2014年6月12日木曜日

政治家のキャリアパス

先日買ったばかりの『市議会議員に転職しました。』をさっそく読了しました。
著者は、横浜市議・伊藤大貴さんと多摩市議・遠藤ちひろさんですが、伊藤さんとはTwitterを通じた交流があり立場を超えて一緒に図書館の最前線を視察したこともある仲だけに、関心と共感を持って読みました。上記リンクの書評にも記しておきましたが、ビジネスの世界で政治の壁を感じたことのある人にはご一読をお勧めしたい充実の内容です。
その中で、伊藤さんは政治家のキャリアパスについてチラッとふれていましたが、私もこの件では思いがありますので、この機会に明らかにしておきたいと思います。

前回の市議選では、議会改革一本でのマニフェストで臨みましたが、その最後に首長ばかりでなく議員にも任期制限を、と入れていました。
最近では、自ら制定した多選禁止条例を踏みにじって4選を果たす区長まで出てくる始末ですが、条例で定めないまでも古くは熊本県知事・細川護煕さん、三重県知事・北川正恭先生のように待望されながらも退く方や、実際に条例制定して多選を禁じた首長は存在したものの、議員での任期制限はありませんでした。
私は、若くして議員になられた時には気概に燃えていたはずなのに期数を重ねることで議会の慣習にとらわれてしまい、地域への利益誘導をすることで盤石な選挙態勢を作って、職業としての議員というダークサイドに転んでいる方を見るにつけ、議員とは政策全般を議論できるプロでなければならないが、プロである以上ある一定の期間で引退するけじめが必要だと思っていました。
議員という立場を失ってみると、議会の中で考えていることと地域社会の常識は違っているのが見えてきますし、これが長くいればいるほど気づかなくなるだろうと確信しているところですので、時代の流れの早さや49歳という年齢のことも考えると、次期当選できたとしても2期8年でピリオドを打つつもりです。
ついでに言っておきますと、曲がりなりにも市議を経験し、地元・相馬地区に県議不在となっていることで「上を狙えば」と言ってくださる方もありますが、住民と直接向き合う市町村でのやりがいは感じても国と市町村の間で存在する意義が見えない県での仕事をしてみたいとも思いませんし、市町村から県そして国会と上がっていくのが政治家のステータスだとも思っていないことをご理解いただきたいと思います。

実は、伊藤さんとは議員後のキャリアパスについても意見を交わしたことがあるのですが、30代の彼らには場所を変えて政治から抜け出さない生き方ではなく、政治で身につけたもので実社会でまた活躍してほしいと思いますし、今回の出版のようにさまざまなところから声がかかるだけの資質と声をかけてくる方の環境もありますから心配はいらないと思っています。
ただ、私のように政治の道をあきらめないまま地域での活動にも取り組みたいと思った場合にはフルタイムの仕事に就くわけにもいきませんし、彼らと同年代でも地方であればそのキャリアを生かした仕事も中々ないだけに、「落ちてしまえば、ただの人」という政治から離れる不安が議員へのしがみつきを生み職業化させてしまうのだとも思います。
それだけに、社会としても政治のキャリアが生きる受け皿を用意していく必要もあると思いますし、在職中から自ら市民としてまちづくりなどに参画して「ただ者でない」という評価をいただけるような活動をしていくべきだと思っています。

それより何より、今は「ただの人」の自分こそ、しっかりしないといけません。