2014年5月31日土曜日

ゴルフ場、新展開でいいのか

この1週間のうちに、岩木川市民ゴルフ場について大きな展開がありました。
6月定例会に指定管理者としてサッカーなどの総合スポーツクラブとして活動しているNPOリベロ津軽が候補として名前が上がり、続いてこれまでの指定管理者であったウォーターフロント社が所有する形になっているレストランなどが入る管理棟や給水施設などを市が買い取るという追加提案があることも明らかになりました。
このことについて、私の立場を明らかにしておきたいと思います。

最近、葛西市長も視察に訪れて現在の状態や利用者数が伸びていることを喜んでいたと報じられていましたが、4月からの直営での暫定営業にあたって料金値下げをしたことで好転しているようです。
指定管理にあたってはニュースポーツでの活用も条件となっているようで、市としてはまずは多くの市民が利用する場であることから必要な施設であることをアピールするねらいがあると考えられます。
ただ、この問題を考える市民ネットワークにかかわって知識を得てきた立場からすると、現在のゴルフ場は都市公園の一つとして位置づけられているもので、実は社会体育施設ではありません。その不明瞭な位置づけのままで、リベロ津軽というスポーツ団体に指定管理させるのは行政手続き上の問題があると思います。

それ以前に、岩木川河川敷に公園もしくはスポーツ施設を整備する意義は現在でもあるのかという疑問があります。
リゾート法やNTT株の売却益の運用ということからスタートしたゴルフ場ですが、当初はこれを含む大規模なリゾート開発計画の一部であったことが明らかになっていまして、そういうものが河川敷という国管理のエリアで計画されたことにそもそもの間違いがあると言えます。
また、その後の計画では防災にも活用できるという理屈がつけられていますが、昨年の台風18号ではいち早く浸水してしまい、防災には何の価値もないないことは明白です。
さらに言えば、現在東北の一級河川では一番汚染されているということにされている岩木川に、芝生を維持するための薬剤散布が行われることだけでも、環境の問題から見直さなければならないと思いますし、現在の位置づけの都市公園であればなおさらです。
今ある施設を利用する人があるなら存続させるべき、という表面的な判断では済ませられない問題です。

もう一つ、これは議会レベルで議論することではありませんが、ウォーターフロント社とりわけ代表取締役を務めてきた鳴海康安先生に対して市そして葛西市長は道義的な責任があるのではないでしょうか。
当初の計画を進めるにあたって市が直接ではない形を取るために、当時の市体協会長であった康安先生を代表とする会社を設立したのが、ご存じのとおり利用者が見込みを下回って指定管理料での補てんでも間に合わず特別清算に追いこまれたのですが、これまでも康安先生が個人として支出して支えてきたともれ伝わってきますし、今後の預り金=会員権総額2億円以上の返済にあたっても市との縁が切れた形である以上、その大半を康安先生がかぶる覚悟なのではと個人的には思っています。
康安先生は、弘前市を代表するお医者様であり一時は市長候補に擬されたこともある大人物ですが、葛西市長芋誕生にあたっても後援会連合会会長として先頭に立って応援した方です。そのこととゴルフ場問題をリンクさせて批判を受けることになったので後援会長は辞したわけですが、ウォーターフロント社との契約が切れ後援会長でもないから、後の始末は知らぬ存ぜぬでいいものなのでしょうか?
康安先生とは母校の同窓会で一緒させていただく機会があるのですが、私がゴルフ場ネットの人間であると知りながら、というよりも知っているからこそ、昨年の春の特別清算を決める前に「三上君、ゴルフ場のことは厳しく見守ってくれ。」とまっすぐにおっしゃっていただいたことが印象に残っているだけに、その覚悟と無念を思うにつけ、私たちゴルフ場ネットとの対話も拒否されている葛西市長におかれては康安先生とは果たして対話されての決着なのだろうかと、いらぬ心配をしてしまいます。

これらのことから、そもそもゴルフ場が必要なのか、そして葛西市長の政治姿勢にかかわる問題だと思い、これからも見届けていくつもりです。

2014年5月29日木曜日

知られざる駐車場問題

これも先日の傍聴でのできごとなのですが、19日の経営計画の審議を10:00~15:00で傍聴して戻ろうとしたところ、ワイパーに長時間駐車の警告がはさまれていました。
これまでも傍聴で丸一日置いたこともあったのですが、駐車場の管理にあたる方が見慣れた車ということでおとがめなしだったのが委託先が変わって議員提示のない一般車両としての当然の処理をされたのだと思います。

そういう事情なので、前日のおわびかたがた担当課である財産管理課に足を運んで長時間駐車の手続きをしてから補正予算の審議を傍聴したわけですが、おかげで17:30という想定外の長さになっても警告はされていませんでした。
この件で、課長とは議会傍聴は長時間になることもあるし手続きの手間を省くために議会事務局と一回で済むような方法を検討してほしいという話をしていたのですが、脇で聞いていた課員が「こちらに手続き用紙がありますので」と割ってきたので、その二度手間を何とかしてほしいんだけどと思いつつ記入しましたが、このあたりがお役所仕事と思ってしまいました。
もう一つ、今回の補正予算で庁舎の増築で立体駐車場を整備するという案件がありましたので、その際でも傍聴での長時間駐車には配慮してほしいということを伝えたところ、課長も「そういう問題もありますねえ」と頭に入れていただけたようでしたので、足を運んだ甲斐がありました。

これも議員特権があるのでは気づかない問題だと思いますし、それを伝えるのは私の役割だと思っています。

2014年5月26日月曜日

道路維持課と現場で質疑

本日、道路維持課から課長・課長補佐・係長の3名が我が昴町会に足を運んでくださり、融雪溝や街路の破損状況などを実地検分するのに案内役をさせていただきました。
このこと自体は町会長としての役目ですので、このBlogに書くようなことではなりませんが、いくつか市政とりわけインフラの維持にかかわる問題でやりとりすることがありましたので、お知らせしておきたいと思います。

分譲から20年近くなっている昴町会ですが、融雪溝は井戸を掘っての地下水で対応しています。
数年前に点検した際に、井戸の菅の接合部分が途中でズレて砂が入りこむようになっていること、そのせいでポンプに砂が入りこんで動力が落ちてきていることなど確認されているそうで、隣の湯口町会の融雪には農業用水を利用していることもあり、早急に同じ水源に切り替えたいという説明がありました。
これは、新しい井戸を掘る経費が2000万円程度を見こまれること、それも隣接する町会で使用している水源で対応できるとなれば、満足はできないにしても納得して受け入れるしかないわけですし、そのために市に望むことは早めに計画をまとめて住民にも納得してもらえるような対応をお願いしたいということです。
私がそういう判断に立つのは、もう一方で市内の防犯灯が全面的にLFD化される中で、昴町会では雪が降れば埋まってしまう高さの特殊なデザイン灯であるためLED化どころか球切れすれば手当もできない状況であるため、この全面更新こそ早急にお願いしなくてはなりません。
ところが、この見積もりも5000万円という話になっており、自分たちでどうにもできないことはお願いするしかありませんが、今よりサービスが低下しても他町会と同等レベルというのであれば我慢して受け入れなくてはならないと思うのです。
一町会にあるインフラですら、どれを更新し見直していくのか判断する難しさがつきまとうわけですが、これを全市レベルで取り組んでいくのがファシリティマネジメントということになります。
一つ一つの施設設備についてではなく全体としての最適解を見いだしていくのですから大変だと思いますが、葛西市長は県庁職員時代にその分野で全国に名をとどろかせた実績をお持ちのようですし、それを各町会や地区で今回の維持課のようなていねいな対応をしてくれれば、市民も納得すると思います。

ただ、その計画にかかわる予算を審議するのは議会ということになりますが、今回の補正予算でも本庁舎の増築ばかりでなくインフラ整備にかかる予算はいくつもあったのに、ほとんど質疑がされないままで可決となりました。
融雪溝のことでも、遠隔監視システムに9500万円という大きい額が計上されていたのですが、まったく誰もふれずじまいでしたので、この機会に教えていただいたのですが、現在使っているシステムが十数年を経過してカメラの故障なども多くなり更新が必要となったので、今回は独自仕様では1億5000万円という見積もりを汎用性のあるものに置き換えて額を抑えたということでした。
他の職員の方からもうかがったことがありますが、「質問されるのはイヤだけれども質問されることによって自分たちの取り組みが知ってもらえるメリットもある。だから、質問してくれる議員に感謝することもある」そうなので、これだけしっかり答えられる準備をしていた道路維持課長にとっては、腹をすえて予算審議に臨んだのが肩すかしを食らった気分だったろうと拝察します。

私だったら必ず質問したんですが、というと笑って帰られましたが、内容を明らかにするばかりでなく職員のモチベーションにもつながることだけに、質問をする意義は大事ですし、あまつさえ質問時間の制限などあってはならないことだと、この機会に改めて言っておきたいと思います。

2014年5月23日金曜日

平川市長選事件をふまえて宣誓

地元紙で大きく報じられているばかりでなく、全国紙でも取り上げられたこともあって、平川市長選における選挙違反問題は津軽の政治風土の未開ぶりを改めて白日の下にさらすことになりました。
この機会に、事件に対する思いと私の選挙に臨む姿勢をお伝えしておきたいと思います。

この津軽では、町村を二分しての首長選挙の際などに露骨な現金買収や開票作業の妨害といった所業が横行し、それを「津軽選挙」という言い方をしていました。
最近では昔ほどの激しいものではないにしても、前回の統一地方選では県議選では隣接する南津軽郡区そして弘前市議選でも逮捕者が出ており、いまだにその政治風土は改まっていないと思っていましたが、さすがに現職市長であった候補者自らが関与し半数に近い9名の市議が現金を受け取ったり渡したりすることを平然とやっていたのですから、あきれるほかはありません。
私自身は前述のように二元代表制の地方自治において議員が市長選にかかわること自体をノーとしていますが、五十歩譲って応援するのであれば政策の一致、百歩譲って人物に共感してというのならまだしも、現金受領で動くのでは本当に支持していると言えない振る舞いだと思います。
この件で考えなければならないのは、今回はもらう側だった市議諸侯が自分の選挙では配る側だったということもありうると思いますし、それで動く選挙関係者と呼ばれる市民もまた存在する限りは、いくら事件が重なっても違反はなくならないということです。
とりわけ、今回の事件で政治家以外で逮捕されているのが社会福祉法人の理事長であり、違法な支援をしたのが前市長時代の事業展開の見返りだったのであれば立派な贈収賄事件となるように、選挙とカネばかりでなく政治とカネの問題もはらんでいるところに、政治風土を改めなければ社会も変わらない根深さが見えてきます。

ひるがえって、自分の選挙のことを思い返してみますと、1999年の最初の村議選は直前に立候補を決め無投票で当選しましたが、2期目が選挙になった際に自身も村議であった父から「カネをまかなくていいのか」と言われて「そんな気はないし、そんなことはしないでくれ」と突っぱねた記憶があります。
それほど、昔は当然のことだったのでしょうが、それを断っても父の得票数を上回ったことで自分の正しさと時代の変化を示すことができたと内心喜んだものです。
2007年の市議初挑戦の際は、曲がりなりにも地縁血縁が生きている選挙態勢で当選できたのですが、後日母から「これだけの人にあいさつに行った」というリストを見せられましたので、カネでとはいかないまでもお礼の品を持参しての隠密行動があったのは事実ですから、今回の事件を大っぴらに批判できる立場ではありません。
その父母と絶縁し逆に落選運動までされて臨んだ前回の選挙は、私が戸別訪問する際も活動報告以外のものを渡したことはなく、ノー選挙カーでの選挙活動だったのでポスター張りの人たちに交通費とお弁当代程度のお礼をしただけで済みました。
ただ、厳密に言えば戸別訪問もお礼も選挙違反でして、清貧で公正な活動に努めても引っかかりますし、逆に選挙カーのガソリン代不正請求問題のように出さなくてもよいものにまで公費が使われているという矛盾があるのが現在の選挙制度であるのも、この機会に知っていただきたいと思います。

この経験さらには福祉の仕事を法令遵守違反で失ったこともふまえて、来年の選挙は徹底したルール遵守そしてムダな公費支出削減で臨みたいと思います。
簡単に言えば、50歳の体力なら何とかできそうなノー選挙カーと、ポスター張りなどの選挙スタッフにも一銭も出さないことを、ここに宣誓します。
それでも手伝ってくださる方、今から大募集です!

2014年5月22日木曜日

新規PR事業スルーへの懸念

補正予算が時間に追われて消化不良のまま可決されたことをお知らせしましたが、質疑が行われなかったものでシティプロモーションにかかわって気になること見届けていかなくてはならないことについて書きとめておきたいと思います。
Facebookページの活用などでうまく進めている感のあるシティプロモーションですが、今回の補正予算では新規事業として、
  • 広報ひろさきAR掲載事業:1080千円
  • シティプロモーション用PR素材の制作・活用:2942千円
  • 「住みたいねHIROSAKI」イメージアップ戦略事業:10000千円
  • 産み育てたいまち「ひろさき」PR事業:1000千円
  • りんご消費宣伝強化事業:27000千円
  • おいでよひろさき・もっと魅力発信事業:11926千円
  • プロジェクションマッピング事業:15716千円
  • 外国語パンフレット作製事業:20600千円
  • 観光ツール表示強化事業:1000千円
  • PR映像発信事業:3000千円
と、まちづくり・農業・観光などの幅広い分野で情報発信にかかわる事業が並んでいましたが、りんご消費とプロジェクションマッピングでさわりの部分への質疑はありましたが、その他の項目に関してはまったく質問がなかったのです。
修正案が出されたヒロロスクウェアCMが3680千円だったことを思えば、これだけの金額がどんな内容なのか問われることもなく承認されたことを市民の皆さんにも知っておいていただきたいと思います。

とりわけ、広報ひろさきAR事業とプロジェクションマッピング事業は最新の技術を活用しようとするものですから、もっと概要を明らかにしてほしいと思いましたし、これを地元の事業者に発注する方向なのか気になるところです。
これまでの弘前公園でのプロジェクションマッピングや公園案内のiPhoneアプリ開発に携わった地元の人材がありますし、情報発信にかかわるIT分野でがんばっている事業者も多いだけに、今回の「産業競争力推進事業」で重点3分野と位置づけられた食産業・精密医療産業・アパレル産業以上に成長を期待できる分野だと思うからこそ、これらの事業の成功そのものだけでなく地元活用を考えていただきたいと思うのです。

ぜひ皆さんにも情報発信やシティプロモーションに協力してもらうだけでなく、そのことが地元の力で推進できているかどうかにも関心を持っていただきたいと思います。

2014年5月21日水曜日

教育長3代への感謝と期待

地元紙の報道によると、昨日の予算特別委員会と並行して教育委員会が開催され、先日新任された佐々木健さんが教育長、九戸真樹さんが教育委員長に選任されたそうです。
前任の佐藤紘昭教育長の任期が19日まででしたので、空白の一日を生んだ形になったのですが、この機会にご縁をいただいた3代の教育長について記しておきたいと思います。

実は19日の朝、4年の任期が本日最終日ということで、僭越ながら佐藤教育長に電話で4年間の感謝を伝えました。
佐藤教育長は北海道出身、弘前大学から教員の道に進み特別支援教育では全国でも高名な実績を残し青森高校校長で退任、葛西市長初当選とともに教育長に招へいされた方です。
人事提案の質疑の際に、私は弘前市と縁の少ない人物を教育長として迎える意義を葛西市長に質したことを覚えていますが、その後の議会での答弁や教育基本計画の内容などからしても本当に立派な教育者であることがわかり、不遜な質問をしたおわびもしなければと思っていたのです。
その件については、佐藤教育長にも耳に入っていたそうで、「だからこそ、4年間弘前らしい教育をめざして努めてまいりました」と言われましたので、まさに汗顔の至りでしたが、そんなことも自分の糧にできる方こそ真の教育者だと改めて尊敬の念を覚えました。
これからも、弘前市を外からの視線で見守り導いていただきたいと思います。

このお別れのあいさつには、その前任の石岡徹教育長との思い出があったからといういわくもあります。
石岡徹教育長は、市内の中学校に長く勤め弘前二中の校長で退職の後、前市長時代の教育長として就任され市長交代も重なったため1期4年で退かれたのです。
前市長から忌み嫌われていた私でしたので、石岡教育長としては遠ざけておきたいのが本音だったかも知れませんが、そういう態度はおくびも出さず、いつも真摯に向き合ってくださいました。
それは、中体連の地区大会を土日開催にできないかという私の一番最初の6月一般質問を受けて、来年度からは移行しますというのを12月に表明し、質疑を終えて顔を合わせた際に「あの質問が決め手になった」と言ってくださったことに現れていましたので、私も前市長派の教育長だと色眼鏡をかけて見ることもなく、後に妻の恩師の一人であることを知って、さらに親しみを感じながら接していました。
葛西市長当選後の5月に入ったところでちょうど伝統的建造物に関する全国大会が弘前市で開催され、市議の中では唯一見学ツアーに参加していた私も懇親会に参加する栄に浴したので、その席で石岡教育長に再任のことをうかがったら、「もともと1期で退くつもりだった」と晴れ晴れとおっしゃったので、その席が3年間のご縁に直接お礼を述べる場となったのです。

では佐々木新教育長ですが、前任のお二方に勝るとも劣らない教育者で、以前からこの人が教育長ならばと思っていた方だっただけに、今回の就任は我が意を得たりと思わずにはいられません。
佐々木教育長は葛西市長の母校でもある弘前一中の校長で退職された方ですが、ちょうど所属していたライオンズクラブの奉仕活動でかかわる学校でしたので、何度かあいさつを交わす機会がありました。
その頃、地域が学校運営にかかわるコミュニティスクールや地域支援本部に関心を持っていたので大館市・城西小学校を見学したことがありましたが、じつはその際にとって返して市内で唯一地域支援本部に取り組んでいた一中に足を運んでいたのです。
そこで佐々木校長にお話をうかがうと、市から指定されたのではなく二中・裾野中の教頭時代に学区の小学校と地域を巻きこんだ育成協議会を立ち上げてきた経験から進んで手を上げたことを知り、灯台もと暗しであったことの不明を恥じたことがあっただけに、まさに相馬中でも取り組まなければならないと考えている、これからの教育の地域経営にはうってつけの方だと思います。
また、市内の中学校を知る立場だけに、昨年来のいじめ裁判事件にも現場感覚で向き合うことができる強みも求められての人選であるのは、言うまでもありません。

こうしてみれば、3代の教育長とも立派な方ばかりであり、ご縁をいただいてきた立場として、お二方には感謝、佐々木新教育長には期待をお伝えしておきたいと思います。

2014年5月20日火曜日

二日連続の傍聴で感じたこと

昨日の経営計画に続いて、市長選直前ということで骨格予算だったものに本格的な肉づけをする補正予算審議を傍聴しました。
20億円近い補正額で277もの事業を追加する内容だけに、総務・民生・教育といった款ごとの審議で事前通告も質問時間制限もないスタイルだけに議論が白熱するのを期待していたのですが、総務費49事業に対して11人が延べ24項目にわたって2時間を超えた午前から時が進むにつれて質問者も質問数も減っていき、今日も終わるはずがない展開から30分オーバーで修正案の提案採決までもが終わってしまいました。
表にまとめてみましたが、尻すぼみの実態がわかっていただけると思います。

事業数質問者質問項目
総務費491124
民生費1558
衛生費1355
労働費412
農林費44810
商工費7058
土木費3555
消防費1200
教育費3546

まちづくりや行政運営の土台にかかわる総務費については質問が多かったのですが、経営計画において戦略推進システムの中心に位置づけられるビッグデータ・オープンデータについてはまったく質問がなく、一番多くの事業提案があった商工費には観光や公園なども含まれているのですがほとんど質されなかったようなものです。
3月議会で時間制限に質問を阻まれて嘆いていたのに質問をたたみかけようという姿勢が見えなかったり、自分のBlogでは庁舎増築に疑義を呈しながら増額になっても何も問わないというのでは、今回こそが葛西市政の本丸なのに何をやっているのかと思ってしまいます。
昨日といい今日といい予備日にかかってもおかしくない展開でしたが、それを避けるためだけに質問を削るのでは、議論する人としての本分を失ってしまっていると言わざるを得ません。

その中で、一番取り上げられたのはヒロロにかかわる事業でした。
3Fを占める行政スペースである「ヒロロスクウェア」のCMについて一番多くの質問が浴びせられ、B1Fにある地場産品店舗についても市長与党を自認する最大会派から2名の質問があり、CMに関しては無所属議員3名から削除の修正案が提出されて否決されるという顛末でした。
事前の議案配布を受けてから協議を重ねての提出だったと思いますが、今日の議論で一番紛糾したのは産業競争力推進事業の調査業務委託料の積算根拠があやふやだという最大会派・工藤光志議員の質問でしたので、議了したところで一旦休憩を求めて、この部分の削除も含めた修正案であったなら面白かったと思うのですが、提案した側もそこまでの戦術を取ることもなく今日中に終わることに加担したようなものですから、評価のしようがありません。
昨日も原案修正に対する柔軟さがないことを指摘したばかりですが、傍聴しながら読了した元我孫子市長である福嶋浩彦「市民自治」には修正があってこそ議論を重ねたことになるという記述があり、彼我の落差の大きさに落胆するばかりでした。

それにしても、いくら怒っても嘆いても、議場に立たないことにははじまらないことを、つくづく感じた二日間でした。

2014年5月19日月曜日

経営計画可決は議会の自殺行為

葛西市政の今後4年間の方向性を打ち出す新しい総合計画「弘前市経営計画」を審議する特別委員会が開催されましたので、傍聴に足を運びました。
今回の計画は、自身のマニフェストをアクションプラン=実施計画としてPDCAサイクルを回してきた葛西市長が満を持して経営型地域経営まで視野に入れて策定させたのが特色ですが、何と300ページを超えるボリュームがあり、さらには基本構想ばかりでなく実施計画や年度ごとの事業目標までが議決事項に含まれるというのです。
基本構想部分にあたる第1・2章部分だけで午前の審議時間を費やしてしまい、第3章の分野別計画のところで15:00でしたので、この調子では予備日である水曜日にかかるものと旧知の職員と見解が一致する状況でしたので、陸上クラブのトレに向かったのですが、同じく傍聴していた知人から審議終了可決のメッセージが届いたので、驚くというよりあきれてしまいました。
「ひとづくり」以外の「いのち」「くらし」「なりわい」の分野と市民行動プログラム・戦略推進システムという大きな柱と、500近い事業などを1時間少々で議了してしまうというのは、いかにも審議が長引いたという批判を怖れたというより審議そのものに厭いてしまう習性によるものとはわかっていても、本当に議論を尽くしたと胸を張れるのか聞いてみたいものです。

これだけでも十分に自殺行為といえる有様ですが、私からすればもっと大きい理由で議論を尽くそうとしたでしょうし、議会としての責任を果たすためにこの経営計画には反対だと思う理由に以下に述べたいと思います。
一つは、分野別計画までは大筋で了解できるものですが、500近い個別事業の目標が単なる結果=アウトプットでしかなく成果=アウトカムを示していないものでしたので、議決するからには一つ一つの事業に目配りできるだけの審議時間が必要だからです。
議決をするということは、その目標値まで議会が責任を持つということですから、そこまで徹底した議論が求められるはずですし、そこでミスや見直しが必要であれば柔軟に修正した上で改めて議案に付すくらいの慎重審議でかまわないと思います。
これは目標値のことばかりでなく、前回の総合計画審議でも一言の変更を求めるのでも反対するしかないという経験をしている市議諸侯ならばご存じのことだけに、細かい部分の修正を可能にする審議日程を取らないだけでも不作為の過失があるといわざるを得ません。

さらに、全体としての計画を回していくサイクルからしても、この計画を実施して見直しをしたものを議会に諮るという「しんがり」の出番に位置づけられていますが、それが予算審議の時期というのではもはや細かいところに口出しできるレベルでなくなってしまいます。
事業終了したものからすかさず市民生活の向上という観点から成果を検証し、事業の継続や見直しについて仕分けしていくのが議会に求められることですし、それをサイクルの中に位置づけるように協議したものが計画に盛られてはじめて議会としての本分を果たすことができるはずです。
それがまったく見受けられないものを、共産党以外の全員が各論で文句を言ったことを免罪符に賛成したことにあきれるのです。

厳しいことを言いましたが、それを議場で形にできない悔しさが募ってのことですし、それだけに戻らなければと思うのです。

2014年5月13日火曜日

議会傍聴して語り合いましょう

弘前市議会は、19日に総合経営計画の審議、20日は市長選のために骨格編成だった予算を本格補正する予算特別委員会と、葛西市政の2期目そしてこれからの4年間の方向性が見える重要な審議が控えています。
市議をめざす私にしては外すわけにいかない機会ですので傍聴するつもりですが、ワークショップで政策課題を考えるにしても総合経営計画が前提となりますので、多くの市民の皆さんにも足を運んでいただき、終わりしだい場所を移してホットな感想を語り合いたいと思います。
これは、以前議会傍聴してから当日の審議や市政について語らったのが有益だったのを思い出してのことですが、先日のカフェトークで語らった際も質問の善し悪しの見方が違うのがわかることもありましたので、一番大事な審議に値する質問がされていたのかどうか、私なりの評価を示したいと思います。
また、内容を理解しながら傍聴するとともに、この点では質問がなかったというのを確認するために、総合経営計画と補正予算の資料を借りるつもりですので、その冊数把握のためにも一緒できる方には連絡をいただきたいと思います。

Facebookでイベントとして改めて案内するつもりですが、質問の質量によって開催時間そして語り合う時間の長さも変わることになりますので、なかなか合わせづらい形ですが、きっと面白い機会になると思います。
皆さん、ぜひ一緒に傍聴して語り合いましょう!

2014年5月7日水曜日

改めて政務調査費問題

地元紙のWeb速報によると、弘前簡易裁判所で市から2006年度の政務調査費返還を求められた元市議2名に対し返還命令が下ったそうです。
2003年度分からオンブズパーソンによる提訴があり、当時みのもんたの番組でまで取り上げられるほどの情けない使用失態が明らかにされたものでしたが、いまだに決着に至っていないわけです。
裁判としても、市がオンブズパーソンに敗訴して指摘された議員に対して返還を求める形ですから、これにかかる費用や職員の労力を考えるだけでも、さらにムダを積み重ねるものですし、市政の責任を負ったことのある立場なのですからいいかげんにしてほしいものです。

ところで、7年前の初挑戦の際にも主張していましたが、私としては議員報酬を減額して政務調査費を適正に支給するのがよいと今でも考えています。現在の議員報酬からすれば、報酬25万調査費20万もしくは報酬30万調査費15万というあたりで総額も減じる形にするのが妥当だと思っています。
自分の在任中には議論もできず、この3年間の特別委員会による議会改革で議員報酬の減額はありましたが政務調査費については議論が進みませんでした。
後ほど詳しくお伝えしたいと思いますが、今回は議会基本条例制定といった議会改革を声高に主張していくつもりはありませんが、議員の活動が見えるものになり成果の上がるものにするためには、これだけはぜひとも必要な改革だと思っています。
自分自身ではローカルマニフェスト推進地方議員連盟での活動や研修、政策や議会改革のためのワークショップ開催、活動レポートの印刷送付に自費での視察など、当時も精力的に活動してきた自負もありますし、これらは当然政務調査費の対象となるものですから、報酬を割いて支出するより政務調査費としてオープンになる形で正々堂々と使わせていただき、その使い方ばかりでなく成果を含めた報告を公開するべきだと思っています。
ちょうど今日、地元紙でコミュニティスクールの記事が載っていたのですが、それに知人がFacebookで「どうしたらやれるの?」と問いかけていたので議員時代の知見を情報提供しましたが、これが政務調査費による調査として報告書が提出されていれば、ネットを使わない市民でも知ることができるのです。
こういう積み重ねがあれば、ひいては議員も無駄づかいで物見遊山しているばかりではないんだという市民の理解につながり、議員という存在を認めてもらえることになるはずですので、本当に大事で必要なことなのです。

このことは、今後開催するワークショップでも皆さんと議論したいと思います。また、ネットでのご意見もぜひお寄せください。

2014年5月5日月曜日

桜まつりを別角度で見る

これまで見物客の一人という立場からしかかかわったことのなかった桜まつりに、初めて出店の手伝いという形で半日過ごすことができました。
これは、まつりがはじまる前に成田専蔵先生とお会いした際に話がはずんで、今会期中に一度は店番を手伝うということになり、残り二日のこどもの日にようやく約束を果たすことができたのです。

7:00からという約束でしたが、3年前の選挙以来の自転車での市内行きに気持ちもはやって6:30に弘前公園に着いたのですが、さすがに先生はそれより早く到着してなじみのお客様と談笑しているところでした。
珈琲をいただいてから簡単なレクチャーを受けてエプロンをして店頭に立ち、ケンタッキーを92年2月に退社して以来22年ぶりに「いらっしゃいませ」と声を出すと、昔の血が騒いでか正午まで休むことなく続けることができました。
ただ、声の出し方が店員ではなく政治家モードになってしまっているようで、市議だったことを知らないスタッフの方からは、「選挙演説みたいですね」と言われてしました。(苦笑)

その間、知り合いの方が通りかかって驚いたり、消防団の観閲式もあって多くの見物客が通るのに改めて仰天したり、長時間の定点観測ならでは気づきがありましたし、立ち並ぶ出店同士のつながりを知ることもでき、やはり見物ではわからないものを見ることができました。
また、案内する観光ボランティアガイドにも、5・6日で特別公開されていた辰巳櫓の見守り役の市職員にも友人がいましたが、そのような運営する側から見ればまた違う桜まつりだろうと思います。
議員の立場では見えなかったものを見てきた3年間でしたが、今回の体験はまだまだ知らないことがあるのを実感できた貴重な機会になりました。

2014年5月1日木曜日

素浪人残り1年のアクション

3年前の5/1、私は市議という職位を失って、素浪人になりました。
その第一歩として、岩手県野田村への訪問から動きましたが、この震災支援の活動を軸に陸上クラブのコーチ、住んでいる昴町会の町会長、弘前中央高校のPTA会長に弘前高校同窓会総会実行委員長など、大事だけれどもカネにはならない役割を務めてきました。
農家の出自でありながら、武士は食わねど高楊枝、の3年でした。

とはいえ、無職でいいと思っていたわけではなく、弘前市の「仕事おこし」に手を上げてみたり、ドリプラに参加してオヤジの再起の場となる「梁山泊!」を立ち上げようとしたり、あがいてはきたのですが、上記の役割を果たすことを優先させているうちに、3年が過ぎてしまった感があります。
市議への再起も同じことで、そのために役をやってるんだろうと言われるのがイヤでしたし、そのつもりで役を引き受けているわけではないのですが、先日も町会の方から「また町会長を引き受けたから、もう議員はやらないんだと思っていた」と言われて、自分の思いを明らかにし、それを行動に移すことの必要を思い知らされました。
一方では「どうするつもりだ?」と心配して声をかけてくださる方も少なくなく、今回のFBページでも200名を超える方が関心を持ってくださるので、それを励みにがんばろうと思っています。

そこで、選挙の日程を考えると1年を切っているところですが、これからの1年で皆さんの力をお借りして、次のような活動をしたいと思っています。
それは、三上なおきを応援したいと思っている方に、家族友人知人を数人単位で集めていただき、そこに私が出向いて市政の現状と私の思いを語る、ミニミニ市政報告会です。
政策について意見交換するワークショップも実施したいと思っていますが、それに参加してくださるような関心の高い方ばかりではないのが現実ですし、逆にそうではない方にこそ市政に関心を持ってもらい、さらには私を応援してもらえるようにするには、直接お会いして訴えるのが一番だと思っています。
それも、ただただ「お願いします」と頭を下げるのではなく、短い時間でもきちんと伝えるべきことを伝えて、それが次の出会いへとつながるような活動となれば何よりです。
ただし、どこでもとはいえ、私が費用を負担することはできませんし、いつでもとはいかない場合も実際にはあると思いますので、次のようなスタイルでやりたいと思います。
  • ミニミニ報告会希望の方は、私宛にメール・FBメッセージもしくは090-8612-2032に連絡ください
  • その際、希望の日時を第2希望までお知らせください
  • 場所のセッティングは、お任せします
  • 人数は5人以内でお願いします
  • 費用負担やお礼はできませんので、ご了解ください