2015年1月11日日曜日

防災マイスターより、近助の精神を

地元紙の1面トップで、市が養成している防災マイスターが100人を超えたことが報じられていました。
非常に喜ばしいことですが、約3ヶ月間にわたって毎週土曜日を講習にあてる都合がつかずに受講できずにいる私からすれば、3年間である程度の人数を確保できたのであれば、来年度からは期間を長くしても夕方からの講習日程として参加できる範囲を広げる工夫があってもよいのではと負け惜しみしたくなります。
その記事の中でもふれていましたが、こういう人たちをリーダーとして自主防災組織の結成や地域コミュニティの再生に生かしたいというねらいは理解できるものの、自主防災組織の結成率はまだまだ低いのが現実ですし、また防災マイスターが所属している町会で自主防災組織があるのかどうかといったマッチングの状況も定かではありません。
相馬地区では、支所の後押しもあって全16町会すべてで自主防災組織を結成していますが、防災マイスターを持った人材はいないはずですし、結成時の補助金で機材はそろえたものの休眠状態なのが現実で、一昨年9月の台風18号の際にはまったく機能しなかったどころか、機材のある集会所周辺の道路が冠水して避難所にもならないことをはじめて知るようなていたらくでしたので、名ばかりの組織や資格では意味がないと思っています。

それでも何とかなっているのは、一定の訓練を受けた消防団があるからで、台風18号でもきちんと活動してくれたおかげで助かりましたが、大震災のように町全体が壊滅してしまうような状況では、リーダー的な存在だけではどうにもならなくなってしまいます。
実際の大震災などの調査では、被災して助かった人の8割は近所の人たちに救助されたのだそうで、漠然とした共助ではなく隣近所同士で助けるという近所の精神を提言する専門家もあります。
その意味では、防災マイスターといったリーダー養成よりも、町会単位での防災講座開催などで一人でも多くの人に近所の精神を根づかせていく取り組みが必要だと思いますし、マイスターを養成するのであればそういう講座を開催する力量を身につけるところまでやるのであれば意義があると思います。

1977年の寺沢川水害以来、人的被害のない弘前市ですが、岩木山噴火という懸念もないわけではありませんし、防災に対してどういう姿勢で体制をつくっていくのか、しっかり考えていくべきです。

0 件のコメント:

コメントを投稿