2014年8月8日金曜日

ふるさと納税の矛盾

菅官房長官の控除倍額発言を受けてか、今日のTBS系昼の情報番組「ひるおび」で特集が組まれ、弘前市でも弘前城石垣修理にあてる石垣普請応援コースという特別コースを新たに設定することが公表されました。
ふるさと納税のポータルサイトができたり、番組で紹介されたように長野県阿南町では2億円超と町民税と同額になるほどの寄附が寄せられているそうですし、先日は船橋市で寄附者に非公認キャラクター「ふなっしー」のクリアファイルをプレゼンとすることにしたら1ヶ月で5000万円近い額が集まったそうで、非常に注目される取り組みになっています。
これにひきかえ、弘前市の昨年度実績は313万円だそうで、シティプロモーションとの関連で質問する議員もあって、今回の特別コース設定となったようですが、この機会にふるさと納税を考えてみたいと思います。

「ひるおび」のコメンテーターとして前鳥取県知事であり総務大臣も務めたことのある片山善博さんが出演していたので、いくつか矛盾があることがわかりました。
本来の目的は地方格差で税収が少ない自治体を応援することなのですが、現在では半数近い自治体がプレゼンとをつけることで寄附を呼びこむ流れになっていて、先ほどの船橋市のように首都圏の恵まれた自治体に寄附が集まるのでは本末転倒なのですが、これから東京五輪を控えて入場券や五輪グッズをもらえるとなれば東京に集中してしまうこともあり得る制度設計が問題だと、片山さんは話していました。
また、片山さんは市民税であれば市民税1万円納税額が増えると国からの地方交付税が8000円減額されるのに対し、ふるさと納税は1万円の寄附がまるごと収まるので、自治体にとっては納税者より寄附者の方がありがたいという逆転現象が生じる懸念を語っていましたが、阿南町では米20kgがプレゼントされるのだそうで普通に考えれば1万円でそれ以上の見返りが受けられる寄附と目に見える見返りがない納税のギャップは大きいと思います。
これは弘前市でも言えることで、1万円それ以上の納税をしているからといって一口城主と自動的に認めてくれるはずもなく石垣に名前を刻まれるわけもないのに、ふるさと納税であれば1万円で後代に名を残してもらえるのを考えると、神社仏閣のように寄進額の多少に応じて順番に並べてもらえる方が公平だとさえ言えると思います。

ちなみに、弘前市のこれまでのふるさと納税は、日本一のさくら・四大まつり・子どもたちの笑顔・オール弘前地域づくりの4コースだったのですが、納税している市民は自らの血税の使途を指定できないにもかかわらず、ふるさと納税であれば一口城主を含めて5分野から選択できるというわけです。
これも片山さんが言う寄附者優先の仕組みの一つなのですが、それであればふるさと納税の控除額と同額まで納税の際に指定できるようにでもしないとおかしいと言わざるを得ませんし、市からすれば自由に使える税金を納める納税者こそ優遇すべきであるのは言うまでもありません。
プレゼントも阿南町のように寄付金を上回る見返りとなれば、その産品を支度するところで財源がなくなってしまって、町の経済の活性化にはつながっても町が考えていた分野には予算が回せないという矛盾が生じる懸念もありますし、プレゼントなしで300万円でも新規事業一つに絞って使わせていただくくらいの思い切りがあれば寄附をいただいた意義があるということもできます。

ふるさと納税は、何がもらえるかではなく、何に使ってもらえるかを考えるべきですし、それが納税する立場として市政を見直すきっかけにもできると思います。
あなたは、自分の納める税金そして寄附金を何に使ってほしいですか?