2014年10月7日火曜日

本丸御殿「復元」でできること



昨日の白土塀の件が思いのほか反響を呼んでいますので、珍しく同じテーマで連投です。

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これは数年前に行われた弘前公園プレミアムツアーの一コマ、場所としては現在の博物館前周辺の広場ですが、みんなで見ているのは何か、わかりますか?
芝生のところに区切りがあるのが見えると思いますが、これは博物館建設の前にあった野球場のベースラインの位置を伝えるために作られたものです。これは何も知らずに歩いては気づかないと思いますが、この時は当時の観光コンベンション協会・今井二三夫さん直々の案内で知り、野球場があったのも覚えているだけに感慨深く眺めたものです。

では、今さら何でこんな写真を引っ張り出したかというと、史跡指定されている弘前公園であっても、当時なかった建物を建てたりするのはご法度でも造作を工夫すれば何があったのかを示すことができる実例があるのですから、天守閣の移動などで本丸の敷地に手が入るのを機に、本丸御殿の平面図どおりの区画を「復元」させるのを検討してはどうかと思うのです。
実際には、その後に植えられたしだれ桜や八重桜などで完全というのは難しいでしょうが、部屋割りを「復元」できれば歴史を「見える」化するだけでなく、桜まつり期間中に部屋ごとに場所取りの予約販売をすることにすれば、飲み会をする人たちにも「今年は○○の間!」といったノリで、いかにも本丸御殿の場所で飲んでいるという気持ちにさせることになりますし、さらにまつりを楽しんでもらえるのではないかと思います。

私自身は歴史学の徒ですので、史跡としての価値を重んじたいのは山々ですが、弘前公園そして桜まつりのことを考えるとどうしたら弘前公園に足を運んでもらえるか、まつりを楽しんでもらえるかということと天秤にかけてみるべきだと思います。
何といっても、築城時には桜は一本もなかったのですから、このくらいの遊び心はあっていいと思うのです。

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