2015年3月26日木曜日

予約型乗合タクシー拡充の前に考えるべきこと

今日の地元紙には両方とも公共交通の記事がありましたが、陸奥新報では弘前駅と中央弘前駅・大鰐線千年駅と安原地区を結ぶ乗合型サービスの実施がメインで相馬地区で実施中の予約型乗合タクシーについては現況のみを報じていましたが、東奥日報では相馬での実証実験をふまえて夏頃から本格稼働させることを中心にしています。
この予約型乗合タクシーの問題点は先日指摘したとおりですが、フォローアップというにはお粗末なまま本格的に展開していくことに懸念を感じます。

紙上では、昨年2月からの実証実験でバス運行当時とほぼ変わらない利用者があり、一方で赤字幅が6.3万円から3.4万円へと大きく減じることができたのが最大の成果のように報じていますが、利用したいと思っても利用できない時刻表のままだったり携帯型予約機の実験までしても当日の流れで帰りの便の変更が気がかりで結局タクシーで帰ってきてしまうといった利用者の声よりも、とにかく赤字を何とかしたいというのが見え透いてしまう記事でした。
この事業によって、弘南バスの赤字縮小ばかりでなく、乗合型タクシーを請け負ったタクシー協会には補助金が入るというプラスがありますが、それを補てんするのが市の財政なのですから、結局は市民にツケが回ってくるやり方です。
これを仮に市内全域の赤字路線で展開するとなれば、現在の一社対応ではとても不可能な話ですし、通学通勤のために便数が必要となる朝夕にタクシー会社が全力をあげて対応すれば今度はタクシーを利用したい本来のお客様や観光客への師匠も考えられるだけに、新年度策定を予定している地域公共交通再編実施計画でしっかりとしたニーズ調査や影響を分析した上で、一ヶ所ずつ実施路線を増やしていくくらいの慎重さが求められる問題だと思うのです。

路線ごとの成否という問題もありますが、コミュニティバスの成功事例では総じて地域の協力ばかりでなく地域が主体となって活路を見いだす動きを見せているのに対し、相馬での実証実験は市と業者とで話を決めて地元に押しつける形ではじまり、その後も中間報告もなければ住民から意見要望を聴くという場ももうけないままで、バス問題を地域の自分ゴトとしてかかわってもらおうという姿勢がまるでありません。
最初の実験台ですらこんな状況では、全面展開ともなれば有無を言わさず切り替えていくのは必定でしょうから、赤字路線の郊外部では軒並みバスを奪われて場当たり的な乗合タクシー導入となり、早晩全面的には展開できない仕組みだと明らかになって、利用者の少ないところから切り捨てられていくという暗い未来図が予想できます。
こんな赤字幅圧縮でも手柄として、県から出向している浅利都市計画課長は相馬に足を運ぶこともなく都市環境部長へと昇進するのですから、何とも虚しい気がしますし、本当に地域における公共交通問題を自分ゴトとして考えてくれる職員が市民と一緒に取り組むという体制にはなり得ない現状に怒りすら感じます。

先日も警告しましたが、今度は本当にあなたの地域のバス路線がターゲットです。同じ立場となる皆さんと手を携えて対抗していきたいと思っています。