシリティ=施設管理のことまでかかわってくるように、多面的に問題を理解する必要がありますし、そのことをしっかり市民に伝えていく役割の重大さもわかりました。
これで納得してもらえるかは別にしても、久々に実のある説明を聴くことができて何よりでした。

2015年2月5日木曜日

「自分ゴト」としての862万円

先日お知らせした岩木側市民ゴルフ場問題を考える市民ネットワーク総会は、59名で行政訴訟を起こしているにもかかわらず、約20名の参集にとどまり、マスコミの取材すらないほど関心を引かない形に終わりました。
ムダな公費支出であり葛西市長の政治姿勢が問われる問題にもかかわらず、こういう結果にとどまっているのは、多くの市民にとっては自分に関係のない「他人ゴト」にしか思えないからでしょうし、どうしたら政治に関心を持ってもらえるかという大問題を改めて突きつけられた気持ちです。
ただし、その総会の中でヒントをいただいたので、気を取り直して皆さんにも「自分ゴト」と思ってもらえるよう、お伝えしたいと思います。

総会に参加した方々からの意見には岩木川の水質への悪影響、ゴルフというスポーツが多くの市民のためのものであるのか、今の指定管理者はどんな会社なのか、などなどゴルフ場にかかわる問題は多岐にわたるのに、行政訴訟で争っているのは862万3千円の特別清算補助金の支出を差し止めることの一点だというのも、「他人ゴト」に思えてしまう一因だと思います。
それをいいことに、市が裁判所に提出した答弁書では、市の会計規模からすれば過大な支出ではないとまで言い逃れているのですが、今回の意見交換の中でそれが3歳児まで無料となっている医療費を就学時まで拡充するのに必要な額だという話が出ていたように、自分の身の回りで何とかしてほしいことを実現できるとわかれば、それならそちらに回してほしいと、「自分ゴト」に思えるのだと気づかされました。
その意味では、さまざまな問題が見えてきているにもかかわらずふるさと納税が広まっているのは、石垣修理といった自分の望む自治体の応援や事業推進に寄附が回るのがハッキリしているだけに「自分ゴト」と思えるからでしょうし、この補助金862万円をあなたが希望する事業に回しますので提案してくださいということになれば、それこそ真剣に考える人も多いのではないかと思います。
ゴルフ場問題を市政の大問題として追及することも当然必要ですが、そうやって支出するだけの余裕があるのであれば何に使うべきかを考えるという見方をすれば関心を持ってもらったり、問題の核心まで伝えることにつなげることも可能になるという発想も大事ですし、その上で支出すべきか使わずに次に回すかを判断するという流れへと進めていくのがよいと思うのです。

さて、皆さんなら862万円を何に使ってほしいですか?

スタバ問題で改めて気になること

一部市民の反対や懸念の声に応えることもなく、4月の桜まつりに向けて旧師団長官舎へのスターバックス開業の準備が進められています。
今の時点で止めることもかないませんが、市民の皆さんに改めて考えていただきたい情報を二つお知らせしたいと思います。

一つは、スターバックスでアルコール提供がはじまるということです。
これはカナダでの話題のように伝えられていますが、この件に詳しい知人からの情報によると、スタバは投資家筋から新たな取り組みを求められており、もしかすると師団長官舎への出店もその一環かも知れないということでしたが、もしかすると市役所前の文化財からほろ酔いの客が出てくるようなことになりかねませんし、今の立体駐車場の状況からすると事故を誘発する懸念も生じてきます。
もう一つは、スタバのような強力な民間資本に対して市からのコントロールが効くのかどうかということです。
スタバが進出した公共施設としては、佐賀県武雄市立図書館が有名ですが、ここは当時の樋渡市長が主導してTSUTAYAが指定管理を受託したことで注目され、弘前市議会でも視察に訪れているようです。
功罪伴う指定管理だというのは、利用者数の急増や視察見学の増加の一方で、江戸時代の蘭学史料を放り出しているといった収蔵庫としての機能を損ねているという批判などから伝わってきますが、一番の問題は図書の貸出にT-POINTカードを用いることで公共のための個人情報が民間企業に流れる懸念があることです。
これに対して、私がいるから大丈夫とタンカを切っていた樋渡市長が1月の佐賀県知事選に打って出てしまい、市長からすれば総務省の後輩でもある30代の秘書室長が後継する形となりましたが、良し悪しは抜きにしてもカリスマ的な樋渡市長であれば対等に交渉できていたことでも、能吏であっても押しが強いわけではない市長に代われば、どこまで民間の圧力や暴走を止められるか心配になるのが当たり前だと思います。

弘前市の場合も、葛西市長はリーダーシップを持って次から次へと新規事業に取り組み、その一環としてスタバ出店や今関勝さんの採用という民間資本との連携を進めているのだと思いますが、実務をつめていく職員がそれについていけるのか心配ですし、次の市長がこれと反対の姿勢に立てば180度ひっくり返す必要に迫られることも出てきますから、より慎重な取り組みと市民も趣旨に納得して応援してもらえるだけの説明責任を果たすべきだと思うのですが、どうもそういう風には見えません。
民間の立場に立てば、ダイエーが旧ジョッパルから撤退したように、経営環境が変われば進退は自由というのが当然でしょうし、ましてや師団長官舎は文化財であるだけに手を入れてしまえば元に戻らないわけですから、その場の思いつきで進められては困ることばかりだと思うのです。

民間の力を生かすことはこれからますます必要になってくると思いますが、それだけに市としてどのようにかかわるのかしっかりと固めてからではないと危ういだけに、心してかかるべきだと思っています。

2015年2月4日水曜日

春に立つ思い

いよいよ立春、市議選のある季節に入りました。
季節は変わりましたが、このBlogで自らの思いや提言、市政への向き合い方をつらつらと表明してきたものの、ここ数日で読了した本田哲也・池田紀行両氏の著作にふれて、自分への支持拡大ばかりでなく選挙への関心を呼び起こすにはどうしたらよいのか考えさせられました。

本田さんの『[新版]戦略PR』には、「カジュアル世論」と名づけられた空気をつくることが戦略PRであるとされていて、これは広告やマーケティングが賢い=疑い深い消費者に通用しなくなってきたからこそ重要になってきたことが、2008年のハイボール復活などを例に引きながら紹介されています。
これを選挙に置き換えて考えると、政治にかかわる人間が選挙に行きましょうとか自分を支持してくださいと真っすぐに主張しても、有権者からすればその候補者が当選しても何か変わるとは思えないという空気が変わらない限り投票に行こうとか応援しようと思えないということになりますし、弘前市や青森県の低投票率はまさにこの空気の表れということになります。
その本田さんと、ソーシャルメディアマーケティングの第一人者として知られている池田さんが、それぞれの立場を補完しながら社会的な影響力を発動させるためのエッセンスをまとめたのが『ソーシャルインフルエンス』です。
その中には、物事が自分に関係のある「自分ゴト」と思ってもらえるように働きかける難しさが語られていますが、これは無関心だったり関係のないことと無視している「他人ゴト」と思っている人に広告を打っても関心を引かないのと同じく、選挙に関心のない市民に私はこんなに真剣に市政に取り組むつもりですと訴えても届かないのは道理ということです。
さらに、ソーシャルメディアにおいて口コミで広がらないというのは、「自分ゴト」から「仲間ゴト」「世の中ゴト」へと波及していかないということになりますが、ニュースの中でシェアやリツイートされるのは芸能が上位で政治・国際が下位なのだそうで、その意味でも政治のことで関心を持ってもらっても広げてもらうのは至難の業ということがわかります。

それだけに、今私が考えなくてはならないのは、毎日Blogを更新して幅広い分野の中でどれかは関心を持ってもらえるという当てずっぽうなやり方でなく、市民の皆さんがこのことを何とかしてほしいと思っていることは何か把握し、それに対してどんな姿勢で向き合うのか理解してもらうことを今一度考えていこうと思っています。
そんなことより、一人でも多くの人にあいさつ回りをして顔を売ってこいという声が聞こえそうですが、自分が市議になれればよいというのではなく、弘前市の政治を変えたいと思っているからには、根本から変える動きをしなければならないと思うだけに、この難題に取り組みたいと思うのです。

これが立春にあたっての、私の思いです。

2015年2月3日火曜日

今冬最後の雪対策私論

今日は節分、暦の上では今冬最後の日ですし、これで最後になってくれればという思いで雪問題で考えなければならないことを述べておきます。

昨日の降雪で弘前市の積雪量は114cmとなり、青森市を30cm上回っているのだそうですが、近年では驚くことでもなくなるほど、大雪に見舞われ続けています。
それでも、この1週間は雪の日が少なく、各所で屋根の雪下ろしや排雪に励む姿を見かけましたが、気になるのは娘を送る際に桜ヶ丘団地から自衛隊に抜ける道路にある川にかかる橋から投雪するために軽トラックが並んでいるのを見かけることです。
岩木川と堀越どちらの雪捨て場でも距離があり、家の分の量なら大した迷惑にもならないという気持ちで近隣の人がやっていることだとは思いますが、河川に雪を捨ててはならないのは決まっていることであり、守ってもらわなくてはなりません。
守ってもらうためには、もう少し雪捨て場を増やして分散させる必要があると思いますが、場所を確保するとなると各方面に広い公共用地があるわけではありませんので、増やすとなると私有地を提供してくださる方と契約する必要に迫られることも考えられ、それがさらなる支出につながるだけに二の足を踏んでいるのだろうと推察します。

そこで考えなくてはならないのは、雪捨て場の有料化です。
実は、昨年3月に策定された「雪対策総合プラン」でも検討課題として明記されており、有料化に関する懇談会を設けるとされているだけでなく、雪捨て場に関していくつか提言があり、融雪機能を付設したスマートパーク、都市公園や学校の校庭を雪捨て場として活用、さらには民間雪捨て場に対する固定資産税減免といったことも上がっていますが、今のところ動きは見られないように思います。
農地や公園・校庭に関しては、箇所数を増やすのには手っ取り早いかも知れませんが、春先には消雪して本来の使用に向けられる必要があるだけに実際には効果的ではなくなる可能性もありますので、スマートパークや札幌市のような融雪機能のある雪捨て場というのは設置費用がかかるだけに、おいそれとは着手できないだろうと思います。
これらのことを考えあわせて、現実的対応として排泄量を抑制していくには有料化というのが一番妥当なところだと思います。
個人や事業所からの排雪に関してのみ有料とし、それを新たな雪捨て場確保や融雪設備設置のための財源に充てるとすれば、利用する市民にも納得してもらえると思いますし、このような動きが雪対策を我がこととして市民に考えてもらう契機にすることにもつながります。

雪の問題には、皆さん苦労しているだけに思いがあるでしょうから、ぜひご意見をお聞かせいただきたいと思います。

2015年2月2日月曜日

長谷川成一館長と語らう

白神山地財団主催の「白神の恵みと環境教育フォーラム」に参加しました。
財団がメインで伝えたかったのはESD:Education for Sustainable Development=持続可能な開発のための教育を新年度から展開することでしたが、市立博物館・長谷川成一館長の基調講演「江戸時代の人は、天気不正の原因をいかに考えたか?」が終わったところで席を立つ人が少なからずいたのを見ると、どちらを目的に参加していたのかわかる気がします。
講演の内容は、江戸時代の弘前藩で天気不正=異常気象をどのようにとらえていたのか、それと岩木山信仰がどのようにつながるのかということでしたが、関心の高い参加者が多かったせいで質問が次々と上がり、それに対して先生がていねいに学者としての本分を守りながら回答されていたのが印象に残りました。

私も財団の事務を所管しているエコリパの会員ですので、終わってからの交流会にも加わったのですが、ちょうど先生と対面の席でしたので、この機会とばかりに質問をぶつけてみました。
先生は秋田県本荘(現在の由利本荘市)生まれで弘大で学んで以来弘前市に在住されているのだそうで、弘大を退官して昨年4月から博物館の館長に就任されています。
就任当初は職員が引っ込み思案でギャラリートークをしたいという申し入れを断ることまであって驚いたそうで、まずは自分が積極的にやってみせようということで自らギャラリートークを行ったところ、入口のロビーからあふれるほどの聴衆が集まり、安全面を考慮して100名限定とすることにしたものの、3日もあれば埋まってしまい電話がつながらないという苦情をもらう形になって、うれしい悩みを抱えているとのことでした。
動くことで人が集まるのを目の当たりにしてからは職員も前向きに企画を考えるようになり、非常にいい形で運営できているということで、これは外部の人材がもたらしたプラスの効果が出た好例だと思います。
歴史のことでいえば、初代為信公と2代目信枚公の間に長子である信建がいて、関ヶ原の戦いの際には西軍で大坂城を守る立場であるほどの存在だったので本当の2代目はこちらで信枚公は3代目ではないかと質問したところ、藩主とは幕府が定めるものなので津軽家12代というのは変わらない、ただし惣領と認められているので津軽家としては後を継いだということもできると、文献史学者の立場からご教示いただきましたが、その信建がイエズス会の史料に名を残しているのが発見されたそうで、4月のギャラリートークのテーマにされるそうです。

長谷川館長とお話ししてみると、外部人材の登用の効果というのがわかりますが、他の方々だと外で講演したというのを聞いたこともなく、中での仕事ぶりはさておいて、それが外に伝わっていかないのはもったいないことだと思いました。
ESDには、ひろさき魅力プロデュース室の盛和春室長も参画しているのですが、今回は交流会参加の予定が都合がつかなくなったのだそうで、スタバ問題の真相を聞けずに残念というか、見当違いの批判をするなと先輩からのお叱りを受けずにホッとしたというところでしたが、この件でも室長が市民に向き合って語ってくだされば疑念を抱かれずにすることもあると思っています。

最近、葛西市政批判を繰り返していますが、いいところは認めるの表れと受けとめてくださるとうれしいです。