2015年1月20日火曜日

進むねぷた運行安全指針議論に思う

12月に続いて、ねぷた運行安全指針に関する小委員会が開催され、参加台数の規制や参加全ねぷた団体による新組織への参加義務といったことが話し合われて、3月には成案がまとまることになりそうです。
全体の方向性としては当然の流れですので指針がまとまることに期待したいと思いますが。少し気になることがあります。

一つは、参加全団体で組織を作ることは必要なことですが、それによってまつりそのものがイベント化さらにはマニュアル化しないように心がけることです。
前に論じた際にも弘前ねぷたと青森ねぶた・五所川原立佞武多との違いにふれ、イベント化しきらないところにねぷたのよさがあるとしましたが、安全マニュアルは経緯からしても必要にしても、あれはダメこれは守れが強くなりすぎては「血がじゃわめぐ」まつりのよさを消してしまうことになります。
市がかかわるイベントとしての重要性、夏の大きな観光資源であるのは当然承知していますが、参加する立場からすると地域のエネルギーを結集して爆発させる貴重な場ですので、何でもかんでも縛りつけるのではない鷹揚さが確保されることを願っています。
もう一つ、ねぷたがまつりとしての存在価値を守りながら安全について万全を期すためにも、合同運行参加の前に地元での単独運行を義務づけるべきだと改めて提案します。
合同運行のコースに比べて狭くなる地元での運行で、きちんと機材が稼働するのか隊列を整える運行管理ができるのか確かめておけば、機材の不具合に気づいたり団体のまとまりを引き締めたりすることにつなげられますし、何より町会単位の団体でなくても小屋がけしている地域とのつながりをつくっていくきっかけになるはずです。
現在でも、合同運行には参加せずに町会や近隣を回るために子ども会などがねぷたを出しているところもありますし、合同運行に縛られすぎることで見えなくなっているねぷた本来の意義を考え直すためにも、地元での運行からやり直すことが大事だと思うのです。

ここではふれずにきましたが、昨夏に事故のあった団体は解散を決めたのだそうで、不意のトラブルで一人の命とともに団体まで失うことになってしまい、本当に失ったものが大きい事故だったと思わずにはいられません。
それだけに、まつりであるとともに弔いの祀りでもあるねぷたをしっかりと続けていくことこそ、鎮魂になると信じています。

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